「偏愛マップ」で相手を知り、己を知る

三瓶 亮

UX MILK編集長/プロデューサー。ガラケーの時代から様々な形でモバイルコンテンツ制作に関わる。パンクロックとゲームが好き。[Facebook]。

先日、斉藤孝さんの『偏愛マップ―キラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド』という本に出会いました。

この本で紹介されている「偏愛マップ」はいたるところでワークショップなどが行われており、検索をすればたくさん出てくるのですが(本自体は結構前に出たのですが、去年バズったようです)、僕は最近知り合った方にオススメされ、早速本を入手して読んでみたところ、とても気軽に実施できる上にいろいろな場面で活用できると感じたので、今一度こちらでも共有したいと思います。

偏愛マップとは

偏った愛と書いて「偏愛」。自分が偏愛しているもの(=要はすごく好きなもの)をひたすらマッピングしていくワークです。ワークの趣旨としては作成した偏愛マップをきっかけに、人とよりよいコミュニケーションをはかろう、というものになります。

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やり方はいたってシンプルで、

1.紙の中央に自分の名前を書く

2.自分が偏愛しているものを書きまくる

3.二人一組のペアになって紙を交換する

4.その紙を見ながら喋る

たったこれだけです。特にこう書かなければいけないという決まったフォーマットもなく、好きなものをひたすら書く。楽しく書けそうな気がしませんか? しかも「偏愛」ですから、誰も知らなそうな自分のマニアックな部分も遠慮なく書いていいんです。それをできるだけたくさん書く。

グルーピングしたり、連想ゲームのようにつなげていったり、グリッドで分けてしまったり、やり方は自由です。人によって性格が出るのでどう書くか、というのも面白いところです。

以下、本からの抜粋です。

初対面の人間同士の会話ですと、顔だけ見て、ご職業は? おくつですか? お住まいはどちら? ご趣味は? ぐらいしか聞くことがない。それを聞き終わっても後が続かない。気ばっかり遣うことになりかねません。

ところが、「偏愛マップ」をパッと出せば、この人はこういう人生を生きてきたのか、こういう世界を作り上げてきたんだな、ということがわかる。個性とはその人の持っている「世界」のことです。

―『偏愛マップ―キラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド』(10ページ)

上記にあるように、初対面の人同士のアイスブレイクに最適です。このワークのいいところは、

1. 偏愛がマッチングすると爆速で仲良くなれる

2. 偏愛がマッチングしなくても、その紙に書いてあることに触れておけば相手は語ってくれる

ということです。

偏愛マップを行う際のコツ

シンプルで簡単とは言っても、自分でいざやってみたところ、少し難しい部分もありましたので、その辺も少し共有します。

1.偏愛とはいっても幅広く書くことが大事

一つのジャンルを徹底的に書いてもだめです。コミュニケーションという意味では、人に見せた時に何かしらの取っ掛かりがあるといいので、できるだけ幅をもたせたほうがいいです。

2.自分の中であたりまえのように好きなものも書く

偏愛と聞かれると、ニッチなものを書きたくなります。もちろんそれもいいですが、自分の中で当たり前になってしまったものや、メジャーになってしまったものなども、書いておくと、話題として拾われやすくなります。

例えば僕の場合、マンガのONE PIECEなどがそれに当たります。もう今やメジャー過ぎますし、今更ONE PIECEが好き!と書いても全然おもしろくないと思いがちですが、始まった当初はすごい好きだったんですね。そういう場合はONE PIECEだけじゃなくて、8巻のサンジが「くそお世話になりました!」と土下座するシーンが好き、と書いてみてもいいかもしれません。ジョジョだったら5部が好きです、もっと言えばゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが好きです、など。

3. 絵とか吹き出しコメントとかあるといい

上述と関連しますが、吹き出しでワードの補足とかするといいでしょう。STAR WARSと書くだけではなく、吹き出しで「EPISODE ○」や、チューバッカの絵を書いたりするといいかもしれません。

ちなみに上記は僕の初めて偏愛マップでの失敗に基づいて述べました。僕は音楽とゲームが好きなので、紙の7割くらいを自分の音楽とゲーム変遷に使ってしまい、人によっては大半をスルーされるという面白くない偏愛マップとなってしまったので、皆様もご注意下さい(笑)。

意外と自分のことは書きづらい

いざやってみると自分の好きなものはなんだったか、意外と書くのに苦労したり、悩んでしまうと思います。

偏愛マップは相手のことを知るために有効な手段ですが、それと同じくらいに自分のことも振り返るいい機会になると思います。自分が昔好きだったものや、あたりまえのように思っていたものも、どこで大事なきっかけになるかもわかりませんし、これを機に再整理するといいかもしれません。

そして、この自己分析や相手との対話はUXデザインでも活用できるはずです。常に日頃から外にも内にもアンテナを張っていたいものです。是非何かの折に、初対面の方とのアイスブレイクがてらやってみてください。