UX MILK編集長の三瓶です。UX MILKまわりのデザインをすべて担当しています。
突然ですが、僕は転職活動が苦手です。職務経歴書やポートフォリオ作ったり、自分は今まで何をやってきたか、的確に伝えなければならないわけですが、いまいち伝えきれている気がしません。
そこで今回はデザイナー向け転職サイト「デザイナードラフト」が、サービス上でレジュメのフィードバックをしてくれると聞いて、実際に登録し、レジュメを書いて、添削されてみたいと思います。
(ディレクターやプロダクトマネージャー向けのWeb Expert DRAFTも事前登録受付中みたいです。)
デザイナードラフトに登録してみる
「デザイナードラフト」は株式会社リブセンスさんが運営するデザイナー限定の転職サイトです。
特徴としてはレジュメとポートフォリオを入力すると、その名のごとく、企業から年収付きで指名が入ります。また、サービス上ではどの企業が誰にいくらで指名しているかが見えます。
デザイナーに特化したプロフィール
まず最初にユーザー名やメールアドレスを入力する簡単なフォームがあるのですが、さすがデザイナーと謳うだけあり、いきなり好きなフォントを聞かれました。
思わず別ウィンドウのPhotoshopのフォント一覧を出しましたが、よく考えてみたら僕はだいたい「DIN Condensed」か「UD新ゴ Pro」しか使わないタイプのデザイナーでした。
そのあともデザイナーならではの質問が続きます。かなり細かく聞かれるので、企業さんとの方向性のズレなどはかなり減りそうですね。
他の方の提示年収を見てみる
詳細情報を入れる項目が続くのですが、登録後には他の方への実際の提示年収が見られるということをふと思い出し、過去の入札結果なるページをのぞき見しに行きました。
どの企業がどれくらい指名していて、どれくらいの年収を提示しているのかも見れますし、どんなユーザーが高い年収を提示されているのかも見れてしまいます(このページは未登録の状態でも見れますが、年収は◯◯級といった目安での表示になります。登録すると金額まで見れます)。
それぞれのユーザーのプロフィールページでどんなスキル・経験があるかなど見れますので、高い年収を提示される方々がどんなキャリアなのか垣間見ることができて、非常に参考になります。
さて、他の方の提示年収を見て、だいぶモチベーション上がってきました。情報入力を再開します。
年収評価シート(レジュメ)を書く
年収評価シートは今回のメインディッシュともいえる部分で、自分が過去に担当したプロジェクトや案件の詳細を記載するものです。その名の通り、評価のキモとなる部分です。いわゆるレジュメというものですね。
今回僕は、UX MILKプロジェクトの詳細を書くことにしました。どんなプロジェクトか? 何を担当し、どんな役割だったのか? 使用したツールは何か? など、一つ一つ思い出しながら入れていきます。
僕の場合、企画から設計、ビジュアルデザインまで一貫して担当していたので、ペルソナやカスタマージャーニー、ワイヤーなどもアップします。
最後にプロジェクトの詳細をテキストで記載します。さっそく書きました。
UX MILKというクリエイター向けメディアを立ち上げ、企画、設計、ビジュアルデザイン、フロントエンド(開発以外の部分)全てを担当しました。
実働チームが自分とエンジニアの2人だけだったため、資料作成などのコミュニケーションコストはなるべく省き、密に連携して作り上げていきました。
基本的に記事を読むことに特化したサイトなので、なるべくそのアクションに阻害がないような読みやすい構成を意識しました。名前にちなんだキャラクターも作り、これがサービスのブランディングとして非常に効果的でした。
サイトはWordPressテンプレートを1から作成し、デザインしていきました。今まで2度のリニューアルをしています。リリース当初はIllustratorでワイヤーやカンプを作っていましたが、最近はAdobe XDで設計からデザインまでやってしまう事が多いです。
こんな感じでしょうか。どの程度まで書けばよいのかわからないものです。長すぎても読んでもらえないのではないでしょうか? 難しい…。ですが、レジュメを提出すると審査してもらえるそうなので、しばらく待つことにします。
まさかの審査落ち
さて、後日。デザイナードラフトからお知らせが来ていました。が…。
審査すら通過しないとは…! ショックが隠し切れませんが、よく見てみると、どうやら情報が足りないようで、細かくフィードバックが来ていました。
いくつかピックアップして見ていきたいと思います。
よりよいレジュメのための改善ポイント
1. どう工夫したかを書く(HOW)
> 読みやすい構成を意識
読みやすい構成にするために工夫したことについてもう少し掘り下げて記載頂けますか。
確かに今回のデザインをするにあたって具体的にどうデザインしたのかが、全く伝わりません。画面のキャプチャを上げたからいいや、と思ってしまった感もありますが、審査する方にはきちんと補足をしないとどこをどうしたのかが伝わりません。書き直します。
「基本的に記事を読むことに特化したサイトなので、なるべくそのアクションの阻害がないような読みやすい構成を意識しました。」
「基本的に記事を読むことに特化しているので、なるべくその「読む」というアクションの阻害がないように、ミニマルなデザインとしました。具体的には十分なホワイトスペースの確保や、文章の適切な折り返し地点の設定などを意識し、フォントや色などのビジュアル要素もできるだけベーシックで人を選ばない無味なものをチョイスしました。」
2. なぜそうしたのかを書く(WHY)
> Adobe XD
何かメリットが有るのだと思うのですが、設計、デザインのツールとしてなぜAdobe XDを選択されたのでしょうか?
