アプリのプッシュ通知を実装するときに気をつけるべきこと

宗森 琢哉

アプリエンジニア。株式会社マイナースタジオ所属。主に扱っているプログラミング言語はSwift、Ruby、PHP、Python。イカが好き。

プッシュ通知はユーザーがアプリを起動していなくても、こちらからメッセージを送ることができる非常に強力な機能です。しかし、使い方を間違えると、アプリ利用を促す効果がないだけではなく、アプリ自体をアンインストールされてしまう原因となる可能性があります。実際、3割近くのユーザーがプッシュ通知が原因でアプリをアンインストールした経験があるという調査結果も出ています。

今回はプッシュ通知を実装するにあたって、エンジニア視点から気をつけるべきことをいくつか紹介します。(本記事はiOSアプリに関することを中心に記述しています。)

プッシュ通知を何に利用するかユーザーに伝える

ユーザーにプッシュ通知を届けるためにはアプリ側で許可をしてもらう必要があります。しかし、すべてのユーザーが許可をしてくれるとは限りません。むしろ許可をしてくれないユーザーはかなり多いです。事前にどのような内容でプッシュ通知を利用するか説明をすることで、許可数を増やすことができます。現在、リリースされている多くのアプリでも起動直後に通知の許可が出るものがたくさんあります。そういうアプリではユーザーはとりあえず通知をオフにする可能性が高いです。iOSアプリの場合アプリのチュートリアルが終了した直後や、プッシュ通知で送信する内容を説明した直後に許可の画面を出すといいでしょう。

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アプリ側でプッシュ通知のオン/オフをできるようにする

たとえばユーザーがアプリの通知を止めたい場合、iOSの端末だと設定アプリを起動し、通知を選択し、設定を変更したいアプリを選択してから通知のオンオフを選択しなければなりません。これはユーザーにとってかなり手間のかかる作業です。それならアプリをアンインストールした方が早いと考えるユーザーもきっと少なくないでしょう。設定にプッシュ通知をオン/オフするスイッチをひとつおくだけで、ユーザーは簡単に通知を止めることができるようになります。これによって、プッシュ通知が原因によるアプリのアンインストールを抑えることができます。

プッシュ通知を受けとる時間帯を設定できるようにする

プッシュ通知の運用を考えるとき、ユーザーに届ける時間帯は重要です。特別な理由がない限りユーザーが寝ている時間帯は避けるべきです。しかし、デフォルトだとユーザーは通知を受けとる時間帯を選択することができません。人によって起きている時間帯が違うので、アプリ側で設定できるようにするとよいでしょう。たとえば、ニュースアプリでの実装を考えてる場合は、各配信の時間帯ごとに通知の有無を設定できるようにするといいでしょう。またメッセージングアプリでの実装を考えている場合は、ある特定の時間帯は通知を受け取らないようにしたり、サウンドやバイブレーションをオフにする機能を設定できるようにするといいかもしれません。

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一時期なサーバーへの負荷増大に備える

プッシュ通知の内容によっては、短時間に多くのユーザーがアプリを起動する可能性があります。もしサーバーと通信をするようなアプリを開発しているなら、負荷に耐えられるような仕組みを用意しておく必要があります。そのためにまずは、あらかじめどのくらいの負荷に耐えられるか、テストすることが必要です。また、負荷に備えてサーバーをスケールアウトできるシステムを構築したり、場合によっては通知を一定の間隔に分割して配信したりすることを考えるべきです。

運用の改善をできるようにする

プッシュ通知はただのリマインド機能ではなく、アプリにとって非常に重要なコンテンツのひとつです。プッシュ通知の運用を改善していくためには、どんな内容、時間帯にすればいいか決定する指標が必要になります。そのため、プッシュ通知の開封率を取得できるようにするべきです。独自にそのような機能を実装するのも可能ですが、BaaS(Backend as a Service)というサービスを使えばより簡単に実装することができます。プッシュ通知を扱えるBaaSはたくさんありますが、個人的にはParse(※2017年1月サービス終了予定)やGrowth Pushあたりがおすすめです。これらのサービスにはA/Bテストのためのツールも用意されているので非常に便利です。

まとめ

たくさんのアプリで溢れかえる昨今では、フォルダ分けされ、そのままずっと使われないなんてことはよくあることです。そうなると、通知は重要なタッチポイントとなってきます。今回紹介したような機能をリリース時にすべて実装する必要はありませんが、ユーザーがアプリをダウンロードしてくれたタイミングがチャンスなのも事実です。まずはスパムのような通知ではなく、それがユーザーフレンドリーなものであることを伝えていくところから始めましょう。


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