ゲーミフィケーションのための4つのプレイヤータイプ

Janaki Kumar

この記事はInteraction Design Foundationからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Bartle’s Player Types for Gamification

ゲーミフィケーションはゲームデザインと同じものではありません。ゲーミフィケーションは、非ゲーム領域にゲーム要素を持ち込んだものだからです。しかし、ゲームデザインとゲーミフィケーションには重なる部分がいくつかあります。その1つが、プレイヤータイプです。プレイヤーをよりよく理解するほど、彼らのニーズに合わせることができるようになります。

プレイヤーの心理学

ビジネスでゲーミフィケーションを活用する場合、どのようなゲームプレイをプレイヤーが好むか理解するのが良いでしょう。Richard Bartle氏によってデザインされた、Bartleの心理学テストというシンプルな方法があります。これはゲームのプレイスタイルを、簡単な4つのカテゴリーに分類したものです。そのカテゴリーとは、達成者、探検家、社交家、殺人者です。

これらのカテゴリーは絶対的なものでなく、多くの人は複数のカテゴリーの性質を持っています。しかし、ほとんどの人には独占的な性質があり、それが全体的な嗜好を決定しています。もしプレイヤーの大多数がどこで脱落するか知っているなら、この分類方法を使ってどのような機能に定めるべきか決めることができるでしょう。そしてそのあとに、少数派のための機能をいくつか追加することになるでしょう。

達成者

達成者とは、ポイントとステータスがすべての人たちです。彼らは、自分の進捗状況を友人に知らせることを望みます。達成者が好きなことは、バッジを集めてそれらを陳列することです。航空会社のマイルのようなインセンティブ戦略によく反応する人がこのタイプに当てはまります。

この場合、マイルを獲得すること自体が達成感につながります。Bartle氏は、全体のおよそ10%の人たちが達成者タイプのプレイヤーだと概算しています。おそらくこのようなタイプの人は、あなたも知っているでしょう。目的地に達するのに友人よりも早いルートを使ったことを自慢するような人が達成者タイプです。

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ポイントとバッジを統合することで、達成者がゲーム化された体験を楽しむ手助けを行えます。

探検家

探検家とは、新しいものを見たり新しい秘密を発見したがる人たちです。ポイントやリワード(報酬)を、彼らはそれほど気にしません。彼らにとってリワードとなるのは発見です。ゲームの新しいエリアを「アンロック」するまで、繰り返しのタスクすることを探検家は良しとします。

または彼らは、「イースターエッグ」のようなサプライズが好きです。ここで言うイースターエッグとは、ゲーム内のちょっとしたボーナスとなるような隠し要素です。ジョークのようなシンプルなものであったり、達成したことに関連する動画であったりします。このようなゲーム内で発生するサプライズを、探検家はとても楽しんでいます。約10%のプレイヤーがこのカテゴリーに当てはまります。

これらのプレイヤーは、秘密の通路にアクセスするために、ゲーム内の壁から自由になろうとします。その満足感が探検家を動かすエネルギーであり、発見を友人に自慢することはしません。このタイプの機能をゲーミフィケーションのデザインで作成することができれば、彼らは喜ぶでしょう。

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探検家タイプのプレイヤーは、新しいものを見たり新しい結果を体験したりすることを望みます。

社交家

大多数のプレイヤーは社交家タイプです。ゲームプレイヤーの80%近くがこれにあたります。社交家は、ほかのプレイヤーとのインタラクションによるゲーム体験を楽しみます。自分だけでできるよりも、協力してより大きくより良いものを成し遂げることに喜びを感じます。

たとえばFarmvilleのようなゲーム(Facebook最大のゲームアプリ)は、社交家にとって魅力的に映ります。彼らは、ほかの誰かの畑に水をやり、その代わりに新しい作物を得ることを楽しみます。どのような取引内容であれ、その協力関係が社交家たちにとって意味があるということがポイントです。注意したいのは、激しい競争が起こることがないからといって、社交家たちは野心に欠けた受け身の弱虫だという意味ではありません。

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Farmvilleのようなゲームは、社交家タイプのプレイヤーを魅了する社会的体験を取り入れています。

殺人者

殺人者というと邪悪なものに聞こえるでしょう。しかしこれはとても正当なものです。

ポイントを獲得することにスリルを感じ、ステータスを獲得するという意味で、殺人者は達成者に似ています。達成者と違うことは、彼らはほかの人たちが負けるところを見るのを望むことです。極めて競争的で、勝利することがモチベーションです。そしてゲームで一番になることを望みます。事実として、それを達成する唯一の方法がほかのすべての人に勝つことだということは驚くことではありません。このような性格の人は普通にいると思うかもしれません。しかしBartle氏のリサーチでは、極めて少数のプレイヤーが殺人者にあたることが示されています。正確には1%以下です。

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殺人者タイプの性質が強い人は、すべての人に勝ったときのみ喜びを感じます。

ステレオタイプを避ける

4つのタイプを提示されると、知っている人をこのようなタイプの中に考えたくなるかもしれません。特に殺人者のようなタイプだとなおさらそうかもしれません。「ええ、彼は殺人者タイプです。マルチプレイヤーでゾンビだらけの街を破壊したり、ほかのプレイヤーをゲームからたたき出したりするのが好きな人です。」と発言するでしょう。社交家が互いのサイバー作物に水をやるのにむやみに飛び回っているわけではないように、殺人者は単に他人を「切りつける」必要に駆られているのではありません。1つ以上のタイプが、あなたのプレイヤーの思考パターンの原動力であるかもしれないことを忘れてはいけません。彼らを知り、その作業環境のコンテキストを理解することが何より重要です。

ストレオタイプはすぐ簡単に起こります。しかしそれは嘘であり、真実には時間がかかります。

― Deb Caletti氏

競争的な環境に殺人者や達成者が存在すると仮定するのは簡単です。しかし調査や観察を通してこれを決定するのが最善です。あなたのプレイヤーや仕事文化は、正確にどのような性質でしょうか? 下のリファレンスにBartleテストのリンクがありますので、自分自身で試してみてはどうでしょうか? そしてあなたのプレイヤーにも試すようお願いしましょう。

達成者と殺人者は、スコアボードのような機能をもっとも評価しますが、探検家や社交家はあまり好みません。あなたのプレイヤーが好むゲームのアプローチ法を一度理解すれば、彼らにとっての正しい機能を開発するのはより簡単になります。

あなたのプレイヤーのプレイヤータイプを知れば、彼らにニーズに合わせるのはより容易になるでしょう。

覚えておくべきこと

Bartle氏によると、社交家、探検家、達成者、殺人者の4つのプレイヤータイプがあります。ゲーミフィケーションの環境には、これらすべてのタイプが含まれていたり混在していたりするかもしれません。プレイヤーのリサーチをしっかりすることで、どのプレイヤータイプが環境下を独占しているかを理解するのに役立ちます。そして彼らのニーズに合わせる方法を決定することができます。リサーチを行い、ステレオタイプのプレイヤーにならないことが重要です。何が彼らを動かすのかを理解しましょう。そうすれば、彼らが元々保有する性質をしっかりと把握した機能をデザインに組み入れることができるでしょう。

Hero Image: Author/Copyright holder: Janaki Kumar and Mario Herger. Copyright terms and licence: CC BY-ND 3.0


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