企業が見込み客に情報を発信するためのメディアには、トリプルメディアと呼ばれる「ペイドメディア」「アーンドメディア」「オウンドメディア」の3種類があります。この3つは独立しながらも、それぞれの役割を持った相互的な関係です。今回はオウンドメディアに焦点を当て、詳しい説明やポイントをご紹介します。
トリプルメディアとは
トリプルメディアの相互関係とは、情報の発信者(オウンドメディア)、情報の拡散者(アーンドメディア)、仲介者(ペイドメディア)で成り立ちます。
① ペイドメディア Paid Media
企業がお金を出して獲得した広報枠に情報を発信したメディアです。商品やサービスを不特定多数の人に認知させることが目的です。オウンドメディアに消費者を送り込み、アーンドメディア形成のきっかけをつくる仲介者的な役割もあります。
例)ネット広告、テレビCM、チラシ、雑誌・新聞広告など
② アーンドメディア Earned Media
企業の広告ではなく、既存消費者がチャネルとなり口コミを投稿するサイトやSNSを指します。Earned (評判)という言葉の通り、他者の視点から見た企業の評判を獲得することが目的です。
例)Facebook、Twitter、Instagramなど
③ オウンドメディア Owned Media
企業が自社で管理し、消費者に向けて情報を発信するためのサイトです。見込み顧客との長期的な繋がりや、アーンドメディアで良い評価を得るためにも重要になります。
例)Web サイト、自社メディア、カタログ、パンフレットなど
オウンドメディアとは
オウンドメディアの定義と特徴
定義
- 情報発信をコントロールできる
- 掲載する情報は消費者の視点で構成されている
日本では、企業が運営するWebメディアを指すことが多いです。
特徴
近年では、バナー広告全体の平均クリック率が0.1パーセントほどであり、※(Marke Zine 【売れるネット広告】今すぐ広告原稿のクリック率を上げるには?より)広告だけに頼る集客に限界がきつつあるため、オウンドメディアが注目されるようになりました。また、上手く運用すれば継続的なSEO運用が見込め、長期的には広告よりも投資対効果が高いという点も挙げられます。特徴をまとめると以下の通りです。
- 自社の思うように管理できる
- 長期継続が可能
- 良いコンテンツを作れば企業ブランドが確立し、顧客のロイヤルティが高まる
- オウンドメディアにおけるKPIは「訪問数」や「PV」である
事例
企業の運営するWebマガジンの例をご紹介します。
資生堂とインフォバーン社が共同で運営する美容に関する情報サイトです。1日に5本以上記事を更新することもあり、月のPV数は13万を突破しています。
その他
- ローソン研究所(ローソン)
- FASHION HEADLINE (三越伊勢丹)
- Starbucks Coffee Blog(スターバックスコーヒージャパン)など
オウンドメディア・ブログの5つのポイント
ここで扱うのは、比較的簡単に設立ができるブログについてです。ブログは口コミや認知の拡大だけでなく、顧客のファン化やロイヤルティの上昇にも繋がるなど、さまざまな可能性があります。そんなブログがオウンドメディアとして成功するためのポイントにはどんなものがあるのでしょうか。
記事ではテーマを決める
最も重要なことは記事を書く目的をはっきりさせることです。どんな人をターゲットにするのか?最終的にはユーザーに何をしてもらいたいのか?今の季節のトレンドは?などを考えたうえで「誰に」「何を」「どのように」情報を提供するのかを決める必要があります。またブログの内容は企業の状況や戦略によっても変えていく必要があります。
ソーシャルメディアの相乗効果を狙う
FacebookやTwitterなど、いいね!を獲得できるものやシェアやリツイートなどで拡散ができるものと絡めることでPV数が上がることが期待できます。
SEO対策をする
記事タイトルを工夫し、キーワードに特化した良質なコンテンツを作ることで広告費を出さなくても安定したアクセスを獲得できます。
写真は綺麗に撮る
商品がモノや食事、風景などの場合は写真がとにかく重要です。消費者に「手にいれたい!」と思ってもらう必要があります。
有益な情報を伝える
面白いエピソードやちょっとした豆知識を入れることで消費者が「もっと読みたい」と思うような良質なコンテンツが求められます。また、このブログに割引情報を載せたり、ブログ自体を割引の手段として使うことで得られる「お得感」が消費者の心を掴み、リピート率も上がります。