あなたは答えられる? UXデザイナーの面接でよく聞かれる7つの質問

Dawn Schlecht

CareerFoundry UX Design Courseを卒業。ユーザーリサーチ及び相互作用デザイン専門。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

7 Questions You Can Expect In Your First UX Design Interview

この記事を読んでいる人は恐らくUXデザイナー、あるいはUX関連のお仕事を志望の方が多いのではないでしょうか。

私自身もUXデザイナーなのですが、UXデザイナー職の面接は一筋縄では行きません。業界の経験もあり、長い間仕事をして実績もあり、多くのクライアントから良い評価をもらい、数々の問題に対処してきた猛者だとしても、面接は手強いものです。

面接の準備にはすごく手間がかかります。今回は、面接の場で読者の皆さんのスキルや専門分野に関して自信を持って話してもらえるよう、UXデザイナーの仕事の面接でよく聞かれる質問をリストアップしてみました。

下記の7つの質問を見てみましょう。そして、その質問に対してどう答えてUXデザイナーの仕事を手に入れるか、戦略を考えていきましょう。 

UXデザインに関する7つの質問

Q. UXの定義を簡単に教えてください

皆さんは専門用語を使わずに「UX」を説明できますでしょうか。もしできるのであれば、賞賛に値します。この質問はあなたの専門知識を売り込むのに良い機会です。あなたの知識を面接官に示し、あなた自身の価値を企業に売り込みましょう。

また、これはあなたのコミュニケーションスキル自体を見せる機会になります。この業界に関する知識がない人に、この複雑な概念を説明するのです。面接官はUXデザインの専門家ではないかもしれませんので、関連する例を挙げながら説明しましょう。もし面接官にUXデザイナーがいるのであれば、もっと簡単です。面接官はあなたがどのようにチームの他のメンバーとコミュニケーションを図るかを見ています。 

Q. あなたが好き、または嫌いなアプリやWebサイトを教えてください(嫌いなものに関しては嫌いな理由も)

私たちは皆、アプリを使っています。あなたが頻繁に使うアプリを挙げて、そのアプリの魅力を詳細に説明しましょう。

そのアプリは使いやすいですか? そのアプリで自分が行きたいページに行くことは簡単ですか? あなたが嫌いなアプリに関しては、UX及び使いやすさに関して一貫して説明し、どのようにしてその嫌いな部分を改善させることができるかを説明しましょう。

そうすることで、面接官にあなたの「嫌い」というネガティブな印象を残すのではなく、アプリをより良いものにしていくというポジティブな印象を残すことができます。あなたがただ苦情を言う人というよりも、問題を解決できる人と見てもらえるようにしましょう。

Q. 業界の誰を尊敬し、誰に学びたいと思いますか

私個人としてはあまりこういうことを考えないのですが、これはあなたが選ぶキャリアに対して情熱を見せる素晴らしい機会です。

たとえあなたがすでに一人前のUXデザイナーであったとしても、この業界で影響力がある人によって業界自体がどう動いていくのかということに興味がなければ悪印象になるでしょう。雇用者はただ始業時間から定時までの給料だけを欲しているような従業員に用はありません。

彼らは、常に学ぶ意欲があってベストを尽くせる人に投資したいのです。面接官があなたに、業界の誰を尊敬しているか、もしくは学びたいかを聞くときには、この激動の業界に対しての興味や関心を見たいと思っています。

どの UXの本を最近読みましたか? どのブログを定期的に読んでいますか? このような質問の受け答えを考えることから始めると良いでしょう。ここで何をすればいいかを幾つか挙げましたが、ここで立ち止まってはいけませんよ! 特にあなたが影響を受けたブログのメモを取るなどして、それについて話しましょう。

Q. あなたがデザインしたプロジェクトの中で、最も誇りに思うものについて教えてください

これは往年のユーサビリティ専門家、Jared Spool氏による質問です。Spool氏がこの質問をするのは、面接者を安心させることができると同時に、プロセス、考え方、及びチームメンバーとの交流について、更に踏み込んだ質問ができるようになるからです。

もしこの業界での経験が浅くて特に誇れるものがなければ、あなたが関わったことがあるプロジェクトについて話すと良いでしょう。この質問によって、業界でのあなたのプライドや情熱を見せることができ、面接をしている企業にインパクトを与える機会となります。

Q. あなたはどのようにしてUXデザイナーになったのですか? デザインとの出会いはなんですか?

あなたがなぜこの業界を選び、あなたの中でそれが何を意味し、あなたの以前の経験及び性格にどのように合致したかを話すチャンスです。

もしあなたがオンラインUXデザインコースなどで具体的に学んだスキル(例:ワイヤーフレームの書き方)があるなら、その詳細について話せるようにしましょう。この質問は、あなたが使えるようになったスキルや手法、もしくはあなたが使うことに慣れているツールやソフトウェアについて話す機会です。これは面接官にとってあなたのスキルがどの程度なのかを想像できるようになり、今後のトレーニングであなたが何を必要としているかを見る機会につながります。もしあなたがこの業界の誰かにメンターとして教わったことがあるなら、その人たちについても話しましょう。そして、その人たちとの関係や、なぜそしてどのようにその人たちがあなたを突き動かしたのかを話しましょう。

もし完全に独学であれば、なぜあなたはこの道を選び、この多岐に渡る領域を独学できると思ったのか説明しましょう(オンライン教材、勉強会、ワークショップを通してなど)。

Q. ユーザーリサーチが企業、新規事業立ち上げ、およびビジネスの中で果たす役割は何だと思いますか?

ユーザーリサーチが資源の節約や、便利なものを作ること、または企業利益に貢献するという点に関して、あなたの考えを述べましょう。

過去にどのようなプロセスを踏み、どのようにふさわしい候補者を見つけ、どのように彼らと交流したのかを話しましょう。あなたは友人の友人と仕事をしたことがありますか? ターゲットユーザーと上手くやっていくことができ、深い観察及び分析を行ったことがありますか?

