デジタルデータを印刷所に入稿する場合、必ず必要になるのがトンボです。
これの事ですね。名前は知らなくても見たことある! という方は多いのではないでしょうか。
今回はトンボの作り方と作る理由を紹介したいと思います。
A4オブジェクト上に名刺を作る
まず目的のサイズよりも大きなドキュメントを作成しましょう。
今回は名刺を作るという仮定で、それより大きなA4サイズのドキュメントを作成します。
次にドキュメントに名刺サイズのオブジェクトを作成します。
一般的な名刺サイズである55mm×91mmのオブジェクトを作成しましょう。
長方形ツールを選択します。
次にオブジェクト上におおまかなサイズの長方形を作ります。
作ったら画面上部のこの部分を見てみましょう。
ここに今作成したオブジェクトの横の長さ、縦の長さが表示されています。
まずはリンクマークをクリックしてリンクを切ります。
縦横がリンクしたままだと、現在の縦横比率を保持したまま拡大縮小することしかできません。
リンクを切ったら横を91mm、縦を55mmと入力。
これでA4ドキュメント上に名刺サイズのオブジェクトが作成できました。
名刺のトンボを作る
次にこの名刺用のトンボを作成しましょう。
名刺オブジェクトを選択した状態でオブジェクト→トリムマークを作成
できました。
このままでもいいのですが、作成時に分かりやすいようガイド線も作ってみましょう。
名刺オブジェクトを選択した状態でオブジェクト→パス→パスのオフセット
このような画面がでました。オフセットの項目を3mmと入力しOKをクリック。
すると名刺よりも3mm大きなオブジェクトができました。
同様の手順で今度はベースの名刺よりも3mm小さなオブジェクトを作成します。
こうなります。
最後に3つのオブジェクトを選択した状態で表示→ガイド→ガイドを作成
できました。
薄い水色のガイドが3本完成したと思います。
このガイドは文字通り「ガイド」なので、印刷結果には反映されません。これを参考にしてデザインを組んでいきましょう。
動かないようロックをかけ、デザインとは別のレイヤーに分けておくと作業効率が良くなるはずです。
3本のガイドにはそれぞれに意味があり
・一番内側の枠が文字のデッドライン。
・真ん中の枠が印刷物の裁断位置。
・一番外側の枠が塗りたしと呼ばれるものです。
文字は一番内側の枠の中に収めなければいけません。(文字が途中で切れてしまうデザインの場合ははみ出してもOK)
背景画像や背景用のグラデーション、カラーなどがある場合は最低でも塗りたしまで作らなければなりません。
トンボってなぜ必要なの?
名刺を作るだけでトンボや3つの枠線といった色々なガイドが出てきました。
なぜこのような設定が必要なのでしょうか?実は印刷所では最初から名刺サイズの紙に印刷するのではなく大きな紙に印刷してから名刺サイズに裁断する手法をとっています。
そして裁断機で切る時の目安となるのがこのトンボ。トンボがなければどこで裁断していいのか分からないので、データ入稿の際は必ずトンボが必要になるというわけです。
また、裁断は大量の枚数を重ねて同時に行うため、機械裁断とは言え多少のズレが生じる事があります。ズレた時に印刷物に余白が出来てしまうのを防ぐため、塗りたしとして実際の裁断位置よりも外側まで背景を作っておきます。
トンボはデータ入稿をする際一番最初に行われる作業です。仕組みを覚えれば難しくはないので、何度も練習してみましょう!