Webデザインというキャリアを選択する理由は大抵の場合、仕事自体が魅力的だから、あるいはそういった仕事が向いていたからでしょう。私の場合は、10代後半に趣味としてHTMLで遊んでいて、それが20代の現在にまで続く情熱に変わりました。
私のプロとしての最初の仕事は、高校卒業後に地元新聞のWebサイトを運営することでした。素晴らしい経験でしたが、笑ってしまうくらい薄給でした(ビールをおごってくれれば、いくらだったかお教えします)。
初めての仕事について、もっとも心に残っていることの1つは、「使われた」という気持ちです。私の仕事は、支払われた給料以上に価値がある確信していたので、私の仕事が真剣に扱われていないと感じました。Webは、ビジネスにおいてはかなり新しい媒体でしたし、同僚たちもWebの将来を魅力的に感じていませんでした。そのため私は無気力になってしまい、モチベーションを上げるのにとても苦労しました。
私が感じたことのいくつかは、自分のおかれた現状からくるものでしたが、それ以外の部分は、私自身のエゴや権利意識によるものだったかもしれません。エゴや権利意識についてはあまり話したくないものですが、私たちの多くに影響を与えます。自分のキャリアを始めるときは特にそうでしょう。
トップへのゆっくりとした競争
Webデザイナーの中に、貧乏くじを引いたと感じている人がいるのは明らかです。実際にインターネットは、わずかな努力で巨額の報酬を得られる成金の時代をもたらしました。多少のスキルを持った当時18歳の私は、なぜ企業のヒエラルキーを駆け上ることができなかったのでしょうか?
端的に言えばその答えは、私が何も知らなかったからです。TV番組『Afterschool Special』に出てくる多くの若者のように、私は自分が何をしているのかわかっていると「思い込んでいた」だけだったのです。
Webデザインは、経験が非常に重要な分野です。スキルを学習して向上させるためには、多種多様な現実の状況に身を置かなければいけません。修正方法を習得する前に、デザインは崩れていきます。フィードバックを個人的に解釈しすぎないようにするために、さまざまな形式の顧客からのフィードバックを理解する必要があるでしょう。授業やオンラインチュートリアルで教えてくれないことはたくさんあります。そのギャップを埋められるのは経験です。
そのため、私が多少HTMLを知っていて、基本的なWebサイトをまとめることができても、必ずしもCEOの資質があると評価されるわけではありません。当時の思いとは裏腹に、私は自分の実力に見合った、実にふさわしい場所にいたことがわかりました。最下層です。
忍耐は成長をもたらす
時に、忍耐はもっとも難しいもののように見えるかもしれません。私たちには皆、望むものがあり、それを望んだ瞬間に欲しいものです。故に、デザインキャリアの形成には時間がかかるという事実を受け入れるのは、簡単なことではありません。
ポートフォリオを構築して良い評判を得るのには、時間がかかります。日々得る教訓が、積み重なってようやく自分の能力に対して本当に自信が持てるようになるのです。自信がつけば、自分にはまだ知らないことがあると気づき、謙虚に学習意欲を保ち続けられるでしょう。
個人的に、私は最初の仕事に費やした時間の中でたくさんのことを学びました。そして数年後にフリーランスの仕事を始めたとき、私はまったく新しい学習段階に入りました。そのとき私は、少なくとも何を達成したいのか、それをどのようにやり遂げたいのかについて大まかな哲学を形成できていました。今までやってきた仕事と違い、やりたいことがわかっているという感覚があったのです。
さらに上を目指す
あまりにも早くに多くを持ちすぎた有名人の話はよくあります。大抵、その結末はあまり幸せなものではありません。だからこそ、底辺から始めることには大きな利点があります。時間をかけて経験を積み、制作というものをよく学びましょう。そこから、より多くの責任を果たすために進化することができるのです。
もちろん、成長につながる適切な機会を見つけ出し、利用するという問題もあります。この問題の一部は、自分がどの方向に向かいたいのかという独自の感覚を研ぎ澄ますことで解決できます。会得した積極的な性質は、向かいたい場所へと進んでいくのに役立つでしょう。
私の場合は、Webデザイナーの格付けにおいて、「頂点」とは程遠いところにいます。しかし、私は必ずしも順位を上げるためにデザイナーをしているわけではありません。私は(主に)自分が好きな仕事をやっています。私にとっては、好きな仕事をできることがもっとも重要なのです。
私たちにはそれぞれ、やりたいと思っている夢やキャリアへのモチベーションがあります。ですから、あなたのモチベーションが何であれ、少し時間をかけてください。自分自身の階段の頂点に立つために、上り詰めていく必要があるでしょう。