UIとUXの違いとは

UX MILK編集部

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uiandux

UIとUXはしばしば混同されて語られてしまいます。双方響きが似ていますし、一見同じようなものと思いがちですが、定義をきちんと知ることで、別物だということが分かります。

今回はUIとUXの定義やその違い、基本的なところを解説します。

UIとUXの定義

UIとは「User Interface」の略で、ユーザーが直接触れる「インターフェース」の部分を指します。

例えばカメラで言えば画面やボタン、あるいは本体の形などのことで、一つ一つの接点の使いやすさや形のかっこよさを作るのがUIデザインになります。

一方、UXは「User Experience」の略で、製品やサービスなどを使う時に得られる「体験」のことを言います。

前述のカメラの例で言えば、ユーザーが最も喜ぶ「写真」を撮ることのできるカメラを作るのがUXデザインになります。(あるいはそもそもカメラや写真ですらなく、ユーザーが最も喜ぶ「思い出を残す手段」を考えることでもあります)

UIとUXの違い

UXは体験のことを指すので、必然的にユーザーを取り巻く環境や文脈(=コンテキストとも呼ばれます)が関係してきます。つまりユーザーが体験することや感じることは、必ずしも形や見た目が関係するとは限らないということです。

Heinzのケチャップボトルの例

米国でよく語られる例がHeinzというメーカーのケチャップの例です。

ketchup

出典:http://www.heinz.jp/products/ketchup

左のケチャップは昔ながらのケチャップのボトルで、かっこよくデザインされていますが、最後の方になると奥にケチャップが残ってしまい、逆さまにしてボトルの底を叩かないと使いきれません

それに対し、右のケチャップは常に入り口にケチャップが溜まるようになっているので、最後までスマートに使い切れます。これはユーザーが最後まで難なくケチャップを使い切りたいニーズに答えたUXデザインといえます。

では左のボトルの方が完全に悪いかというとそうでもありません。右の実用的なボトルは家庭ではよいかもしれませんが、おしゃれなレストランでは多少不便でもかっこいいUIの方がユーザーにとって喜ばしいかもしれません。

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UXはUIを包括する

どんなに使いやすく設計されたUIでも、時と場合にそぐわなければユーザーにとっては良い体験にはなりません。

ユーザーがどんな文脈でその製品やサービスを使うかを考えて全体を設計するのがUXデザインで、その中で実際に触れる部分を設計するのがUIデザインなので、UXはUIを包括する概念なのです。

おまけ:UI/UXという表記は間違い?

日本ではUI/UXという表記や言い方が非常にポピュラーです。今回の定義でいくと、UIとUXが並列に表記されているのはおかしいと感じる人もいるかもしれません。

これに対してはさまざまな議論がありますが、ただの理解不足から生じているなんとなく使われてしまっている場合もあれば、そうでない場合もあるので、一概に間違いであるともいえません。

この背景にはスマホの登場が大きく絡んでおり、画面のレイアウトを考えるデザイナーもその画面が置かれる状況をより考えなければいけなくなったことから、UXという概念がポピュラーになったのではないでしょうか。

PCのみだった頃はほとんどのユーザーが座りながら利用していたのに対して、スマホユーザーは電車の中で立っている場合もあれば、ベッドの中で布団に潜っている場合もあります。そういったユーザーの利用環境や状況などを加味しながらUIをデザインする、という意味でUI/UXという言い方が浸透したと考えられます。

UXデザイナーの定義も企業によって変わってきますが、多くの場合がUI以外の部分もたくさん考慮しますし、平たく言えば企画段階から売る所まで全てがユーザー体験に関わってくるので、その方々にとってはUI/UXとは違和感を感じる呼び方なのかもしれません。本質的な意味でUXを考慮していくと、多くの場合経営レイヤーに行き着くはずですから、いわずもがなUIがどう、というレイヤーではなくなってきます。

結局のところ、UIの比重が多い場合にUI/UXと呼ばれることが多いのではないかということですが、これが間違いかどうかはケースバイケースです。例えばゲームアプリにおいては、画面内のゲームの体験が大きな割合を占める場合が多いので、UI/UXのような言い方になるのもうなづけます。

UI/UXという表記や呼び方は、文脈によって意味合いも変わってくるかもしれませんが、少なくともUIとUXの定義があいまいなまま、なんとなく使ってしまうことは避けていきたいところです。