粗悪なUIは不機嫌な受付係に似ている

Roxanne Abercrombie

Roxanne Abercrombie氏はライブチャットやビジネスプロセス自動化を専門とする英国に本拠を置くソフトウェアハウスであるParker Softwareのオンラインコンテンツマネージャです。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

A Bad User Interface Is A Cranky Receptionist (2017-08-28)

あなたが初めてあるオフィスに入ったとしましょう。最初に目に入ったものは、椅子に深く座って生意気そうにガムを噛む、不機嫌そうな受付係でした。あなたはフロントデスクに向かうことを少し躊躇します。受付係はあなたを見て舌打ちし、無愛想に眉を上げます。このような受付係をどう思いますか?

では次に、新しいオフィスソフトウェアの試験運用を始めるとしましょう。初めてアプリケーションを開き、すぐに使い始めようとします。しかし、乱雑なボタンと複雑なナビゲーションが表示され、どうすればいいのかわからなくなってしまいました。試験運用を続けることはできるでしょうか?

不機嫌な受付係

現実社会において不機嫌な受付係は、不愉快な体験です。デジタル世界において、不機嫌な受付は粗悪なUI(UI)と言えるでしょう。どちらも不愉快で予想外なものです。そして残念なことに、どちらも悪い印象がつきまとい続けます。

最初の不快感の影響があまりにもひどい場合には、そこでユーザージャーニーが終わってしまうこともあります。受付係であれば作り笑いや冗談でまだ状況を取り繕うことができるかもしれません。しかし、ユーザーがアプリを閉じてしまった場合、それを挽回する機会はないのです。

運命的な第一印象

デジタルの第一印象は、致命的になる可能性があります。 2004年の調査では、第一印象の94%がデザインと関係していることがわかりました。消費者がスムーズで直感的な製品を期待してきたハイテクシーンでは、デザイン関連の第一印象がますます重要になっています。

現在のデジタル風景を見てみましょう。取扱説明書は随分前になくなりました。Webはきちんと標準化されて、アプリは1回のクリックでダウンロードできます。製品は説明を必要とせず、ユーザーは複雑さに寛容ではありません。消費者はすぐに製品を自分のものにすることができないと、製品の使用をやめてしまいがちです。Webサイトや製品、アプリはどれも、最初の印象が悪ければそれで終わりなのです。

挨拶をするよりも不平を言う

新製品を始める最初のクリック、つまり運命的な第一印象は、魅力的であるべきです。きれいでわかりやすいインターフェイスにすることで、ユーザーはスムーズに信頼を持ってテクノロジーを使えるようになります。それは、建物に入って笑顔の受付係に出迎えられるのと同じようなものです。フレンドリーなUIはアプリの入り口を通してユーザーを歓迎し、すぐに安心させます。

粗悪なUIは、挨拶する代わりに不平を言うようなものです。時代遅れで乱雑なUIの、不愉快な不意打ちを食らったら、ユーザーはそこでつまづいて嫌悪感と不信感を抱くでしょう。

UIはブランド

これは些細なことではありません。エンドユーザーにとって、インターフェイスはブランドです。ある商品との繋がり、つまりあなたの会社との主要な接点なのです。暗黙的、しかし本質的に、UIは製品やサービスの品質に関連しているのです。

実際、スタンフォードの調査によると、ユーザーの75%がデザインに基づいて企業の信頼性を判断しています。粗悪なUIは危険信号です。このように考えてみましょう。UIは、明快さの視覚的なインジケータです。一目で、UIはユーザー体験ににどれくらいの力を注いだかをユーザーに伝えます。もしユーザー体験に力を注がないのなら、ユーザーもあなたに投資することはないでしょう。

ユーザビリティの深い問題

インターフェイスだけに基づいて浅はかであると判断を下すのは、あまりに易しすぎます。仮にUIが少し見苦しくても、その裏側の技術が完璧ならどうでしょう?

