デザインプロセスがUXの問題を解決することならば、サービスをリリースする前のルーチンはUXの問題をあらかじめ防ぐためにあります。
プロダクトというのは複雑なものです。非常にシンプルに見えるアプリや、たった1ページのWebサイトでさえ、数千行ものコードが含まれている可能性もあります。開発者と話すと、セミコロンひとつのミスが、プロジェクト全体をめちゃくちゃにしたなんて話をよく耳にします。
ユーザーテストが重要なのと同様に、技術面でのテストも非常に重要です。ここでは、サービスのリリース前、リリース中、リリース後に確認できるチェックリストを紹介します。
サービスリリースの1週間前
CSSや画像を使わずにユーザビリティテストをする
CSSや画像を削除することで、データ構造の問題が明らかになることがよくあります。これがスクリーンリーダーや検索エンジン、ボットからの、あなたのページの見え方です。
デザインルールの経験則:見た目が悪かったとしても、使いやすければ良いページです。
フッターまたは「About us」のページに著作権に関する情報を追加する
米国の著作権法には、「作品は、作成された瞬間から著作権保護されており、具体的な形で修正された時点で...」という記載があります。そのため、作成したサイトにコピーライトを表記するか、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで権利を主張しましょう。
すべてのコンテンツのスペルチェックを実行する
ページの内容や、指定されたURLのスペルをチェックするためのオンラインサービスがあります。使用しているテキストは英語ではないですか? もし英語であれば、多言語スペルチェッカーも同じように使えるでしょう。
404ページを作成する
404ページとは、ユーザーに無効なページにアクセスしたことを伝え、さらにほかのリンクを提供するようなページのことです。ユーザーが探しているものを見つけるのに役立つような検索ツールを組み込んだり、サイトの所有者に問題があったことを自動的に通知したりすることもできます。
問い合わせフォームからテストメッセージを送信する
問い合わせフォームが正常に機能し、またドメインがブラックリストに登録されていないことを確認しましょう。
サイトの目的が明記されていることを確認する
開発に携わっている人にとっては、サイトの目的は明らかでしょう。しかし、初めてサイトを訪れる人たちも、自分たちと同じように目的が明確にわかるとは思わないでください。
商標違反を確認する
「サイトが完成した」と思っても、商標権を侵害していると法的な影響が生じることがあります。米国の商標局またはクリエイティブ・コモンズの検索ツールを使って、あなたのアイデア、名前、またはコンテンツが、既にほかの誰かに属していないかを確認しましょう。
Faviconを作成する
Faviconとは、ドメインに関連した16×16ピクセルぐらいの大きさのグラフィックのことです。.icoまたは.pngのいずれかの画像として保存され、ほとんどのブラウザではアドレスバーにあるURLの左側に表示されます。
サービスリリースの48時間前
SEO対策のため、サイト名.comをwww.サイト名.comにリダイレクトする(またはその逆をする)
GoogleやBingのような検索エンジンは、「サイト名.com」と「www.サイト名.com」の両方がアクティブな状態の場合、それらを重複したコンテンツだと認識することがあります。
ドメインに関連付けられているメールアドレスにテストメッセージを送信する
メールは、うまく機能していれば良いのですが、もししていなければ最悪の状態です。メッセージはすぐに送信できる状態にしておきましょう。
テストメッセージに返信する
サイトの電子メールについては受信できるだけでなく、送信もできることを確認しておきましょう。
robots.txtファイルを作成する
このファイルを作成することによって、サイトの所有者はCMS、cgi-binや会員専用ページなどのような、自分のサイト内の特定のディレクトリが検索結果に表示されないようにすることができます。
すべてのリンクを確認する
リンク切れのURL、古いURL、または間違ったURLは、手動や自動でも確認することができます。
HTMLのバリデーションを検証する
さまざまなブラウザでの表示を想定し、表示の乱れを引き起こす可能性のあるHTMLエラーを見つけましょう。
すべてのダミーテキストとテストデータを検索して削除する
