全然売れないECサイトがやりがちな4つのダメUX

Stan Roach

StanはオムニチャネルコマースにおけるSaaSソリューションプロバイダー、Agiliron Inc.のCCOです。彼は30年以上のキャリアがあり、BtoC、BtoBのソフトウェアのローンチなどにも関わってきました。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

4 User Experience Fails That Impact The Conversion Of E-Commerce Sites

大繁盛なECサイトがある一方で、ぜんぜん儲からないECサイトも存在します。そのようなECサイトはなぜ儲けを得られないのでしょうか。その原因は多々あります。例えば、商品そのものの品質が悪いということや、登録にとてつもなく時間がかかるということ。その他にもウェブサイトからの反応がなかったり、サイトの所有者や運営団体が不明で、実体そのものが疑わしかったり…

このように、ECサイトが期待したほどの成果が得られない理由は様々ありますが、最大の要因はなんでしょう?

それは、「良いユーザー体験の欠如」です。

商品やサービスを販売しているサイトの目的は、クライアントを惹きつけ売り上げを増やすことです。良いUXを与え、クライアントにそこから商品を買いたいと思わせた時にはじめて、その目的は達成されます。購入を促すのも妨げるのもUX次第であり、これがWebサイトの成否に重要な役割を果たしています。

消費者がECサイトに望むようなスムーズなユーザー体験を提供できないため、大事なランディングページからすぐに離れられてしまうのは悪いUXです。消費者をサイトやランディングページに長く滞在させられないので、右肩下がりのコンバージョン率という残念な結果になるのです。この問題を解決するためには、 良いユーザー体験の欠如がサイトに悪影響を与えていたことを認め、サイトの改修を行う必要があります。

UXのどこがクライアントにとって不快だったかが分かれば、間違いを修正することができるはずです。ではECサイトのコンバージョン率に悪影響を与える4つのダメUXについて見ていきましょう。

1. 商品ページに動画がない

あなたは自分のECサイトが十分な訴求力を持っていると信じたいかもしれません。しかし、よく見直して見てください。本当に訴求力がありますか? 商品ページは来訪者にとって魅力的ですか? そこに動画はありますか?

動画? 動画って? …となったのであれば、ダメUXの一つ目はそれです。UXにおける大きな間違い、それは動画の持つ大きな訴求力を活かさないことです。動画はコンテンツマーケティング戦略においても重要な役割を果たします。動画の存在によって、ユーザーが商品ページに滞在する時間を引き伸ばすことができるのです。

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Anagardの研究によると、一人のユーザーがある特定のサイトに滞在している時間はわずか6秒と、実に短いものです。しかし、商品を購入してもらうには、あなたのサイトのUXは、ユーザーを少しでも長く滞在するさせられるようなものでなければいけません。そのためにも、動画の存在は欠かすことができないのです。

How Retailers can Use Video for E-Commerce(小売業者がeコマースに動画を活用する方法)は、あなたのECサイトに動画を使用したいなら必ず見るべきサイトです。動画を活用することはユーザー体験の質を高めるうえで重要なことですが、最大限の効果を得るためには動画を適切に使う必要があります。ただ動画を入れるだけでは十分ではありません。最大限の効果を発揮する方法で、動画を使用するようにしてください。

2. 商品情報が不十分

ECサイトユーザーが、何も購入せずにあなたのサイトから立ち去るのはなぜだと思いますか? それは、商品についての十分な説明がないからです。42%のユーザーが商品の情報不足が理由で購入を見送ったと答えています。商品情報はサイトのUXにとって欠かすことのできない必須要素です。評判の高いサイトは、そうでないサイトに比べて、ユーザーに購入を決断させるに十分な、商品に関するあらゆる情報を網羅しています。

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Raphaは商品説明を十分に備えた模範的なECサイトです。

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上のサイトの商品説明は全然足りていません。訪問者はおそらくもっと多くの情報を欲しがっているでしょうし、より情報を与えることがコンバージョン率の改善に繋がるはずです。

長ったらしい商品の紹介文は必要ありません。大事なことは、商品の長所や特徴、使われている素材、寸法を簡潔に伝えることです。また、このような情報を効果的な方法で伝える必要もあります。ここで重要なのは、この商品が見ている人のためにあるようなモノだと思わせることです。

3. 商品の写真が小さい

最近ではコンピューターのディスプレイはどんどん大きくなっており、その解像度もどんどん良くなっています。そうした大きなディスプレイをふんだんに活かしたビジュアルデザインも徐々に出てきており、例えばどんなサイズのディスプレイでも効果的に魅せることのできるレスポンシブデザインなどもそのうちの一つです。

これによって、Webデザイナーは文字通りの意味でも比喩的な意味でも、大きく考える必要に迫られています。大手のECサイトではこれまで以上に大きな商品の写真を使用しています。まだ以前のままの低品質の小さな商品写真を使用しているサイトも多々見られますが、前者は買いたいものをより大きなサイズでよりクリアに見ることが出来るという体験を提供することができます。

ECサイトのユーザーは、実店舗のように商品に物理的に触れることができません。ですからオーナーであるあなたは、こうした実店舗における体験を、ユーザーにオンライン上で追体験してもらえるように最大限の工夫をしなければなりません。その方法の一つが、大きな商品写真を使用することなのです。

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Marks and Spencerは非常に大量の商品情報をその商品ページに盛り込んでいます。商品写真をクリックすると、その大きなサイズの写真を商品についての詳しい説明と共に見ることができるため、商品について知りたいことがすぐに分かり、ユーザーを購入へと導くようになっています。

4. 貧弱なカスタマーサービス

多くのECサイトのオーナーにとって、UXとは商品紹介ページに注力するもので、簡単かつ便利にショッピングができさえすれば良いと考えてしまいがちです。真剣に商品の購入を考えているユーザーは、購入を決意するまでに他の様々なページまでくまなく見て回ります。このことを理解していないことがそもそもの間違いです。たとえば私は購入を決める前に、「返品ポリシー」「配達方法」「支払いページ」「カスタマーサービス」といったページを見て回りますが、こうしたページがなかったり、あってもいい加減なものだったりすると、このサイトでの購入をさっさと諦めてしまいます。自分たちのビジネスやポリシーについて消費者にきちんと説明する責任を果たしていないと感じるからです。こうしたことが信頼性を損なう原因になることを理解しなければなりません。

もう一つ、ECサイトのオーナーが犯しがちな間違いがあります。カスタマーサービスページが存在しないか、あっても、そんなことに煩わされるのはごめんだというオーナーの気持ちがありありとそのページににじみ出ていることです。

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Jack Jonesは実に素晴らしいカスタマーサービスのページを持っており、見込み客に必要な情報を十分に与え、商品購入を決断させることに成功しています。そればかりでなく、このページは実に良くデザインされており、素晴らしいユーザー体験を提供しています。カスタマーサービスのページのあり方について知りたいなら、このサイトのページを参考にすれば間違いはないでしょう。

まとめ

ユーザーに愛されるECサイトを構築できるかどうかは、つきつめて言えば、あなたのWebサイトがどのようなUXを提供できるかにかかっています。満足なユーザー体験を提供できなければ、ウェブサイトはその機能を果たすことはできず、単なる商品の自動販売機になってしまいます。そのような残念な結果にならないように努力しましょう。


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