タッチポイントを正しく理解し、インタラクションを設計する

Interaction Design Foundation

Interaction Design Foundationはグローバルにデザインレベルの向上を目指す、デンマーク発の非営利団体です。

この記事はInteraction Design Foundationからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Customer Touchpoints - The Point of Interaction Between Brands, Businesses, Products and Customers

顧客体験デザインやマーケティングにおける「タッチポイント」という言葉には、多くの異なる定義があります。その理由は、これらの分野が過去数十年で急速に発展していて、用語が流動的になってるためです。さらに、「タッチポイント」という用語は「チャネル」という用語と混同されることも多く、問題をより複雑にしています。

顧客とのタッチポイントの簡単な例。タッチポイントは、ブランドとインタラクションする場所であり、計画されたインタラクションの場所である「チャネル」ではありません。

では、もっとも幅広く包括的に「タッチポイント」と「チャネル」という単語を定義していきましょう。

タッチポイントとチャネルの違い

タッチポイントとは、顧客が製品、ブランドやビジネス、サービスについての感じ方を変える可能性のある、あらゆるインタラクション(物理的なやりとりがないものを含む)のことです。物理的なやりとりがない例としては、ネットで製品のレビューを見つけることなどが挙げられます。この定義は、VisionEdge Marketingの取締役であるLaura Patterson氏が提唱したものに基づいています。

チャネルとは、インタラクションが起こる場所です。フライヤーや手紙を送る場合郵便かもしれませんし、メディア(広告)、オンライン(自分のサイトやほかのサイト)、物理的なもの(実店舗)かもしれません 。

なぜこれらの定義を採用するのかと疑問に思うでしょう。チャネルの定義は現在一般的に一致している一方で、タッチポイントについては定義が分かれています。しかし、それらの定義のほとんどは範囲が狭く、オンラインレビューのように、製品やサービスのタッチポイントのいくつかが直接コントロールできる範囲にないことを認めていません。

有名な起業家でありデザイナーのJonah Sachs氏が述べたように、「ブランドとは、すべての顧客とのタッチポイントに広がったストーリー」なのです。

特に注意するべきタッチポイントについては、この画像のヒートスポットのように、タッチポイントマッピングで常に強調することができます。

タッチポイントを理解する必要がある理由

顧客とのインタラクションを改善したい場合、重要な出発点は、どこでどんなインタラクションが発生するのかを理解することです。これを理解しなければ、改善施策の効果測定を行うことはできなく、変更による悪影響を確認することもできません。

デザイナーは、インタラクションをデザインすることができます。少なくともコントロールできる範囲内のものはできるでしょう。インタラクションをデザインするには、どのようなニーズがインタラクションをうながし、いつどこでインタラクションが起こるのかを理解する必要があります。なぜ必要なのかは、デスクトップ用のアプリとモバイルアプリのデザインの違いを見ると明らかです。

たとえば、デスクトップユーザーと比べて、モバイルユーザーはアプリで作業している間に気が散るリスクが高いことがわかっています。したがってモバイルでのインタラクションは、デスクトップでのインタラクションよりも、復帰が容易である必要があります。たとえば、ユーザーが離脱した地点に戻ってきて作業を再開できるようにすべきです。

小規模な製品の場合、起こり得るすべてのタッチポイントやインタラクションを単に一覧にするだけでも有効でしょう。これにより、ユーザー体験や顧客体験を向上させるためにデザインチームがどの点に集中すべきなのか、高い精度で見渡すことができます。そのようなリストでは手に負えないような大規模な製品の場合、タッチポイントはカスタマージャーニーマップの基礎になり、「典型的なユーザー」または個々のユーザーが、時間の経過とともにどのようにブランドや製品とインタラクションするのかを完全に理解することができます。

タッチポイントは、この図が示すように、ほかの種類の顧客分析に組み込むこともできます。

顧客はタッチポイントに何を期待するのか

Adaptive PathのデザインディレクターであるChris Ridson氏は、タッチポイントでは顧客に次のような種類のインタラクションを提供する必要があると主張します。

  • 適切である:インタラクションのコンテキストとトーンが、ユーザーのニーズを満たしている。
  • 妥当である:操作によって実行される機能が、ユーザーのユーティリティ要件を満たす。
  • 意味がある:インタラクションが、ユーザーから重要であると認識される。
  • 親しみが湧く:楽しさや遊び心によってデザイラビリティ(desirability)を生み出し、ユーザーとの絆を作り出す。

注意として、これらはすべて実際にデザイン可能なものである必要があります。そのために、どのようなデザインにするべきかを明らかにするために、ユーザーリサーチが必要になることもあります。

ブランドがコントロールできないタッチポイント

オンラインレビューのように、一部のインタラクションはコントロールできる範囲外にあると言えます。しかし、これらのインタラクションに影響を与えることができないわけではありません。

オンラインでの評価を管理し記録することで、否定的なレビューやコメントに効率的に対応することができます。また、タッチポイントを改善するためのアクションが成功したかどうかを測る指標を構築するのにも役立ちます。タッチポイントが毎回いつでも完璧に機能するとしたら、そもそも顧客は低評価のレビューをネットに書き記すことがなくなるでしょう。コントロールできるタッチポイントを改善すれば、コントロールできないタッチポイントも改善されるのです。

このサービスパネルマップが示すように、各タッチポイントに入るすべてのインタラクションを考慮すると、タッチポイントマッピングは非常に緻密なものになります。

まとめ

顧客とのタッチポイントとは、顧客がブランドや製品、サービスとインタラクションする場所です。それぞれのタッチポイントへの理解を深めることで、より良いユーザー体験と顧客体験をデザインできるでしょう。この理解は、ユーザージャーニーやカスタマージャーニーをマッピングする実践にも利用できます。コントロール範囲内のタッチポイントを改善すれば、コントロール範囲外にあるタッチポイントも改善できます。