サイトのコンバージョンを改善するための「5秒間テスト」

Craig Tomlin

Craigは認定されたユーザビリティアナリストであり、数々の受賞歴のあるマーケター。1996年以来、ベンチャー企業、中小企業、フォーチュン500の企業のオンラインマーケティング、ユーザビリティやコンバージョン最適化で収益を向上させてきました。

この記事はUseful Usabilityからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

5 Second Test (2014-03-10)

「5秒間テスト」はWebサイトのコンバージョンを増やし、サイトのROI(Return On Investment:投資利益率)を向上させるのに役立ちます。今回はこのテストを行う方法を紹介します。

5秒というと短く聞こえるかもしれませんが、ユーザーがサイトに滞在する価値があるかどうかを判断するのには、または二度と戻らないと決意するのには十分な時間です。 5秒間テストを使用してコンバージョンを高めることは、サイトのROIを改善する優れた方法です。

というのも、私は数年間で何百というサイトを検査してきましたが、サイトの成功につながる重要な要因として、トップページなどの主要なページが5秒間で以下の3つの重要な情報をきちんと伝えられているかどうかということが大きいことがわかりました。

  • 何の会社なのか
  • どのような製品やサービスを提供しているのか
  • なぜ見る必要があるのか(何をしてくれるのか)

5秒間のうちにこれら3つの要素を効率良く伝達できているサイトは、そうでないサイトよりも格段にコンバージョンが優れており、必然的にROIも優れています。

なぜ5秒間なのか

しかし、なぜ5秒間なのでしょうか。5秒間がとても重要な理由として、次のような調査結果があります。サイトの訪問者は、サイトの質を判断するのに、非常に短い時間、場合によっては50ミリ秒というわずかな時間しか掛けないのです。Lindgaard氏らは、サイトの視覚的な品質を判定するタイミングについての調査で、次のように述べています。

「私たちの目標は、人がどれくらい早く自分たちが見ているものの好き嫌いを判断しているのか、そしてその判断をすることで、単純接触効果が生まれるのかを明らかにすることでした。データは、人が50ミリ秒で信頼性の高い判断を下すことができることを示しています。このことは、視覚的な魅力を判断することで単純接触効果が生まれることを表しています。参加者間の一致、実験間の一致の度合いは、50ミリ秒の段階で既に際立っており、非常に相関があります。」

さらに、私が長年実施してきた何百ものコンバージョン最適化テストの調査はこの主張を裏付けています。テストの参加者は、たった数秒流し読みしただけで、サイトに留まるのか、情報を集めるために閲覧し続けるのかをすばやく判断していました。

5秒間テストの定義

私はWebサイトのための5秒間テストを次のように定義します。

5秒間テストは、ユーザビリティテストの手段です。参加者は5秒間Webページの写真を閲覧します。その後写真を取り除いて、参加者にそのページについて覚えていることを質問します。このテストは、Webページがその目的とコンテンツをどれだけ上手に伝えられているかを評価するためのものです。

5秒間テストは定量データも定性データも分析できる

5秒間テストの大きな利点は、定量的なデータも定性的なデータも手に入れることができることです。テストは非常に短く、簡単に分配できるため、短時間で多くの試験者によってテストできます。比較的早く簡単に統計的意義のある結果を得て、分析用の表やグラフにすることができます。このデータによって、ページが効率よく情報を伝えているかを判断する際、憶測に頼ることはほとんどなくなります。また、コンバージョンをどう最適化するか、提案がしやすくします。

以下の例が示すように、この種の量的データは、Webページが意図した訪問者にどれだけ上手に情報を伝えているのか正確に分析するのに役立ちます。この例では、訪問者の大多数は、会社が提供するサービスや製品について理解しきれていないことがわかります。

トップページと5秒間テスト

5秒間テストの優れた使い方の1つは、トップページのテストに使うことです。なぜならトップページは、サイト内のどのページよりも、何の会社なのか、提供している商品やサービスは何か、なぜユーザーは見る必要があるのか(何をしてくれるのか)という3要素を伝えるために重要だからです。5秒間テストの結果の分析に基づいてトップページのコンバージョンを最適化することで、ページフロー、訪問ページ数、直帰率が大幅に改善されます。

このテストがどれほど効果的に機能するのか実証してみましょう。以下の2つの写真をそれぞれ5秒ずつ見てください。どちらも特定の製品を提供しているサイトです。あなたは5秒間で見つけ出すことができますか。

  • どのような製品が提供されていますか?
  • 何の会社ですか?
  • ユーザーにとって何のメリットがありますか?

この会社はどのような製品を提供していますか。

この会社はどのような製品を提供していますか。

どちらもECサイトであり、女性の靴を販売しています。どちらも「女性の靴」という検索結果に表示されました。しかし、一方のサイトはもう一方より、女性の靴を販売しているということをはっきりと伝えていませんでしたか?

