【UXの迷信】ユーザーはデベロッパーと同じ事を考える?

Zoltán Gócza

ZoltánはCentralway(チューリッヒのソフトウェア企業)のUXデザイナー長。元UstreamのUXディレクター。美しく、且つ使えるプロダクトを作ることに情熱を燃やしています。

この記事はUX Mythsからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Myth #14: You are like your users

あなたはWebサイトをデザインする時に、「ユーザーは私が作ったWebサイトについて、私(デベロッパー)と同じように感じるだろう」という思い込みをしてしまってはいませんか? Webサイトのデベロッパーはしばしばそう思い込みがちです。しかしそう思い込んでしまうと、考えが大きく偏ってしまい、無駄の多いデザインになってしまうということがよくあります。

デベロッパーは自身のサービスやWebサイトのことを、当然ながら詳しく知っています。情熱を傾けているからです。しかしその一方、ユーザーはそれほど詳しいわけではありません。ユーザーは様々な考えや目標を持っていて、ただWebサイトを使って物事を処理したいだけなのです。

「ユーザーは私と同じように感じるだろう」という思い込みを持たないようにするためには、ユーザーのことをよく学び、デザインする過程に彼らを巻き込み、交流する必要があります。

ユーザーとデベロッパーの違いにどう対処すれば良いのか

Jakob Nielsenは言います。「ユーザビリティについて最も理解するのが大変だったのは、『デベロッパーはユーザーとは違う』ということです。開発プロジェクトに着手すれば、デベロッパーは一般の人と同じ状態ではなくなります。内部の人ではなく、外部の人々に対してUXを最適化するようなデザインをしてください。そうするために有効なのはユーザーテストです。代表的なユーザーのニーズを読み取ってください。流行に乗ったプロジェクトは魅力的ですが、利益を出すためには、顧客にとって価値のある基本の部分に焦点を当てることが大事です。」

--Growing a Business Website: Fix the Basics First

Google Buzzの登場は、「デベロッパーはユーザーとは違う」ということを示す良い例です。Google Buzzは2万人のGoogle社員がテストした後に世に出ましたが、たくさんの不平不満を受け、廃止になってしまいました。多くのGoogle社員がBuzzを動かしていましたが、彼らは実質的には本当のユーザーではなかったのです。

--You are not your user. No matter how good you think you are.

Kathy Sierraはデベロッパーに、自分自身ではなくユーザーの視点や背景に着目すべきだと述べています。「いかに自分が優れているかを伝えるのではなく、ユーザーをより良い状態にするためにあなたが何を提供できるのかを伝えましょう。」

・プログラミングの分野においても同じです。プログラミング言語のデベロッパーとプログラマーは完全に異なる次元にいます。例えば、Javaをデザインするcode-ninjasのコミュニティにとっては、一般的なプログラマーが使いやすいようにJavaを調整するのは非常に大変なことです。

-- Java Closures and What We Can Learn From HCI: You Are Not Your User

Joshua Brewerは、ユーザーを理解すること、また彼らがデベロッパーとは異なるということを理解することがなぜ大切なのかを説明しています。

--You are not your user

・ペルソナ(あたかも実在するような架空の顧客像)を設定し、それを使うことに関して書かれているThe user is always rightという書籍では、ユーザー中心のデザインをしていく過程をステップ分けしてあります。このうちの2番目のステップに、自分自身とユーザーは異なるということを理解することが置かれています。

Susan Weinschenkは、ユーザーの心理モデルとデベロッパーのコンセプトのモデルの違いに関して論じています。この二つのモデルを合致させることが、良いUXをデザインする鍵になると彼女は言います。

--The Secret to Designing an Intuitive UX: Match the Mental Model to the Conceptual Model

Google“What is a Browser?”という調査では、いかに少数の人しかブラウザというものを理解しておらず、気にもしていないかということが見事に明らかになりました。他のソフトウェアでもきっと同じ結果になるでしょう。

・心理学の研究で、初心者の立場になって物事をやり込むことがいかに難しいかを立証した素晴らしいものがあります。

-- The Curse of Knowledge

Jeff Atwoodは、ユーザーがデベロッパーのことを気にしない理由をまとめています。

・とはいえ、場合によってはデベロッパーとユーザーが非常に似ており、それゆえに開発チーム自身をユーザーとしてサイトをデザイン(セルフデザイン)して成功した、ということもあります。社員にユーザーテストを受けさせることの危険性があったにも関わらずです。37signalsCampaign MonitorIntercomは、セルフデザインが成功した例として有名です。


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