デザイナーが陥りがちなワーカホリックの原因とその改善方法

Eric Karkovack

Ericは20年以上の経験をもつWebデザイナーです。彼のビジネスのサイトはここから見られます。

この記事はSpeckyboy Design Magazineからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Being a Workaholic Designer (And How to Recover)

デザイナーとはとても幸運な職業です。ほかの多くの職業と違って、私たちは自分たちがしていることを純粋に楽しむことができるのです。クリエイティブな精神を解き放ち、それによって生計を立てることもできます。私の経験では、この業界は才能と情熱のある人でいっぱいです。

ただこれは、良くもあり悪くもあることです。もしあなたが有能であれば、あなたに仕事をしてほしいと思う人が増えます。問題は、やることが多すぎて時間が足りない事態に陥るかもしれないということです。それでも仕事をすべてやると決めると、就業時間は朝早くから夜遅くまでになってしまいます。週末も働き、家族との時間もないでしょう。もしかしたら、忙しさのせいで不機嫌な性格になってしまうかもしれません。

つまり、情熱や才能、成功によって、ワーカホリックになってしまうかもしれないのです。どうしてわかるのかというと、私自身がその1人だからです。

しかし、改善していきたいと思います。そのため、ワーカホリックのライフスタイルに関する浮き沈みを調査していきましょう。ひょっとすると、改善への道が見つかるかもしれません。

いつもこうではなかった

仕事を始めたころ、「ワーカホリック」とは自分を描写するのにもっとも相応しくない言葉でした。デザインとテクノロジーへの情熱は強かったのですが、その頃はまだ学生気分でした。最低限の仕事であっても、何とかやっていこうとしていました。またWebデザインは比較的新しい分野だったので(そのため、周りからあまり理解されていませんでした)、大体やり過ごせていました。

しかし成長するにつれ、自分が常に「スイッチが入った状態」であるような気持ちを振り払うことができなくなってきました。常にメールが見れるようになっているのもよくありませんが、それ以上に原因はあります。

自分のビジネスを始めたとき、仕事をできるだけ早く終わらせることで頭がいっぱいでした。その一方で仕事の質は落としません。質を落とさないという部分は多少の練習が必要でしたが、私は猛烈なスピードで働くように自分を駆り立てていました。当時の目標は、受信箱にクライアントからの依頼がきたら、それと同時にその依頼を引き受けたということをクライアントに知らせることでした。

そのスピードについていくためには、私は「仕事が終わった」と言う必要がありました。念のため言っていきますが、ある特定の1つのタスクに対してではありません。自分のto-doリストにあるあらゆる細かい業務まで、本当に終わらせたと言いたかったのです。仕事から逃れてテレビゲームをすることができるくらいには。

少しの間はそれで大丈夫でした。しかし残念なことに、私はとにかくすべての仕事を終わらせようと自分を追い込みました。そのせいで、休憩時間を心から楽しめなくなってしまったのです。

「終わり」は存在しない

ここ最近、本当の「終わり」は絶対にないと気づきました。1分ごとに、タスクが増えているような気がするのです。これは、私が正しいことをしていて仕事が舞い込んできているとも言えるので、ある意味では良い悩みです。

しかし、若い頃とはほぼ正反対のやり方になってしまっています。仕事をサボる時間はほとんどなく、大量の仕事があります。毎秒を効率的に使わなければいけない気がしています。実際に少し前の休日では、仕事のことについて考えないようにすることはかなり難しいということに気づきました。本当に休日を過ごしていると感じるには、数日かかりました。

さらに私のストレスを増加させたのは、机から離れた生活の価値が低下していると気づいたことでした。以前は楽しんでいたことを楽しめなくなってしまいました。なので私は、このような仕事をすることを辞めました。

なぜこの話をしているのかというと、ワーカホリックになっているのは私だけではないと思うからです。結局のところこの話は、創造力を使う仕事に当てはまります。そしてプロジェクトへの要求に応えるため、新たなスキルやテクノロジーに必死についていかなければいけない点から、燃え尽き症候群に苦しむ人がいるのは容易に想像できるでしょう。

