【後編】ただのアートじゃない! UXデザインとしてのミニマリズム

Tara Hornor

Tara Hornorはマーケティング、広告活動、ブランディング、グラフィックデザイン及びDTPに関する記事を中心に執筆しているライターです。ポストカードやポスター、パンフレット、名刺などのオンライン印刷サービスを提供しているPrintPlace.comに在籍しています。

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Effective Minimalism in Experience Design (2011-07-05)

※この記事の前編はこちらです

前編ではミニマリズムの原点や事例をご紹介しました。後編では引き続き事例をご紹介するとともに、実際のデザインにどう活かすのかご説明します。


Pierrick Calvez

Pierrick Calvezのサイトのホーム画面

Pierrick Calvezのサイトのホーム画面

濃い灰色の背景に白色のテキスト、そしてインパクトのある色彩豊かな画像が特徴的なこのサイトは、ミニマルデザインを取り入れたWebサイトの成功例といえるでしょう。ワークページをはじめとしたCalvezの各ページの背景は、ユーザーが画像を閲覧するためにスクロールしても静止したままになるように設計されており、利便性に優れたデザインとなっています。

Pierrick Calvezのサイトの「企業情報」ページ

Pierrick Calvezのサイトの「企業情報」ページ

このサイトには、余計な画像やフォント、カラーなどの無駄な装飾要素がないため、サイトにおけるユーザーの操作や閲覧を妨げることがありません。「企業情報」のページを例に見てみると、白色で描かれた世界地図が表示されており、水色のアイコンをクリックすると詳細情報が表示されるようになっています。ミニマリズムを効果的に取り入れた一例といえるでしょう。

困惑させるミニマルデザイン

ミニマリズムを用いたWebデザインの中には、利便性に欠け、難しいデザインも存在します。利便性に欠ける要因の1つとして、訪問者の注目を集めるための視覚的要素やキャッチコピー、デザインの統一感、効果的なリンクの設置など、サイトにとって必要不可欠な要素が欠如していることが挙げられます。ミニマルデザインを目指しているものの、その主たる目的である「ユーザーの利便性」が欠如しているWebサイトの具体的な例を見てみましょう。

Straightline

Straightlineのサイトのホーム画面

Straightlineのサイトのホーム画面

Straightlineのサイトは白と黒のモノトーンカラーを基調としており、広いホワイトスペース (空白) には画像が1つもないシンプルな設計となっているため、ミニマルデザインといえるかもしれません。ページをスクロールしていくと、ブログ記事を閲覧することができます。このサイトの問題点は、詳細情報を閲覧するためのリンクがわかりづらい場所に設置されていることです。またメニューバーも表示されていないため、サイト訪問者はサイト内でどのような情報を入手することができるのか理解しづらいデザインとなっています。

Straightlineのサイトのブログ記事

Straightlineのサイトのブログ記事

このブログ記事を見ると、シンプルなブログサイトを作成することによって、フォロワーを個人のポートフォリオが掲載されているページへ誘導しようというWebデザイナーの意図が伺えます。上記でも述べましたように、このサイトの最大の欠点は、イントロダクションのページにおけるリンクが発見しづらい場所に設置されているため、多くのサイト訪問者がリンクの存在に気が付かないということです。

Corporate Risk Watch

Corporate Risk Watchのサイトのホーム画面

Corporate Risk Watchのサイトのホーム画面

画像が一切なく、シンプルな設計となっているCorporate Risk Watchのサイトは、紛れもなくミニマルデザインを用いたWebサイトであるといえるでしょう。しかしながら、機能性の面では改善の余地があり、サイト内の各要素を今一度見直す必要があると思われます。

Corporate Risk Watchのサイトの「デューデリジェンス及びコンプライアンスサービス」ページ

Corporate Risk Watchのサイトの「デューデリジェンス及びコンプライアンスサービス」ページ

各リンクをスクロールすると、リンクのセクションが記載されたグリッドがドロップダウン形式で表示されます。しかし残念なことに、各リンクの下に表示されているコンテンツにグリッドが重なってしまい、ユーザーによるコンテンツの閲覧を妨げてしまっています。ドロップダウン式のメニューは、リンクを一度クリックしてしまうとその後もずっと表示されたままになるため、サイトにおけるユーザーの操作を妨げてしまうことになります。