マイクロインタラクションでユーザーを夢中にさせる方法

Stephen Moyers

Stephenはオンラインマーケッター、デザイナー、そしてブロガーで、ロスンゼルスのSPINX Digital Agencyに勤めています。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

How Micro-Interactions Drive User Engagement

現代のビジネスで生き残るためには、ユーザーと常に良好な関係を維持しなければなりません。その最善の手段は、ユーザーを夢中にさせ、記憶に残る貴重な体験を作り出すことです。

Webデザインのようなコンテンツは、さまざまな画面やデバイスを介して直感的に訴える手段として、ユーザーの体験に決定的な影響を及ぼします。その中でもマイクロインタラクションはユーザーを夢中にさせる大きな可能性を秘めているのですが、見過ごされがちな手段です。

マイクロインタラクションとは、ユーザーが特定のアクションを実行したときに表示される小さなアニメーションや視覚的な反応のことです。たとえば、Twitterで「フォロー」アイコンを押すと色がついたり、「いいね」を押すと小さくてカラフルなアニメーションが出たりするものを指します。マイクロインタラクションは一見取るに足らないもののようですが、人間の心理に基づいており、ユーザーに大きな心理的影響を与えます。

マイクロインタラクションは人間の感情を刺激する

私たちは知らず知らずのうちに毎日無数のマイクロインタラクションを使用しています。シンプルかつ素早い動作(朝アラームをスヌーズするために携帯電話の画面をスワイプするなど)では、いつもマイクロインタラクションが使われています。

あらゆるインタラクションと同様に、マイクロインタラクションにも動作とそれに対する反応があります。ユーザーがあるアクションを実行すると、それに反応してインターフェイスは意図した行動が確実に実行されたことをユーザーに知らせます。

マイクロインタラクションはユーザーにアクションが達成されたことを伝え、ユーザーは達成されたことを知らせる何らかのサインを受けとります。

マイクロインタラクションは、インターフェイスの要素を操作できる場所にユーザーを導きます。マイクロインタラクションの基本要素は次の4つです。

  • トリガー:アクションを開始するものです。ほとんどのインターフェイスでは、要素をクリックまたはタッチする操作が該当します。
  • ルール:マイクロインタラクションは、ユーザーがどのように操作したかに基づいて反応します。
  • フィードバック:アクションが正しく実行されたことをユーザーに知らせるための反応です。
  • ループ:どんな1つのサイクルが終わったときにも何かを起こします。たとえばソーシャルメディアの「シェア」ボタンを押すと、その投稿が「シェア」されたことをユーザーに通知し、ユーザーのプロフィールにも新しく投稿されます。

基本的なことに聞こえるかもしれませんが、ここにマイクロインタラクションの重要な心理的要因があります。一般的に、人間は自分が正しく行動を実行したということを知りたいのです。これを素早く効率的に伝えるのが優れたマイクロインタラクションです。

優れたマイクロインタラクションを設計するには、上記の4つをユーザーに気付かれないようにする必要があります。気付かれないからやる意味がないのではなく、小さなサインがユーザーにちょっとしたタスクでも成功したことを伝えることで、不確かさが解消されてユーザーは安心するのです。

アプリはマイクロインタラクションに左右される

マイクロインタラクションはWebページやデスクトップのアプリケーションにも存在しますが、真価はモバイルアプリで発揮されます。タッチスクリーンにマイクロインタラクションがないと、ぎこちない厄介なナビゲーションになってしまいます。また、質の悪いマイクロインタラクションはユーザーに嫌われます。

アプリは数え切れないほどありますが、多くはほぼ同じ機能や役割を果たしています。

あなたのスマートフォンにはお気に入りの天気予報アプリやSNSのプラットフォームなど、自分の好みで選択した色々なアプリが存在するでしょう。そのアプリの何が好きなのか、なぜ数あるアプリからそれを選んだのか、時間をかけて分析してみてください。さまざまなマイクロインタラクションが理由であることが実感できるはずです。

つまり、私たちはどのようにアプリを操作し、どのようにアプリが反応するかに基づいて好きなアプリを選択しているのです。アプリのシンプルさにかかわらず、このマイクロインタラクションがユーザーの興味を引き、夢中にさせているのです。