おそらく、2番目のNordstromのWebサイトの写真のほうが、製品や会社、メリットが理解しやすかったでしょう。スクリーンの写真を見る前からブランドを知っていなくても、Nordstromのページから3つの要素を見つけ出すことは簡単だと思います。1番目の写真も女性の靴を売るECサイトのものですが、Nordstromのページほどわかりやすくなかったのではないでしょうか。

5秒間テストから収集された定量データがページコンテンツの問題を明らかにしたとき、もっとも効果的にコンバージョンを最適化することができ、最適化を提案することにつながります。

5秒間テストの試験方法

5秒間テストを実施し、結果をコンバージョンの最適化に使用する場合には、次の方法を行います。

1. テストするページを判断する

一般的に、私はトップページから始めるのが好きです。ほとんどの場合、トップページはもっともトラフィックが多く、直帰率ももっとも高く、3つの重要な要素を訪問者に伝えるもっとも重要なページだからです。しかし、ページのコンバージョンを最適化するために、5秒間テストを行うことができるページはほかにもあります。ランディングページ、カテゴリーページ、製品ページ、情報ページ、カスタマーサービスページ、お問い合わせページなどです。

2. ページのスクリーンショットを撮る

テストを操作しやすくするために、テスト参加者をページに誘導するのではなく、ページの写真を見てもらうようにしましょう。これは主に、実際のWebサイトを使用する場合、一部の試験者が5秒以内にほかのページに移動してサイトの目的を確認しようとする可能性があるためです。また、実際のWebページではなくページの写真を提示することで、ローディングが遅いなどの技術的な欠陥によって、サイト全体が5秒未満しか表示されない可能性を除きます。イメージを提示するだけで、試験者は、参加者がページを閲覧する時間を制御し、見つからない情報を見つけるためにページから離れたくなる衝動から逃れることができます。

3. テスト参加者を特定する

Webサイトに特定のターゲット(たとえば大学の教師など)がある場合はそのペルソナと一致する試験者を探すべきです。同様に、サイトが一般大衆向けである場合は、一般の市民の中から広く試験者を集めましょう。注意すべきなのは、特定のユーザーをターゲットにしているかどうかにかかわらず、すべてのWebサイトのトップページは、誰がページを見ていても、効果的かつ効率的に3つの重要な要素を伝えられる必要があるということです。そのため、正確なペルソナに集中しすぎることは重要ではありません。

4. テストを行う

テストを行うには複数の方法があります。古典的な方法は、あなたのテスト参加者のプロフィールに合った誰かを廊下で見つけて、5秒間ページの写真を見せてから、その写真を見えないようにして、質問します。また、24 Usability Testing Toolsのレビューで触れた5秒間テストのサイトなどのオンラインツールもあります。結果を記録するには、シンプルにエクセルのスプレッドシートを活用して参加者それぞれのコメントを記録するか、または5秒間テストツールを使用すると結果のダウンロードが可能です。

5. 結果を分析する

私は通常、質問に応じて結果を、不正解、正解、部分的に正解の3つのカテゴリーに分けます。もっとも注目を集めたものを聞く質問に関して、私はページの目的を伝えるとき重要な要素をリストにしています。会社のロゴ、見出しまたは説明コピー、印象強い画像などです。興味深いことに、印象強い画像にはもっとも注目が集まりがちなのですが、残念なことにそれはまた、どんな商品やサービスであるかを伝えられていないということでもあります。どんな場合でも、私はグループ毎の回答結果を集計し、そのデータを表を交えてレポートの中で提供しています。

6. コンバージョン最適化に向けた提案をする

結果を分析すると、コンバージョンを最適化する機会がどこにあるのかがすぐに明らかになります。多くの場合で、これらはいくつかに分類できます。ブランド名やロゴが見えにくい、製品以外の印象強い画像が注目を集めてしまっている、バリュープロポジション(サイトの提供できる価値)が不明確であるか完全に欠落しているなどです。ページのどの要素が機能していないかに応じて、最適化するための提案内容が明らかになります。

カルーセルスライダーにおける5秒間テスト

現在の多くのWebサイトでは、複数のスライダーを備えたカルーセルを使用することで、トップページの上部で画像を横にスライドして表示しています。この種のページをテストすることは重要です。なぜなら、スライダーの数、および画面に表示される時間は、そのページがもつ伝達能力に影響を与えるからです。しかし、どのように動くスライダーをテストすれば良いのでしょうか。複数のスライダーのコンバージョンを最適化するのは難しく思えるかもしれませんが、実際には次の手法を使用すれば簡単に行うことができます。

最初のスライダーがトップページに5秒以上表示されるなら、問題は解決です。単純にその画像をテストすれば済みます。スライダーが変わる間隔が短い場合は、すべてのスライダー画像の共通点から分類し、それぞれの分類の代表となるサンプル画像を使用してください。たとえばECサイトの場合、商品画像がある商品のスライダーと、商品画像のない情報のみのスライダーがある場合があります。このとき私は通常、それぞれの分類単位でテストを試みます。極論、すべてのスライダーの画像もテストできますが、それには多くの試験者が必要になってしまいます。

まとめ

5秒間テストは、Webページのコミュニケーション能力をテストし、コンバージョンを最適化するためのデータを獲得する優れたツールです。テストの目的は、ページが次の3つの重要な要素を、どのくらい上手に伝えているかを評価することです。

  • 何の会社か
  • どのような製品やサービスを提供しているのか
  • なぜ見る必要があるのか(何をしてくれるのか)

5秒間テストでは、定性的なデータだけでなく定量的なデータも獲得でき、効率よく素早く行えるので、とても早く結果を生むことができます。サイトの重要なページで5秒間テストを使用することは、UXを最適化する機会を見つけてコンバージョンとROIを向上させるもっとも優れた方法の1つです。

・・・

10月1日に開催されるUX戦略フォーラム2017にて、本記事の著者であるCraig Tomlin氏が来日されます。詳細は以下をご覧ください。

詳細・参加申し込み