厚底な足元「ファットフッター」が叶えるユーザビリティ

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Fat Footer Roundup

ファットフッターはどこからやってきたのか

Informative and Usable Footers in Web Design Matt Cronin

それは2009年、古き良き時代に遡ります! Smashing Magazineのこの記事で、ファットフッターという言葉こそ出てきませんが、ファットフッターの始まりとなるものが、サイトマップや会社についての情報、リンク、問い合わせフォームなどを含むおすすめ情報からなるものだったことが分かります。さらに、この記事で示されている空白の有効利用や、フッターを他の部分から視覚的に分離することなどは今日でも通用します。急速に変化するウェブデザインの中で、こうした基本的な要素が時を超えて使われているのを見るのは珍しいことです。

Fat Footers, the Long Tail of Your Website Frank Sukyer

懐かしい思い出をさらに辿りましょう。2010年にVisual Swirlに掲載されたこの記事のFrank Sukyerの分析は今日の考え方ほど、神経質なものではありません。彼は当時注目を集めつつあったファットフッターについて三つずつ良い点と悪い点を挙げています。ファットフッターについての議論に彼の与えた考察の一つは、ファットフッターによって、創造性のためのスペースが生み出される、ということでした。

Copyright: Frank Sukyer/Visual Swirl

Copyright: Frank Sukyer/Visual Swirl


ファットフッターを使うべきでないとき

Fat Footers – Should They Include a Sitemap Ben Still

誰もがファットフッターのファンというわけではありません。Ben StillはRedantのサイトで発表したこの記事で、流行のファットフッターを批判し、同じ効果があって特に欠点の見当たらない様々な代替手段を提案しています。Stillはこの記事で、とくに過剰なリンクを張ったフッターが、クローラーによってスパムであると判断される可能性があることを指摘しています。彼はまた、ユーザービリティテストの結果から、すべてのファットフッターがサイトをユーザーに使いやすいものにしているわけではないことを例示しています。

IBM's Mega-menu Launch Marty Gruhn

2年前、IBMはメガメニュー(と呼ばれる面積の広いドロップダウンメニュー)をファットフッターに採用しましたが、これをsiteIQのMarty Gruhn(とKenna Dian)が「Don't Miss/Don't Bother(特定の新機能について「見逃すな」か「構うな」かを判定していくコーナー)」シリーズの中で取り上げました。結果は、「構うな」でした。記事の大半はリンクを示す色やフォント選択などを含むIBMのデザインについての批判で占められていますが、同時にファットフッターについて、やってはいけないことを考察した良い事例研究となっています。

この記事は読み物としても大変面白く、一読をお勧めします。ネタバレしないように、Martyの面白くてためになる以下の言葉を引用するに留めましょう。(編集部補足:IBM.comでは右下の動的なナビゲーションと共に左から動的なヘルプ表示が現れたことに苦言を呈している文脈で)「もしIBM.comのヘルプを参考にするつもりなら、静的なヘルプに徹するか、多数のメニュー項目をステップごとに進ませるほうがまだマシです。動的な機能と動的なナビゲーションを共存させてしまうと、悪酔いしたユーザーのためにエチケット袋を手渡すハメになります」

さっそく始めましょう

すべてのサイトや企業にとって、ファットフッターが最良の選択肢とは限りません。この総まとめをよい足がかりとするにせよ、最終決断は現場のUXデザイナーの手に委ねられています。フッターを作るときに、以下のチェックリストをお役立てください。

・ユーザーはここに何を期待しているのか?

・ユーザーのサイト巡りの旅における次の論理的な手順は何か?

・サイトの下端に置くべき、第二第三にユーザーに尋ねられそうなことは何か?

・このページのコンテンツの向こうにどのような体験が求められているのか?


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