私自身の話をこうしてオープンにすることで、ほかの人が気づいて仕事を改善するのに役立つと良いと思っています。

成長すること

私をこのような状況に導いたものに注目すると、2つの感情にわけることができます。

  1. 仕事の機会があることを、本当にうれしく思っています。仕事があるという良い点について、私は真剣に自覚しています。
  2. 長期的に見ると、自分のやり方を少し変える必要があると認識しています。心身の健康のためにも、ワーカホリックは決して良いことではありません。成長こそ、キャリアを維持するための鍵です。

仕事と生活のバランスを見つけることは、すべての人にとって、最大の関心です。古いことわざを引用すると、死の床でもっと働きたいと願っても決して起き上がることはできません。そう考えると仕事とは、自分たちが望む生き方を生きられるようにサポートするものであるべきです。

つまり、働くべきときと仕事から離れて生活すべきときを理解することが課題なのです。

治療法を探す

幸い、ワーカホリックになっても永遠にワーカホリックで居続ける必要はありません。しかし場合によっては、ワーカホリックになりかけることで、自分自身が変わる必要があると気づけるかもしれません。そう思えるにはいくらか人生経験が必要かもしれませんが、最終的にはそれを理解できるようになります。

この悪循環から抜け出す方法を見つけ出すには、少しの調査が必要になるでしょう。私たちはみな別々の個人です。なので、すべての人に良く効くただ1つの特効薬があるかどうかはわかりません。しかし、一息つくチャンスとなる行動を以下で紹介したいと思います。

オフの時間をスケジュールする

仕事が非常に多忙になって休日が不定期になると、おそらくオフィスに居続けるよりもストレスを感じると思います。その代わりに直近の休日を選び、前もって周りの人に伝えておきましょう。友人や家族、または自分だけで過ごすにせよ、楽しいことをする計画を必ず立ててください。

こうすれば、楽しみなことを持てると思います。加えて、自分がいないことをクライアントや同僚にすでに伝えてあります。もちろん休日中に、仕事に関連するメールを何通か受け取ることはあるでしょう。戻ったら対応するという自動返信メッセージを設定しておきましょう。

「No」または「あとで」と答えることを学ぶ

ワーカホリックの人にとって、プロジェクトに関して「No」と言うのが難しいと私は自覚しています。お金も稼げますし、クライアントを満足させる機会を断りたくはないでしょう。しかし、自分の健康を一番に考えるという場合もあります。

たとえば、プロジェクトのスケジュールがほかの仕事と重なってしまうことがあるかもしれません。また、プロジェクトが手に負えないように感じることもあるでしょう。どんな理由であれ、仕事量をコントロールする何らかの手段を取り戻すことが重要です。

もう一方の選択肢としては、スケジュールがきれいに片付くまで、プロジェクトを遅らせてみるというものもあります。これはいつも可能なわけではありませんが、多少はスケジュールをコントロールできるようになります。このコントロールできている感覚をもつことが、混乱を和らげることができる良い手段です。

ルーティンの変更

人間は習慣をもつ生き物です。そして違う結果を期待しながらも、同じことを何度も繰り返すのではうまくいかないことを理解しています。違う結果を得たければ、習慣として行っている方法を変える必要があるのです。

日々の仕事のルーティンに関して言えば、変化は難しいでしょう。なのでまずは、折を見つけて机から立ち上がる習慣をつけるためのリマインダーを設定するなど、何か小さいことから始めましょう。こうすれば、ランチ中は電話をサイレント設定するなどの、より大きな変化へとつなげるのに役立つでしょう。

うまくやる

デザイナーの人生は、プレッシャーが大きくなるかもしれません。またそれを自覚する前に、仕事を終わらせるための終わりなきレースに突入しているかもしれません。それは前進し続けるチャンスのための時間と健康を犠牲にしてしまいます。皮肉なことに「成功する」デザイナーになることで、自分にとって最大の関心と反するシチュエーションに陥るのです。そういうわけで、自分の成功をコントロールする手段を学ぶことが、成功を維持するためには不可欠なのです。

私に関して言うと、自分の体験を共有することがセラピーなのです。しかし私の言葉が皆さんが行動するきっかけにならなければ意味がないことはわかっています。なので、ワーカホリックを改善することを誓います。

ワーカホリックのみなさん、あなたは1人ではないし、変わることも可能ですから、安心してください。さあ、変われるかどうかは私たち次第です。


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