4~6歳の子どもたち向けのデザイン③

Debra Levin Gelman

Debraは、子供向けのインタラクティブメディアの分野における研究者、デザイナー兼ストラテジストです。彼女はアメリカン大学でビジュアルメディア及び心理学の学士号を、ジョージア工科大学で情報デザイン及びテクノロジーの修士号を取得しています。

この記事はA List Apartからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Kids 4–6: “The Muddy Middle” (2014-07-15)
 編集部より:この記事は全3回に分けてお届けしています。
第1回 / 第2回

自由度を保つ

4〜6歳の子どもたちは、シンプルかつ基本的なルールを伴い、かつしばしばそのルールから逸脱することもできるくらいの、開放的かつ自由なゲームを好みます。7歳頃の子どもたちになると、この状況は急激に変化します。この年齢になると、子どもたちは指定された枠組みの中に留まることを重視しており、心地よく感じるためにはある一定レベルの規整された構造を必要とします。しかし、低年齢層の子どもたちはルールやテストの制限時間を破るのが好きであり、デジタルの環境はこのようなことを行うのに最適な場所となっているのです。

Zoopz.comはモザイク画作成ツールを提供しており、子どもたちが既存のモザイクデザインをさらに拡張したり、また一から自分のオリジナルのデザインを作成することを可能にしています。

図5.7:Zoopz.comから提供される既存のモザイクデザインは、子どもたちが実験や自分の限界を試すことを可能にしています。

図5.7:Zoopz.comから提供される既存のモザイクデザインは、子どもたちが様々なパターンを試したり、挑戦できるようになっています。

図5.8:Zoopz.comのモザイク画作成ツールによって、子どもたちは自分だけの素晴らしいデザインを作成することができます。

図5.8:Zoopz.comのモザイク画作成ツールによって、子どもたちは自分だけのデザインを作成することができます。

Zoopzの素晴らしいところは、モザイクデザインを作成するための説明がほとんど必要ないため、子どもたちが直接ツールを使用してプレイを開始することができるところです。低年齢層の子どもたちは、ゲームを始める前の詳細な説明に苛立ちを感じてしまい、説明が終わる前に興味をなくしてしまいがちなので、これはとても重要です。一般的に、4〜5歳の子どもたちはすぐに説明が理解できないと、ウェブサイトを去ったり、アプリを終了します。もう少し年齢が上の子どもたちは、もし十分なやりがいを感じられる場合はサイトやアプリに留まり、説明に意識を集中させますが、低年齢の子どもたちはそのサイトをすぐに去ってしまいます。よって、ゲームを自由に探索できるようにさせる場合は、自由に操作ができて、かつプレイするための情報は最小限にとどめておきましょう。

ここでゲーム内を探索、或いは何か作成できるようなゲームに関して注意しておきたいことは(特にZoopzのような「持ち帰り」を伴うようなものをデザインする場合)、子どもたちが作成したものを印刷、または保存できるようにしましょう。自分の独自のルールに基づいてプレイするよりも、子どもたちが好きな唯一のことは、自分の作品を誰かに見せることです。Zoopzでは、子どもたちは自分の作品を共有したり、印刷して友人や家族に見せることができないので、チャンスを逃してしまっています。この特性は、子どもたちの年齢が上がるにつれてどんどん重要になっていきます。(共有、保存及び保管については、本著『Design For Kids』の第6章「Kids 6–8: The Big Kids」にて詳細を解説します)

やりがいのある状態を保つ

4〜5歳の子どもから受ける最悪な侮辱は、何かを「赤ん坊じみている」と呼ばれることです。子どもたちは子どもたち内で大きな集団の一部に属しており、彼らが一番やりたくないことは、自分たちが低年齢層の子どもたち向けに作られたサイトを使用している、またはゲームで遊んでいるように感じることです。残念ながら、「赤ん坊じみている」の定義は子どもによって変わるので、その意味を正確に特定することは困難です。しかし私の経験上、子どもたちは自分たちにとって難しくない、またはやりがいを十分に感じられない時に、「赤ん坊じみている」と呼ぶのです。子どもたちは4歳頃から記憶機能が発達する(そしてより行動するようになる)ので、ゲームやアクティビティに複数のステップを追加することで、子どもたちをよりに長くゲームなどに留まるように促すことができます。

デザイナーとして、私たちは直感的にユーザーがすぐにマスターできるようなものを作りたいと考えます。小学生の子どもたち向けに設計する場合は、この考えから離れたいと思うのではないでしょうか。子どもたちは、ゲームまたはアプリの目的を直ちに、かつ容易に理解することができる必要があることは事実ですが、子どもたちが初めてゲームをする段階で、必ずしも完璧にゲームをこなす必要はありません。代わりに、早い段階で比較的容易なレイヤーを構築することで、子どもたちがタスクを迅速に完了することができるようにする一方で、子どもたちが少し難しいと感じるような追加のタスクも取り入れるようにしましょう。例えば、子どもたちが飛んでいる物体を撃たなければならないゲームをデザインする場合、追加ポイントを獲得するために物凄い速度で飛ぶ投射物を子どもたちに捕えさせたり、または難易度が高い「ボーナス・ラウンド」を追加してみましょう。マスターするまでに複数回チャレンジする必要があれば、子どもたちはそのようなゲームを「赤ん坊じみている」と呼ぶ可能性は低くなるでしょう。そして、子どもたちは皆さんが彼らの記憶と能力に与えてくれた自信に感謝することでしょう。

両親もユーザーである

ゲームまたはアプリに複雑さを追加する際は、基本的な前提事項をシンプルかつ明確にする必要があります。ルールの説明ややりとりのデモンストレーションのために、両親による多少の干渉も時には必要となりますが、両親または兄弟がゲームの手順に大いに巻き込まれる必要がある場合は、誰にとっても苛立たしいものとなるでしょう。

少しでもそのような手順がある場合は、「勝つこと」を重視し過ぎないようにし、ユーザーが感じる「報酬」を小さく、かつありきたりなものにしましょう。勝利に対する価値が非常に高い場合は、子どもたちは難しい部分に対処するために、両親に助けを求める傾向があります。私は個人的に、子どもたちがオンラインにアクセスしている時は、両親も同じ部屋にいるようにして、子どもたちがデバイスを使用している際には頻繁に子どもたちをチェックするべきだと考えていますが、両親による過干渉は子供の自主性を奪い、子どもたちができる、そしてするべき学習を妨げてしまいます。

本章のチェックリスト

以下に4〜6歳の子どもたちに向けのデザインに対するチェックリストを掲載します。

皆さんのデザインは以下の項目を全てカバーしていますか?

・「社交的」に感じますか?

・説明や工程を扱いやすい単位に細分化していますか?

・各小規模のマイルストーンが達成された後に、直ちに肯定的なフィードバックを提供していますか?

・発明や自己表現が可能となっていますか?

・発達された記憶機能を発達させるために、複数の段階を含んだアクティビティーが含まれていますか?


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