ステークホルダーとの共感を育む4つの方法(前編)

Tom Greever

トムは、ウォールマート、Tモバイル、ウェルズファーゴなどのクライアントを持つウェブとモバイルアプリの制作会社BitoviでUXディレクターをしています。

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Stakeholders are People Too (2015-10-20)

ジムは数年前私のところで働いていました。彼は若くて情熱的なデザイナーで、自分が信じるミッションを推し進めるため、ある非営利団体の新しいプラットフォームを構築していました。彼はユーザー中心のアプローチを採っていたので、いつもユーザーを第一に考えていましたが、同時に傲慢でもありました。ステークホルダー(出資者や利害関係者)や幹部の方々が疑問を呈し、批判をすると、彼は自己防衛的になりました。彼は、ステークホルダーには分からないのだ、と思いました。そして、「あなたはユーザーではありませんよね。」と言い聞かせました。しかし、ステークホルダーたちの懸念に注意を向けなかったので、彼の言い分は言い訳としか受け取られませんでした。

最終的に、ジムのプロジェクトへの資金調達は打ち切られ、彼は仕事を失いました。彼はユーザーを理解していたし、才能もあったのですが、自分のステークホルダーに対する共感を持てなかったので、エンドユーザーを助けることができませんでした。彼は、成功の鍵を握っている人々を理解しなかったので、結果として彼らの支援を失ったのです。

これは、不幸な(しかし本当の)話で、多くのデザイナーのスキルセットに欠けていると考えられるものを示してくれています。それは、ステークホルダーの要求や期待に共感する能力です。

共感が行動を促す

共感は、UXでは今大変な流行語です。デザイナーがユーザーに対する本当の共感をもつことができたら、もっとよいアプリケーションが作れる、という考えを支持する本やブログ記事が見られます。それは本当ですが、ステークホルダーについてはどうなのでしょう?デザイナーがプロジェクトを成功させるための支援を得ようとするなら、プロダクト・オーナーやビジネス・アナリスト、そして幹部に対してさえ、共感しなければなりません。

共感が重要なのは、それが単なる理解を超えるものだからです。共感は、行動するよう動機づけられるほどに他人の体験を共有できる能力です。共感は、不正から市民権を守る力となっています。それは、がんに対する認識や支援を向上させるためのイベントが行われる理由です。それがあるために人々は気遣い、行動を起こすのです。共感は理解の究極的な形です。

共感を育むことは、プロジェクトをステークホルダーの視点で見て、しばしばプロジェクトに見られる防衛的、防御的感情を捨てることです。共感できるデザイナーは、ステークホルダーの提案は現実に基づいており、重要であることを受け入れます。デザイナーが共感を持っているときは、ステークホルダーの視点を理解できるだけでなく、実際の行動に駆り立てられるのです。彼らは、ユーザーの苦痛だけでなく、ステークホルダーの苦痛も感じるので、自分のデザインを修正したくなるのです。

これは、デザイナーは、ステークホルダーの提案にすべて従わなければならない、という意味ではありません。単にコミュニケーションの優先度が自己防衛から団結心に切り替わったということだけです。ステークホルダーとデザイナーは、同じチームにいて、同じゴールを達成しようとし、同じビジョンを抱いているのです。

共感を育む

他の人に対する共感を育むことは、その人を知るということに関ります。デザイナーがステークホルダーの要求を効果的に満たすためには、時間をかけて彼らの役割や、個人的な興味、好みといったものを理解する必要があります。共感に向けたプロセスは、単にステークホルダーも人間であることを思い出すこと、質問をすること、彼らと共通の体験を作ること、関係の構築に寄与するような方法で彼らが必要としていることについて考えること、などが関係します。


購読

平日・毎朝更新中