ちょっとした秘訣-すべてのプレースホルダーのコンテンツにおいて、 "aaaaa"などのような意味を持たず、検索しやすいキーワードを使用しましょう。サイトの立ち上げ準備ができたら、そのキーワードを検索することで、削除する必要がある部分がすぐに見つかります。
各ページに適切なHTMLタイトルとmeta descriptionを記述する
Google Search Consoleは、サービスのリリース後に役立ちます。
すべての画像にalt属性を付ける
alt属性は、検索エンジンに画像がどのようなものかという内容を伝え、スクリーンリーダーには説明を与え、デザイナーには画像の目的をリマインドするのに役立ちます。
CMSのパスワードは推測されづらいものにする
句読点や数字、または長めの文字を組み合わせることによって、パスワードを解読しにくいものにしましょう。そもそもパスワードがわかりやすいものなら、パスワードを使用する意味はありません。
XMLサイトマップを検証する
XMLサイトマップは正しいフォーマットにする必要があります。エラーにより、検索エンジンがそれらをまったく使用できなくなる可能性もあります。
XMLサイトマップを作成する
XMLファイルとして、ユーザーはテキストエディタなどでサイトマップを作成することができます。しかし、機械に任せてしまえば簡単にできます。
サービスリリース直後
Google Search Consoleに登録する
Google Search Consoleは、検索エンジンがどのようにサイトをインデックスしているか、あるいはしていないかを確認するのに役立ちます。また、ユーザーがどのような検索ワードでサイトを見つけたかについての情報も提供してくれます。
アクセス解析サービスを導入する
アクセス解析サービスでは、ページに追跡可能なコードを追加し、どのようなユーザーが、いつ、どのようにサイトにアクセスするかをトラッキングすることができます。これらのデータから、誰が訪問しているのか、何が見られているのか、トラフィックが改善しているかどうかを判断するのに役立ちます。
検索エンジンにサイトを登録する
検索エンジンにサイトをインデックスさせるために、 検索エンジンにURLを送信しましょう。
サーバー監視ツールを導入する
サーバーに問題が起こるのを心配している場合は、Are My Sites Upのようなサービスに登録し、問題が発生したときに通知を受けられるようにしましょう。
XMLサイトマップを検索エンジンに送信する
検索エンジンのインデックス作成を早めるために、サイト内のどこに何があるのかを伝えるようにしましょう。
サービスリリースから3〜6ヶ月後
連絡先の詳細が変更されていないことを確認する
「About us」のページや「スタッフについて」のページに記載されている人たちは、まだ全員変わらずに働いていますか? また電話番号やFAXの番号、メールアドレス、住所などは更新されていますか?
CMSパスワードを変更する
ときどきパスワードを変更することは、第三者がアカウントにアクセスすることを阻止するために有効な方法です。また、すでにパスワードを知られてしまっている場合には追い出すことができます。
すべてをバックアップする
サイトまたはサービスのバックアップが、定期的なメンテナンスとしてルーチンに含まれていない場合は、今すぐ実行するようにしましょう。
フォームを介して送信されたスパムのようなメールを確認する
サイトが依然として訪問者のあらゆるニーズに応えているかどうかを確認しましょう。そのコンテンツは適切ですか?
機能の有用性を確認する
サイトのどの機能を使用していませんか? 何が削除できますか? それらを確認しましょう。
ユーザーのブラウザを確認する
サイトやWebアプリにアクセスしてくるときに、ユーザーは主にどんなブラウザを使用していますか? 実際のブラウザの使用率は、あなたの想像とは違うかもしれません。
被リンクをチェックする
被リンクは、あなたのサイトの人気度の指標になります。好きな解析ソフトを使って、サイトに送客してくれているのが誰かを特定しましょう。
無効なリンクを確認する
サイトが発展するにつれて、コンテンツの場所を移動したり、または削除することもあるでしょう。しかし、古いコンテンツへのリンクは、それらの変化を反映することができません。できるかぎり該当するリンクを確認し、削除または修正するようにしてください。
まとめ
これは完全なリストではありませんが、自信を持って「リリース」ボタンを押すのに役立つことでしょう。あなたのチームのワークフローの基礎として使用し、幸せなサービスのリリースパーティーを迎えてもらえたらと思います。