スタートアップでゲリラUXをするときに役立つ3つのヒント

Ning T.

Ning T.は、コンテンツエディター、人類学者、デザイナー、技術とUXオタクです。ブルースとWes Andersonの映画が好きです。

この記事はProto.ioからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

3 Valuable Guerrilla UX Tips For Startups (2015-11-02)

スタートアップを立ち上げることやスタートアップで働くことは、今日では大きなトレンドと言えます。シリコンバレーからシリコンアレーまで、数々のスタートアップアクセラレータープログラムがグローバル規模で拡散し、誰からも指図されないことが現代社会の規範的なゴールであるかのように見えます。確かにその熱意は非常に魅力的ですが、成功への道のりは険しく、残念ながら多くのスタートアップは成功しません。

「スタートアップ」とは1.何を製品にしているか? 2.カスタマーは誰なのか?3.どのように稼ぐか? で混乱している会社です。」―Dave McClure

ほとんどのスタートアップは投資家だけでなく友人や家族にも十分に説明できないまでも自分達が作ろうとしている製品に関して最低限のアイデアをもっています。しかしながらスタートアップは、新しい製品フィーチャー、開発マイルストーン、ローンチ期日に固執するあまり、顧客が誰なのかについて忘れてしまっていることがよくあります。

スタートアップ起業家だって、わざわざユーザーにとって非現実的で役に立たない製品をローンチすることに労力を惜しみたいなどとは思っていません。幸運なことに、私達はプロダクトデザインおよび開発においてユーザー中心のアプローチを採用することでこうした問題を回避することができます。 このためUXデザインはスタートアップを生かしも殺しもする非常に熱い材料として注目されています。

より良いUXのためのゲリラ戦術

大げさではなく確かな事実として、UXが悪いとあなたの製品の妨げになります。残念ながらUXエキスパートは安価では雇えません。もしあなたが二人もしくは一人で企業経営の野望へと独力で邁進しているならば、きっとUX人材を雇うような贅沢はできないでしょう。それならばスタートアップ起業家は何をすべきでしょうか?

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現状ユーザー数も少なく予算も十分とは言えない状況なら、ゲリラUXスキルを身につけより大きな成功へのチャンスを掴んでいくしかありません。結局のところ継続的に学習することや即興性、懸命に働くことはスタートアップエクスペリエンスの真髄と言えないでしょうか?

さて、スタートアップ起業家として持つ役割に加えてゲリラUX担当者となることは、これまで知られている全てのUX専門技術を習得することとは異なります。そうではなく、あなた自身をUX業界に投じることで本当の基礎を学ぶことを意味しています。あなたがモバイルアプリを作成しているのならまずモバイルユーザー行動の洞察モバイルUXにおける神話について読んでみることをお勧めします。

「ところで… UXの人々は一体何をしているんだっけ?」

ゲリラUXのトピックを取り上げる前に、このUX担当者とは誰なのか? 彼らは具体的に何をする人なのか?について手短な説明から始めましょう。

・UXデザイナーの最大の関心はユーザーが製品とインターフェース中に何を感じているかということです。ユーザーテストから導き出した洞察を通し、UXデザイナーはユーザーのニーズに応えるべく製品のデザインにおける解決策を提示します。UXデザイナーは使いやすさ、価値認識、学習可能性、有用性などといった製品の様々な面を見ます。彼らはデザイン上の決定をワイヤーフレーム、ストーリーボード、サイトマップを通して行います。

・UXリサーチャーはその一方で、ユーザーの研究を行い、彼らはどんな人々なのか? 彼らは何を求めているのか? 彼らのニーズは何なのか? 等々を徹底的に調べます。ユーザーインタビューや A/Bテスト、マーケットリサーチはUXリサーチャーがユーザーを解明するために使ういくつかの手法です。UXリサーチャーは自らの洞察をユーザーペルソナ、A/Bテスト結果、インタビュー要約の形で報告します。

・この二種類UX担当者の役割はお互いにはっきり分かれているわけではありません。

ゲリラUXの方法を実行すること

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スタートアップ企業が製品開発サイクルまでUXベースのアプローチを組み込むやり方とはどのようなものでしょうか? 私達はここにスタートアップが今直ぐ実践に移せるゲリラUXの価値あるヒントを3つ紹介したいと思います。

1. 迅速なエスノグラフィを実施する

「マーケットにあるディスカウントフライト検索アプリは平凡なものばかりだから、自分で作ってみよう」と考えたとします。あなたはアプリを全て試したけど、結局Webで何時間もスコアを見た上で検討し、何度も異なる検索パラメーターを試した結果、やっと一番いいディスカウントにたどり着きました。不屈の世界冒険家としてはこれは全く時間の無駄だと考え、自分ならずっと良いやり方ができると考えたのです。

しかしこの問題は他の旅行者も直面しているものでしょうか? 皆ディスカウントが好きなのは確かですが、あなたがフライト検索アプリに関して感じていることと同じことを彼らは感じているのでしょうか?

