本を読むときに、読書ノートはつけていますか? 読書をしても、その内容は忘れてしまいがちです。しかし、読書ノートをつけることで、本への理解を深め、内容を忘れにくくすることができます。
また、なかには読書ノートをつけていたけど、今ではやめてしまったという人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、主にビジネス書や実用書などの読書ノートをつけるときのアイデアについて紹介します。
1.読み返すことを前提にする
ノートをとるだけでも読書の質は高まります。小学生の頃に漢字の書き取りをしたように、手で書くことによって、より記憶に残りやすくなると言えるでしょう。パソコンでノートをとるより、手書きのノートのほうがより記憶に残りやすいという研究もあります。
しかし、書いて終わりでは、読書ノートとしての効果は半減してしまいます。より上手に活用するには書いたあとに読み返すことが重要です。
人の記憶ついての理論のひとつに「エビングハウスの忘却曲線」という、有名なものがあります。この忘却曲線とは、記憶と時間の関係を以下のような図で表すものです。
たとえば、1日後には内容の26%しか覚えていないので、読書ノートをした翌日は必ず読み返すようにすると、記憶へ定着しやすくなります。
また、時間を置いてから読み返すことで、ほかの本との関連を見つけたり、新たな見方を発見したりすることもあります。
2.章ごとに読書ノートをつける
読書の途中で気になる部分がある度にノートをとると、どうしても集中できなくなってきます。そこで、おすすめしたいのが章ごとに読書ノートをとるという方法。本を読んでいるときは、気になる部分に付箋またはマーカーで線を引くだけにしておき、ノートは一切とりません。そして、章を読み終わったところで、付箋を貼った部分についてノートに書いていきます。
こうすることで、読書に集中することができるのはもちろん、章ごとに大切な部分を取捨選択することができるのがメリットです。また、ノートをとることが章ごとのテーマを把握することにつながり、本への理解がより深まるでしょう。
章ごとに読書ノートをつけるときのポイントは、読みながら内容をまとめないことです。読むことと要約することを同時に行うのは難しいので、読むときは読むことに集中して、気になる部分があれば付箋を貼っておき、あとから取捨選択するほうが良いでしょう。
3.読み返しやすいよう整理する
たとえばEvernoteなどに読書ノートを保存する場合は、あとからタグをつけたりして整理することができますが、紙に書く場合は、あらかじめ整理のためのルールを決めておいたほうが良いです。
紙の読書ノートの場合は、以下のように整理することができます。
- ジャンルで色分け
- ジャンル毎に読書ノートを作る
- ジャンル毎に付箋を貼る
おすすめは、大きいジャンル毎にノートを作り、そのジャンルを細分化して色分けする方法です。たとえば、Web/ITというジャンルで読書ノートをつくり、デザインやプログラミングという項目毎に色分けをします。
このように読書ノートを整理をすることで、あとから読み返しやすくなります。
4.読書ノートのフォーマットを決める
読書ノートは、あらかじめフォーマットを決めておくと、より書きやすくなります。おすすめのフォーマットは、書籍情報スペース、要約スペース、メモスペースの3つに分ける方法です。
本のタイトルや著者などの書籍情報を書くスペースです。このほか、出版社、発売日、読了日、読んでいた場所、本のジャンルなどの情報を追加しても良いでしょう。
本の要約を書くスペースです。本を読み終わったあとに、本全体の要約を書くために使います。あとで読み返すとときに、この部分を読むだけで内容を把握できるのが理想です。
このスペースに書くのは、以下の3つです。
- 本の要約(200文字以内)
- 本からの学びの箇条書き
- キーワード
要約は読み返すときに、すぐに内容を把握できるように200文字以内を目安に。また、本を通して新しく知ったことや、学びなどを箇条書きで書きましょう。キーワードは、本の内容で気になったキーワードをピックアップして書きます。
章を読み終える毎に、このメモスペースにメモを書いていきます。メモの形式は図、箇条書きなど自由ですが、メモをする内容を「引用」、「考察・意見」、「要約」の3つのカテゴリに分けて考えるとメモをしやすいかもしれません。
また、この3つのカテゴリをマークで分けると、さらに見やすくなります。「考察・意見」なら、電球マークのようにちょっとした遊び心を加えるだけで、読書ノートの印象も大きく異なってきます。あまり読書ノートに慣れていないようであれば、メモスペースに「引用」だけするというパターンもありです。
5.紙かデジタル、どちらを使うか
読書ノートは、紙とデジタルどちらが良いのでしょうか。紙とデジタルの読書ノートには、それぞれ以下のような特徴があります。
良い点
- 書いたあとにパラパラと読み返せる(斜め読みしやすい)
- 書いたほうが頭に入りやすい
- 紙のほうが情報を理解しやすい
悪い点
- 必要な読書ノートをすぐに見つけにくい
良い点
- 検索に優れている
- スマートフォンなどでいつでも見返せる
悪い点
- 他SNSアプリの通知などで集中力が途切れる
- 図や絵を使いにくい
読書ノートを気軽にパラパラと読み返す場合は紙が優れており、読書ノートをキーワードで検索したい場合はデジタルが優れています。また、読み返すという点では、パソコンなどのディスプレイよりも、紙のほうが情報を理解しやすいというのもポイントです。
また、紙とデジタルのいいとこ取りをしたスマートパッドを読書ノートに活用するという方法もあります。スマートパッドとは、ノートに書いたものをデジタルデータにすることができる製品です。
Bamboo FolioとBamboo Slateは、紙のノートをデジタル化することができるスマートパッド。紙に書いた読書ノートを、スキャナーを使うことなく、ボタンを押すだけでスマートフォンにデジタルデータとして保存することができます。
保存したデータはクラウドサービスのInkspaceを使いほかのデバイスと同期することも可能なので、紙のデメリットであった必要なときにすぐに見つけにくいという点も解消できます。
また、Bamboo スマートパッドには、手書き文字をテキスト変換する機能(Ink to Text)もあるので、手書きのノートを文字データとしてEvernoteなどに保存することもできます。これによって、スマートフォンでいつでも見返すことができ、なおかつキーワードなどで検索することもできるようになります。
まとめ
今回は、効果的な読書ノートについて紹介しました。読書ノートの方法には人それぞれ好みがあるので、これを元にあれこれと自分流にカスタマイズしてみてください。
最後に紹介したBamboo スマートパッドは、読書ノートとして使えるだけでなく、仕事の場でも使うことができるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
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Bamboo Folioは保護および整理用のカバーが付いたフォリオ型、Bamboo Slateは薄型軽量で持ち運びしやすいスレート型で、それぞれA4(レター)サイズまたはA5(ハーフレター)サイズから選べます。
どちらも内部の機能や性能は一緒ですので、デバイス自体のデザインやノートを保護するカバーが必要か否かで判断することになります。Bamboo Folioには名刺やちょっとした紙をしまっておける便利なポケットもついています。
提供:株式会社ワコム
企画制作:UX MILK編集部
撮影協力:BOOK LAB TOKYO