実際、UI自体は多少見辛くとも、裏側の技術が完璧であることは大切なことです。UIで製品やアプリを判断することは、書籍を表紙で判断するようなものとは違います。しかし実際には、書籍は読みやすさで判断するでしょう。コンテンツにナビゲーションがなくて複雑な場合、そのメッセージの有効性は苦労しているユーザーにとって、ほぼ意味がありません。

同じことがUIでも言えます。ソフトウェアの機能は重要ですが、ユーザーがアクセスするために依存しているインターフェイスを把握できなければ、最終的にその機能は余剰となってしまいます。

簡単に言えば、UIは製品のユーザビリティ、そしてつまりは理解力を決定するのです。

問題のある態度

低質なユーザビリティは、ブランドに対する不信感をあおります。アプリケーションが頻繁にクラッシュしたり、エラーメッセージを表示するようなことはなくても、低質なUIは悪印象を与えるものです。

受付係の話に戻りましょう。受付係の敵意を持った出迎えは、ゲストに対して瞬時に悪い態度を示しました。ゲストがとにかく話しかけてみると、彼らは渋々、目の前で熱意もなく愚痴をこぼしながら対応します。要するに、企業態度の問題はすぐに顧客態度の問題へと変わるのです。

それは、標準以下のUIによって引き起こされた反射的な行動です。デジタルの世界においては、粗悪なデザインがブランドに対して悪イメージをもたらすようなものです。オンライン消費者の88%に関しては、ひどい体験のあとにサイトに戻ってくる可能性はありません。そして、ユーザーの受け入れが不十分なせいで、プロジェクトの70%が失敗します。

つまり要点を簡潔に言うと、粗悪なUIがユーザーを怒らせるのです。

最終的な利益への影響

言うまでもなく、製品からユーザーを切り離すことは、最終的な利益にとって良いアイデアではありません。それにも関わらず、多くの企業は依然としてデザインのために節約します。大抵、UIは後回しにされます。バックエンド機能のあとに急いで付け加えるかのように扱われます。

しかし、あとからUIを最適化することは、多くの人が想像するほど簡単ではありません。第一印象の影響についての調査では、最初のネガティブな体験により、ユーザーはそのブランドに対して何年間も偏見を持つ可能性があることがわかりました。結局のところ、競合相手の技術がどこでもすぐに利用できるようになっている今、ユーザーはどうして粗末なUIを受け入れるのでしょう?         

Nielsen Norman Groupのユーザー体験調査によると、ユーザビリティに開発予算のわずか10%を費やすことで、コンバージョン率を83%向上させることができるそうです。会社にとって、目に見えないユーザビリティを製品としてデザインすることは、非常に現実的で目に見える投資利益率(ROI)につながります。

衝突を取り除く

目に見えないユーザビリティとは、容易さに関するすべてのことです。たとえば、物理的な世界においては、顧客がドアから入ってくるときに不和をすべて取り除くよう、受付係を指導するでしょう。 

彼らの姿勢は真っ直ぐで落ち着いた、完璧なものになるでしょう。彼らの態度も、温かくプロフェッショナルで、効率的になるはずです。言葉はわかりやすく、服装はきちんとしていて、笑顔も絶えないでしょう。要するに、受付係はスムーズで確かな訪問者の体験を生み出すための能力のすべてを指導されるのです。

最終的には、これがUIの最初の(そして続行する)仕事でもあります。インターフェイスからの朗らかな笑顔を要求することはできませんが、できる限り衝突を避けたデザインにすることはできます。優れたUIの基礎は普遍的なものです。シンプルですっきりとしていて、一貫性があり予測可能です。有能な受付係が標準的な行動パターンに従うように、優れたUIは従います。

まとめ

不機嫌で歓迎的でない受付係は、顧客があなたの会社に関わる意欲を失わせます。敵意は即座に警鐘を鳴らし、基準値を超えた瞬間、負の信号を発信します。

低品質なUIも同じです。それは、ユーザーが回れ右をして出口に向かいたくなってしまうような、乱暴で気分やな受付と同様の製品やアプリなのです。デジタル世界では、ユーザーの離脱を誰も見ることありません。そのため、仕事放棄の罪悪感や無礼な態度に対する恐れもないままに、ユーザーは悪い第一印象を抱えてサイトを去って行くのです。

つまりこういうことです。UIはあなたの会社の顔です。インターフェイスをみすぼらしいものにしないようにしましょう。