UXスキルでプロジェクトを円滑に! UXリーダーから学ぶ4つの成功テクニック

Tracey Lovejoy

TraceyはLovejoy Consultingの創始者で、IT業界におけるリーダーシップのコーチングでは12年の経験があり、Microsoftのシニアマネージャーを務めたこともあります。

この記事はUX Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

4 Techniques of Successful UX Executives

デザイナーであるMarcelaは失敗したと思いました。彼女は直近三ヶ月、デザインを繰り返し推敲していました。彼女のチームは事前に調査を実施した上で、複数の行動計画を考案し、アジャイルテストでそれら検証し、どうにか満足のいく方向性を見出しました。

ですが、それを開発パートナーにプレゼンをした時、全て却下されてしまいました。彼女は、これ以外の方向性では良いUXを生み出す事ができないと反論し、最後まで食い下がりましたが、最終的には今まで通りの方向性を維持するという事に決まり、彼女にとって今まで精魂を込めて作り上げてきたものが無に帰する事を意味していました。彼女は落胆すると同時に憤りました。

…どこかで聞いたことのあるエピソードではありませんか?

UXの専門家として、我々はエレガントかつ使いやすいUXデザインを構築する経験とスキルを買われて雇われているのですから、デザインに関して、自分が一介の社員と同程度の権限しか持っていない事に対して憤りを感じる事もあるでしょう。

ですが、自身の出した意見を曲げずに反発する事は、良いデザインを活かすための取り組みとは真反対の行動です。You in UX online career & leadership summitのイベントで、我々は世界中のUXリーダーを招き、彼らが今の地位に上り詰めるために歩んだ様々な経緯を聞きました。そして彼らが皆、先述した様な事態を避け、UXリーダーとして話し合いの場で良い協力関係を築くために、同じ取組みを行っていたという事を聞いて驚きました。

そして驚くことにそれを実行するための技術は、UXの専門家として既に我々が身に着けているものばかりなのです。

1. ユーザーと同じくらい、周囲に居る人達の事も知れ

成功しているUXリーダーから聞いた成功法の一つは周囲に居る人達の事をよく知るという事です。

我々は自分たちが「常にユーザーの事を考えている」と信じ込んでいる割には、共に働く「ユーザー」であるはずのパートナーやステークホルダーは別物と考えがちです。

まず我々はユーザーについて知らなければなりません。ユーザーを知るための努力をしなければならないのです。ですが、ユーザーとは誰の事でしょうか? 『あなたのユーザー』はあなたの上司です。またはその上司の上司です。なぜその上司達について知ろうとしないのでしょうか? 上司達にとって重要なものとは何なのでしょうか?―Don Norman

新しい役職に着いたり、新しいチームで働いたりする際にリーダーがなすべき事は、まず周囲の人たちを調べる事です。インテル・フェローであり、UX研究の統括者でもあるGenevieve Bellはインテルにて、その取組みをフィールドリサーチのように行っていました。何が会社全体を突き動かしているのかを知り、そこにあるスイッチを見つける事が彼女の目的でした。なぜならそれを知れば、この会社における壊してよいものと残すべきものを知り、彼女自身が会社で動きやすくなる方法を知れたからです。

私のUXスキルを使ってどうやってもっとこの会社を理解し、加速できるだろうか?―Bell

Netflix のデザイン統括者であるPaolo Malabuyoは、自分の周囲に居る人達を知る事こそ、自分が考案した戦略のプロセスを実行する第一歩である、と説きました。

誰もが最初に戦略のプロセスについて知るべきだとは思いません。最初に『なぜ?』を追求する必要はないのです。最初は『誰?』を考えて、その次に『なぜ?』について考えるのです。あなたは『誰』で、『誰』と働くのか?そして、『なぜ』あなたはその場に居るのか?そして『何』をするべきなのか?そして最後に『どうすれば』あなたはそれを実現できるかについての答えを出すのです―Malabuyo

周囲に居る人達を知るという事は、戦略を立てる際に重要な情報を得る事ができます。ウォルマートラボのUXデザイン&リサーチ部門長の Sara Ortloff Khouryは、相手を話し合いに引き込むためにはどうすればいいかを考えながら自分の周囲に居る人達について知る事こそ、あらゆる戦略やプロジェクトを構築する前にするべき事だと言います。

この取り組みを実践する前に、私は様々な人の考えについて知るにはどうすればいいかを考えます。周囲の人たちはどんな人たちなのか、どんな考えを持っているのか、何を大切にしているのか、そして、どうすればその人たちに近づけるのか、を考えるのです―Ortloff Khoury

我々はUXの専門家として、双方向でのコミュニケーションを確実に行う事ができる商品を生み出すというユーザーのニーズ、ユーザーの求めるもの、ユーザーの望みに応えるための訓練をしてきたはずです。あなたが構築したプロセス、考案した戦略を実現するために、パートナーのニーズ、パートナーの求めるもの、パートナーの望みに応えるのです。そしてプレゼンテーションを通して双方向でのコミュニケーションを確実に行う事で、互いに成功を収めるのです。イベントに招待されたUXリーダーたちは、これらのスキルが成功に直結するという事に気が付いたのです。


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