自身のサイトでマイクロインタラクションを作成する際には以下の点に配慮しましょう。

繰り返し

マイクロインタラクションはわずらわしいものであってはなりません。ユーザーを楽しませるために派手で可笑しなマイクロインタラクションを取り入れているアプリもありますが、大抵の場合は裏目に出ます。目新しく奇妙なマイクロインタラクションは最初は面白いかもしれませんが、何回も試すうちに不快でわずわらしいものになり、結果ユーザーはほかのアプリに移ってしまうでしょう。

マイクロインタラクションのフィードバックがユーザーにとって十分わかりやすいことを確かめた上で、何度使用しても不快でないものにしなければなりません。

ユーザー設定

ユーザーがある程度マイクロインタラクションを調節できるようにすることは、長期的に使ってもらうために有効な手段です。たとえば、スマートフォンのハプティックフィードバック(タッチスクリーンのキーボードの文字をタップするとわずかに振動すること)には人気があります。これによってユーザーが確実に文字を打ったことを知らせているのです。

しかし中にはいちいち振動するのが嫌になってしまう人もいるでしょう。ですので、ユーザーがマイクロインタラクションの要素のオンとオフを自分で切り替えられることで、ユーザーを魅了し続けることができるのです。

単純さ

マイクロインタラクションが小さいからといって、小ささを過度に考慮して複雑にしては絶対にいけません。前出の通り、ユーザーは複雑に飾られたフィードバックにはすぐ飽きてしまいます。

テキストや色、そのほかのマイクロインタラクションのデザイン要素を作成するとき、アクション自体をより複雑なものにするのはやめましょう。効率的にするのにちょうどいい程度のフィードバックで十分です。

調和

マイクロインタラクションを形成するインターフェースの部分が、ほかのインターフェースの視覚要素と調和していることを確認してください。ユーザーが操作することができるインターフェースの部分に注目を集めたいのはわかりますが、それを知らせるために目立たたせたり派手にしたりする必要はありません。

細部

マイクロインタラクションは非常に小さいため、細部まで完璧でなくてはなりません。ローンチ前にすべての要素が意図したとおりに動作し、視覚的に美しいことを見きわめることが重要です。

また、それぞれのユーザーがマイクロインタラクションをどのように認識するのかを確かめる必要があります。そもそも、すべてのユーザーが同じインタラクションを持つべきなのでしょうか?

マイクロインタラクションがユーザーを楽しませる

逆説的ですが、もっとも成功したマイクロインタラクションとは、使ってるときは気付かないのですが変更されるとすぐにわかるものです。優れたマイクロインタラクションは何回使っても印象が悪くならず、インターフェース全体の設計にもマッチします。

日常生活や人間同士のやりとりにおいて一般的に直接的な反応であるほど受け入れやすいように、ユーザーインターフェイスのマイクロインタラクションでも同じことが言えます。もっともシンプルなデザインが一番受け入れられやすいのです。

モバイルアプリのデザインは、想像以上にマイクロインタラクションに左右されます。ですので、時間をかけて自分の好みや行動を評価してみてください。より有意義で夢中にさせるUIのためにアプリのマイクロインタラクションを改善しなければならない点がわかりやすくなるでしょう。今まで以上に多くの人々がモバイルデバイスを好んで使っているだけでなく、日常生活をモバイルデバイスに依存しているのです。

アプリのユーザーを楽しませて魅了させる方法を考える際には、以上の点に留意してください。価値のあるマイクロインタラクションを作成することで、ユーザーはアプリを信頼して長く使うようになります。ユーザーは特定の機能を使うためにアプリをダウンロードします。マイクロインタラクションとはそのアプリを使用する中で、ユーザーを誘導して意図したアクションが正しく実行されていることを伝える細かい機能なのです。

マイクロインタラクションの見た目は小さくてかわいいものに見えますが、実際はまったくもって違います。マイクロインタラクションは、もっとも基礎的な部分でユーザーにアプリの使用を促しつづけるものなのです。


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