Python には何もしないときに記述する pass 文というものがあります。今回は pass の使い方について説明します。
pass 文の使用例
pass文は以下のようなときに使用できます。
- 関数名、クラス名は決まっているが、実装がまだ明確でないとき
- インタフェースを定義したいとき
- 例外が発生したときに何もしないとき
- 条件分岐のときに何も実行しないとき
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def process_string(strObj): pass class MySuperClass(object): pass |
例えば、上のプログラムの process_string 関数は実装することは決まっており、まだ関数の仕様が確定していなかったり、実装が終了していなかったりするときに pass文を使用します。
MySuperClass はスーパークラスとして使うことが決まっています。コンストラクタやメソッドは何も定義されていませんが、継承することはできます。
これらは実装を後回しにしたいときや、開発初期などによく使われる手法です。
条件分岐の else 節で何も実行しないとき
if 文などの条件分岐のときにも pass 文が使われることがあります。
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for i in range(100): if (i % 2) == 0: print i else: pass |
else 文を書くことで、特定の条件以外は何もしないという意図が明確になります。Python では else 節を使用するときに処理の記述が何もないとエラーになってしまいます。このようなときに pass 文を記述することでエラーを回避できます。
このように Python の文法上必ず「文」が要求されるとき、何も実行しないという意味で pass を利用することができます。