Windowsにはリモートデスクトップという機能があります。これはネットワークを介して、離れた場所にあるPCを遠隔で操作する機能です。
今までは手元のWindowsPCから、別のWindowsPCを操作することが一般的でしたが、Microsoft純正のクライアントが登場したことにより、AndroidスマホやタブレットからもWindowsPCを操作できるようになりました。
もちろん無料でできるので、ぜひチャレンジしてみましょう。
注意
一般的に、操作する側(手元にあるAndroid端末)をクライアント、操作される側(遠隔にあるWindowsPC)をホストと呼びます。ここでも以下、クライアント/ホストの名称を使い説明します。
また、リモートデスクトップが使用できるのは、ホストのWindowsがPro版以上である必要があります。具体的には以下が該当します。
- WindowsVista Business、Ultimate
- Windows7 Professional、Ultimate
- Windows8/8.1 Pro
- Windows10 Pro
これ以外のバージョン、いわゆる無印版やHome版では今回の方法は使用できないのでご注意下さい。
ホスト側の設定
まずホストとなるWindowsPCの操作、設定が必要となります。順を追って説明しましょう。
「コンピューター名」の確認
「コントロールパネル」より「システム」を開き、「コンピューター名」を確認しましょう。この「コンピューター名」は画像の中ほど、赤枠で囲った所の表示です。
リモートデスクトップの設定
次にリモートデスクトップの設定を行います。先ほどの「システム」画面の左上、「リモートの設定」をクリックすると「システムのプロパティ」の「リモート」タブが開きます。
ここで中ほどの「このコンピューターへのリモート接続を許可する」へチェックを入れます。
これでホスト側の設定が完了しました。
クライアント側の設定
クライアントアプリのインストール
まず、クライアントとして使用するAndroidスマホに、PlayストアよりMicrosoft社公式のアプリ、「Microsoft Remote Desktop」をインストールします。ストアにて「リモートデスクトップ」で検索するとすぐにヒットするので、インストールして下さい。
ホストの登録
インストールが完了したら早速クライアントアプリを起動し、ホストの登録を行います。まず画面右上の十字ボタンをタップ、「Add Desktop」が開いたら、「Host name or IP Address」欄に先ほど調べたコンピューター名を入力します。
入力したら、右下の「Save」をタップして完了です。
リモートデスクトップ接続の手順
ホスト、クライアントともに準備は完了しました。早速、リモートデスクトップ接続してみましょう。
クライアントアプリには登録したホストが表示されているので、これをタップします。
しばらく待つと、接続の確認画面が表示されるので右下の「Connect」をタップします(なお、この画面は初回接続時のみ表示されます)。また、この時点より画面は強制的に横方向の表示となります。
次にログイン画面が表示されるので、いつものログイン名とパスワードを入力します。
これで、すぐにデスクトップ画面が表示されます。
以上で接続は完了です。以降は普通のWindowsPCと同じように使えます。

もちろんExcelなども使えます

画面上部のキーボードボタンで、キーボードを呼び出せます
また、リモートデスクトップを終了するときは、「切断」操作を行います。これは画面上部の横三本線ボタンをタップし管理画面を表示させた上で、左上の×ボタンで行います。
なおWindowsのライセンス規約上、リモートデスクトップを使用している間は、ホストPCを直接操作することが出来なくなります。アプリ画面上でログイン操作すると同時に、ホストPC側では強制的にログアウトさせられますが、これは故障等ではないので慌てないでください。
まとめ
思ったより簡単にリモートデスクトップを利用できたのではないでしょうか。これでWindowsPCの設置場所にかかわらず、どこでも使用できるようになりました。例えば、居間にいながら書斎のPCにある動画を再生して鑑賞したり、会議室から事務所のPCに保存してある資料を確認することもできます。
もちろんスマホ画面では表示も小さく使い難いですが、Androidタブレットでも同様にリモート接続できます。これならば通常のノートPCやタブレットPCの操作性も得られます。
アイデア次第で無限の可能性のあるリモートデスクトップをぜひ使ってみてください。