いまさら聞けない! フォトショップとイラストレーターの違いとは

印刷版下やWEBのバナーなどグラフィックを制作する際スタンダードなソフトウェアといえば、Adobe社のIllustratorとPhotoshopです。

IllustratorとPhotoshopを月額で使えるサービス「Adobe Creative Cloud」のユーザー数が2013年には100万人を超えていることからも、全世界のデザイナーや広告代理店などの強大な支持を得ていることがわかります。

とはいえ、デザインワークを始めよう! あるいはお願いしよう! と思ったときに、IllustratorとPhotoshopの違いや役割、活用方法がよくわからない…という方もきっといらっしゃるのではないかと思います。

そこで、他人にはいまさら聞けないIllustratorとPhotoshopの特徴を正しく理解し、適宜選択して使用できるようにご紹介していきたいと思います。

扱う画像データの形式が異なる

そのデータは、写真やイラストですか? それとも、図形やロゴですか?

みなさんがパソコン上で見るグラフィックデータには、大きく分けて2つの画像データがあります。

ラスター形式

拡大するとギザギザ・不鮮明になってしまうデータです。Photoshopでは、このラスター形式を採用しています。
(SNSやホームページに載っている写真などのデータです。)

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ベクター形式

拡大しても同じ比率とシャープさを保っていることが特徴です。Illustratorでは、ベクター形式を採用しています。
(イメージとしては、Excelの図形やPDFの文字のようなデータです。)

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Photoshopはラスター形式の写真加工などが得意

まず、Photoshopで採用しているデータ形式(ラスター形式)について理解していきましょう。

パソコンの画面を拡大すると、網戸のような細かい格子が並んでいます。ラスター形式は、そのひとつひとつに色をつけているイメージです。いわばファミコンのドット絵の作り方と一緒です。

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拡大するときには、点々がそのまま拡大されていくため、ぼけたり、ギザギザが目立つ画像になってしまいます。

しかし、細かい格子にひとつひとつに色の情報を入れることができます。今パソコンが表示できる色数は10億~281兆ともいわれており、人間の目にはとても判別できないくらいの豊富な色を定義することが可能です。

写真の質感や距離感・空気感を自在に表現する表現を行うことができるのが、Photoshopの最大の強みでしょう。

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せっかく撮った食べ物の写真がイマイチで、おいしそうな写真に色味などを変えたりしたい場合などは、Photoshopが便利です。

このようなソフトを「ペイントソフト」ともいいます。Windowsに入っているペイントも、同じ形式です。

Illustratorはロゴやレイアウトなど、正確なデータの作成向き

Photoshopのラスター形式に対して、Illustratorはベクター形式を採用しています。ベクター形式は、1つの図形を均等に拡大または縮小して、もとの図形とあとの図形とを重ね合わせても、ぴたりと重なり合う状態になる「相似」の考え方で出来ています。

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ベクター形式の画像データは方向・距離・線の色や太さ・面の色・曲がり方などを数値で管理しており、拡大、縮小、その他の変形を行ったとしても、図形が劣化(ギザギザになったり)しないという特性を持つため、企業ロゴ・シンボルなど、拡大しても同じ色や形状が求められるデータに適しています。

もちろんIllustratorも、Photoshopのような細かい色や諧調の表現も可能ですが、その形状のすべてに数値データが割り当てられてデータが膨大になるため、比較的法則性があったり単純な画像データが得意です。

このようなソフトを「ドローソフト」ともいいます。Illustrator のほかには、CorelDRAWが有名です。

まとめ

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今までの説明をまとめると、写真やイラストを管理したりより美しく加工するにはPhotoshop、ロゴタイプ・図形・レイアウトの作成はIllustratorが得意だというのがお分かりいただけたのではないかと思います。

それぞれの特徴を生かして、的確なデザインワークを行っていきたいですね。


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