記入の段階ではそう言うツールにも馴染みがあるよ、程度にしか思っておらず、メモ程度に付け足したのですが、ツールをどう使ったり、使い分けたりするかによって、働き方も見えてくるので、ここもしっかり書いたほうがよさそうです。
「最近はAdobe XDで設計からデザインまでやってしまう事が多いです。」
「UX MILKはビジュアルデザイン要素が少なめなので、今ではワイヤーからプロトタイピング、書き出しまで一貫して、XDを使っています。チーム内でフローを確認しつつ、確定したらそのままビジュアルデザインに入れるので愛用しています。ベクターなどが直接いじれたり、イラレからコピペできるのも魅力です。」
3. 働き方がイメージできるように書く
> 実働チームが自分とエンジニアの2人だけだったため
ペルソナやジャーニーマップ、ワイヤーフレーム等に関しては、それぞれ何のために作成されたのでしょうか?
実働チーム2名だったようなので、おそらくチーム外のかたとの意思疎通的なものに使われたと思うのですが。
こちらも画像だけ添付していたのですが、何のために、誰のためにという文脈がすっぽり抜けてしまっており、審査員さんには何も伝わらない資料となってしまっていました。深く反省です。
「実働チームが自分とエンジニアの2人だけだったため~」
「社内の新規事業立ち上げの一環のプロジェクトでしたので、企画を提案するところからはじめました。企画の際にはペルソナを作り、ターゲットに近しいユーザーにヒアリングもした上で、カスタマージャーニーマップに落とし込み、コンセプトを練り上げていきました。本事業の責任者(社長)に企画の意図を明確に伝えるため、また、チーム内でのコンセンサスを取るために、これらの手順を踏みました。」
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このように、システム上で自分の書いたレジュメに対して、引用付きで丁寧にフィードバックされます。実際、このフィードバックを経て、最初のレジュメと比べるとかなり整理されたと思います。
ちなみにこのあと無事審査は通り、あとはドラフト指名が開始されるのを待つ形となりました。
独りよがりなレジュメからの脱出
どんなドキュメントでも、自分のやってきたことを書くときというのは、とにかくやったことのみを書きがちなものです。ですが、採用担当の方はその人が今までどんな環境で、何を考えてそれをやったのかなど、コンテキスト(文脈)が知りたいのだと思います。
デザイナーたるもの、画面の向こうの採用担当の方のUXも考慮したレジュメを書いていきたいものですね。
ドラフト指名は10月4日からスタート
デザイナードラフトでは審査に通る・通らない限らず、先ほどのようなレジュメのフィードバックをしてくれるそうです。こうしてレジュメを添削してくれるような機会というのはめったにないですし、自分の市場価値がどれくらいか知るいい機会でもあります。
10月4日からは実際の企業さんからのドラフト指名が始まります。今すぐ転職したい人じゃなくてもOKだそうなので、是非登録してレジュメをまとめてみてはいかがでしょうか?
提供:株式会社リブセンス
企画制作:UX MILK編集部
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デザイナードラフトについてはこちらのインタビュー記事もどうぞ。