面接官に想像する余地を与え、あなたが行ったユーザーリサーチの範囲や、会社にもたらした実績について話しましょう。ここでは、コンバージョン率や売り上げに関するユーザーリサーチなどでポジティブな影響を出したという具体例を出すと良いでしょう。

Q. あなたのデザインプロセスを教えてください

もしかするとこれが最も答えるのが難しい質問かもしれません。もしこの業界に入ったばかりだと、あなたが踏むプロセスを説明することは難しいかもしれません。これは経験から来るものです。仮説に基づいた視点でアプローチしてみましょう。自分はどのようなプロセスを踏むだろうか、そして更に経験を積んだ場合どのように極めていき深めていくだろうかと考えてみましょう。

これらの質問の意味するところ

面接官は私たちの何を知りたいのでしょうか。なぜこれらの質問の多くはこんなにも答えづらいのでしょうか。

その理由のほとんどは、これらは定義を答える質問ではないからです。これらの質問に対する答えは人によって違います。そこがポイントなのです。

面接官が実際に聞いていることは以下のことです。

・私たちの企業文化に適応できるか
・どのように物事を考え、理由付けするのか
・どのくらい知識があるか
・どのように問題に取り組むのか
・自分の考えをはっきりと言葉にできるか
・説得力のある説明ができるか
・情熱を持って自分のキャリアを選択しているか

更に面接官はこんなことも考えているかもしれません。

・面接官との会話を楽しんでいるか
・ユーザーリサーチとデザインに情熱を持って取り組んでいるか
・周囲の人とどのように問題を解決するのか
・きちんと人の話に耳を傾け、良い質問をすることができるか
・企業でリサーチをしたことがあるか
・自分の弱みを認識しているか
・ユーザー及び消費者中心に物事を考えられているか

これはさすがに多すぎる、と思うかもしれません。確かに気が遠くなるほど多いです。しかしこれらを意識し、自分自身のことを理解し、面接官と有意義な会話で盛り上がることができれば良いスタートが切れるはずです。 

専門家からのアドバイス

まだ説得されていないという人がいれば、Nielsen Norman Groupのデザイン専門家が候補者に求めていることを紹介します。

「謙虚さ、良い質問ができる能力、批判的思考」

「全体像及び詳細の両方を見ることができる人」

「一見ランダムに見える情報を関連付け、つなげることができる聡明さ。なぜかを知るために必要な好奇心。普通の人間ではないと思えること、普通の人間は存在しないという経験則」

「質問する人はきちんと意見を持っていてオープンマインドであり、ユーザー中心のデザインのコンセプトを持っている。どのように人が様々な事柄についてどう取り組んでいるか、人が物事に対して多様なメンタルモデルの中でどのように考えているかを知りたい人は、次世代で素晴らしいものをデザインしたい人や、教養が全てだと思っている人よりも優秀です。いろいろなタイプの人とコミュニケーションを取れ、聞き手にどの情報を使って相手とコミュニケーションを取り、どのインプットを使って人に頼むかが分かっている人、そのような人が有能なのです」

UXデザインの面接における心得

面接では、あなたを面接されているのと同じように、あなた自身も面接官を面接しているということを肝に銘じておきましょう。あなたも質問をしなければなりません。

面接官があなたの質問に答えた後、あなたと仕事をしたくないと思うかもしれません。しかしそれは選り好みをしているわけではありません。ただの事実なのです。あなたが面接官及びあなた自身に対して誠実であれば、最初から無駄なプロセスやコストを払わなくて済むのです。

Googleはそんな新しい仲間を作る手助けをしてくれる、頼もしい味方です。ゆくゆくはあなたの面接を担当するかもしれないUXデザインの専門家や、もちろんその企業についてなど、きちんと学ぶ時間を取るようにしましょう。

あなたがその会社に興味があるということを示し、リサーチの手法などを理解しているということを伝えましょう。更にあなたは聞き上手であることも示し、意味のある質問をしましょう。

読む価値のあるUXに関するリソース

私はJamie Levy氏のUX Strategyという本を好んで読んでいます(日本語翻訳版はこちら)。Levy氏はリサーチやUX戦略を簡単に理解しやすいように、全てをステップごとに解説しています。この本はデザインプロセスの伝え方を考えなければならないとき、役立つ本です。

Nielsen Norman GroupのUXのキャリアに関する論文では、Susan Farrel氏及びJacob Nielsen氏は数え切れないほどのデザイナーの面接をしました。「面接官が求めるもの」及び「面接官が尋ねる質問」についての内容では、付録G項目及び付録H項目が特に役立つでしょう。

MediumのJulie Zhuo氏による「7 Reasons to No-Hire a Product Designer(製品デザイナーを雇いたくない7つの理由)」と言うタイトルの記事は興味深く、示唆に富んでいます。

JobPage.comのCEOで設立者であるMatthew Ogston氏によるSmashing Magazineの「How to Recruit a UX Designer(UXデザイナーの採用方法)」というタイトル記事は10人のデザイナーの展望や、彼らがどのように面接に臨み、デザイン業界の採用で求めるものについて書いています。

上記のそれぞれの質問を大まかに答えられるようにしましょう。さあ、大変な作業ですが頑張りましょう!


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