というわけで、あなたのアイデアを有効化する一番の方法は潜在的なユーザーに問いかけてみることです。しかし、どこに行ったら旅行者にインタビューして回れるのでしょうか? ここで本当に役に立つゲリラUXのヒントは、さっとエスノグラフィックエクササイズ(民族誌的練習)を行うことです。これは多大な費用をかけて人を雇うことなく潜在的なユーザーを見つける対費用効果が高い方法です。例えば以下のような方法が可能です。

・SNSを通じて地球冒険家の仲間に入れてもらいます。最近では誰もがそういう人を知っている人を知っていますから。

・一日空港に行ってみて旅行に行ってきた、もしくはこれから旅行に行く人々に尋ねてみます。

・旅行グループやフォーラム、Redditにいる個人を探します。

・Couchsurfingのようなオンラインコミュニティに加わり任意のメンバーとコンタクトを取ります。

彼らに20ページにわたるアンケートを渡すことなどしませんから、人々は親切に空いた時間を割いてあなたを助けてくれます。謙虚で良い人になり笑顔で接して下さい。

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彼ら自身について少し個人的なことまで踏み込んで質問してみてください。ただし踏み込み過ぎは禁物です。フライト検索はどのようにしているか尋ねて下さい。どれくらいの頻度で検索を行うか、普段はどこに行ってそれを行うか、彼らにとって肝心なのはどういことか、どんな時にそれを行うか、等々です。あなたのアプリのアイデアをより分かりやすくするために、彼らにあなたが作った簡単なプロトタイプを見せて下さい。

適切なリサーチには見えないかもしれません。研究室もないし白衣の専門家もいない、複雑な設備があるわけでもありません。しかし時間の効率も良いしコストの効率もいい上に効果的です。以上がゲリラUXとはどんなものかです。これによりスタートアップを立ち上げるべく、自分の製品のフィーチャーではなくユーザーの本当のニーズに焦点を移したUXベースのアプローチに乗ったことになります。

2. 活き活きとしたユーザーのペルソナを作る

あなたのユーザーが誰なのかに関して既に十分理解できたら、あなたの製品の様々なユーザーグループを代表するペルソナを作成して下さい。ペルソナとは、実際の人々に基づいた現実的な人物像のことです。その意味ではユーザーリサーチをある程度行った上で、ペルソナが人々の背景にある洞察を代表するものでなければなりません。そうしないとあなたの妄想に基づいたゴーストユーザーになってしまい、小説でも書いた方がマシということになりかねません。

もしチームにビジュアルデザイナーがいる場合はペルソナの詳細なビジュアルイメージを作って下さい。デザイン要素を加えることは個性や人柄、感情をもたせるのに有効です。そうでなければテキストベースの一枚紙にGoogle Imagesで探した画像を貼り付けるというのでも十分です。いずれにせよ、ペルソナの作成は膨大な費用や時間がかかるプロセスではないし、それどころか将来起こり得る重大な過ちからあなたを救ってくれるかもしれません。以上はゲリラUXのやり方に合致しています。

出典:UX Lady

出典:UX Lady

ペルソナを設定したら、それを拡大しプリントアウトしてスタートアップ仕事場のあちこちに貼り付けて下さい。その時点であなたが内なるユーザーと議論する時の相手はいつも「ルーク」や「ハン」といった名前をもつ人物となり、一般的なユーザーではなくなります。彼らと会話をしてください。彼らをよく知り彼らのための製品作りをして下さい。

3. ゲリラユーザーテストの目線に立つこと

スタートアップの立ち上げ段階で、もしあなたがいつも部屋にこもりっきりでコンピュータに貼り付け状態で、新デザイン、新コード、新コンテンツを絞りだそうとしているなら、建物から外に出てみましょう。外に出ることはユーザーのことを知りアイデアを彼らと一緒に有効化する鍵となるからです。せっかくのゲリラUXもフィールドワークを伴わなければちっとも「ゲリラ」にはなりません。

ゲリラUXメソッドとは低コストで時間をかけずにユーザーから洞察を得ることでデザインの改善をし、あなたの製品を微調整する方法です。つまり速くて安い、しかも役に立つ方法なのです。

デザイナーのマーティン・ベラムはゲリラユーザーテストを「カフェや公共の場に一人で佇む人々が、合間の数分間にWebサイトを利用するのを突撃で撮影する技術」であると述べています。私個人としては他人に突撃で撮影するのはお勧めしませんが、紳士的なアプローチであなたのプロトタイプをテストして貰うのはスタートとしては確かに良いやり方です。

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先程のディスカウントフライト検索アプリに話を戻してみましょう。スタートアップの洞穴にこもって黙々とデザインを仕上げ、ワーキングコードを作成する代わりに、インデックスカードを何枚か手に取りあなたのアプリケーションのアイデアを書き出してみましょう。それから空港のスターバックスに出向いて、親切そうな人にあなたのアプリをテストをお願いするのです。手持ちのiPhoneを使って動画を撮影し、彼らと少しおしゃべりをしてみて下さい。 お礼に彼らにコーヒーを一杯ご馳走して下さい。このゲリラUXメソッドは、主要なインタラクションデザインのゴールに到達するための洞察を得る素晴らしいやり方です。

テストは出来るだけ早い時期に開始し、出来るだけ沢山のテスト項目をテストして下さい。 紙のプロトタイプから完全に機能し、信頼性の高いプロトタイプを作り上げて下さい。データのレビューを行い、これらのユーザーテストから学び取りリデザインして、再テストして下さい。そしてまたその繰り返しです。

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スタートアップUX担当者のための追加リソースとして次のサイトを参照して下さい: UX Magazine, Nielsen Norman Group, UX Design Weekly, Usability Geek, UX Myths。言うまでもないことですが Medium には洞察力溢れる記事が豊富にあります。


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2017/12/05(火)
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