UXデザインにおけるユーザーに安心感を与える5つのポイント

Ning T.

Ningはコンテンツエディター、人類学者、デザイナーで、テクノロジーとUXマニアです。ブルース音楽とウェスアンダーソンの映画が好きです。 。

この記事はProto.ioからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

5 Tips to Ensure User Safety with Good UX Design

ユーザーのニーズを満たすことは、ユーザー中心のデザインアプローチにおいて要となります。

フォーカスグループ、インタビュー、ペルソナのようなUXリサーチ方法は、対象とするユーザーの特定のニーズを見つけ出すために用いられます。Webサイトにおける様々な施策はユーザーが必要とするもののほんの一部でしかありません。

成功するWebサイトやアプリを作るためには、どんな機能が必要なのかリサーチによって明らかにし、ユーザーのニーズを満たすためにデザインをしなければなりません。ですが、UXデザインでユーザーの特定のニーズを満たす前にはまず基礎から始めなくてはなりません。その基礎とは、「安心感」です。

この記事では、UXデザインにおいて安心感を保証するための5つのポイントを紹介していきます。

マズローの欲求段階説

マズローの欲求段階説をご存知でしょうか? マズローによれば、上層の欲求を満たすためにはまず下層の要求が満たさなければなりません。食事や睡眠などの生理的な要求(Physiological)が満たされた後、安全(Safety)の欲求を満たされていきます。それが満たされたときにはじめて、愛や所有などの次の段階の欲求に到達することができるのです。

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今回の話で注目するのは安全(Safety)の段階です。健康、財政的自立、戦争や自然災害のような危険からの解放などは全て、私たちの日常生活で安全性の感覚をもたらしているものの例です。

現実の世界と同じように、安全性は仮想世界でも重要な役割を演じているのです。Webサイトやソフトウェア、アプリケーションが高く評価されるためには、ユーザーが安全に利用できると感じるようにならなければなりません。 

ユーザーの安心感とUXデザイン

では、どうやってユーザーの安心感の欲求を満たすのでしょうか? ユーザーの安心感を保証するための考慮すべき良いUXデザインについて、5つの例をここに紹介します。

1. マイクロコピー

Webサイトでいろんな種類のオンラインフォームを入力したり、新しいアカウントを作ることがあると思います。全ての項目を記入するしなければならないとき、それが正しく入力できているか不安なことはないでしょうか?

そのフォームについてよく知っていて、正しく入力できているかどうかを助言してくれる人の助けを借りて入力することができれば、私たちはさらに安心することができます。このようなことをやっているサイトはあまり多くはないので、気の利いたマイクロコピーがあるととてもありがたいと感じるのです。

何をすべきか教えてくれる文言、ポップアップ、コメントが、正しい方向へ進んでいると安心感を持たせているのです。

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House of FraserのWebサイトの支払いフォームは、ユーザーの安全が考慮されています。もし、あなたが定期的にオンラインで支払いを行うのであれば、すでにクレジットカード番号の桁数やセキュリティコードがどこに記載されているのかは把握しているかもしれませんが、そのような情報を必要としているユーザーは多いのです。

私も母国語ではないWebサイトで初めてオンラインで支払いを行ったときは、確かにこの情報が必要だったのです。 

2. プレビュー

どんなものでも「情報を公開する」という作業は多少のストレスを伴います。特に、一般的に見えるであろう状態と全く同じ状況でプレビューできないと非常にストレスです。

ブログのテキストエディタ、ソーシャルメディアの投稿などは、プレビュー機能があることでユーザーフレンドリーになります。安心感を保証するためには、ユーザーに示されたものがまさにあなたが意図したように見えているか、きちんと確めることが必要です。

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ライターやブロガーと一緒に働くことで、彼らのほとんどが最低でも2、3回プレビューボタンをクリックした上でコンテンツを公開していることに私は気づきました。Wordpressのテキストエディタは少々欠点があるかもしれませんが、プレビュー機能は間違いなく長所のうちの一つです。

3. 編集

何度チェックをしようとも、 一度「保存」ボタンをクリックしたら元には戻れないということにいつも緊張が走ります。

それがメッセージであるにしろ、ブログの投稿やWebサイトの登録フォームであるにしろ、後で変更できることがわかればユーザーの安心感は確保されるのです。これによってユーザーは安心して行動できるようになるのです。 

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チャットツールのSlackが良い例です。あなたが送った全てのメッセージは後で編集や修正することができます。私はSlackをチーム内でのコミュニケーションのために使い始めてから、Slackを使わずにテキストメッセージを書いたり、タイプミスをしたり、何か重要なことを言い忘れてしまった時はいつも、編集する方法がないことを悔やみます。 

4. 質問とアラート

「本当に選択したアイテムを永久に削除しますか?」などのような質問に少々苛々し、ユーザー体験的には省いてしまいたいときがあります。ほとんどの場合それは本当にあなたがしたいことで、それを実行するために2回もクリックする必要があることにうんざりするのもわかります。

ですが、もしあなたが変更しようとしていることが取り返しのつかないことで大きな影響をもたらすのであれば、誤って実行してしまうよりも、確認のために1回以上はクリックしたほうが良いのです。

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Basecampを例にあげましょう。もし変更を保存せずにタブを閉じたければ、上に示したような警告が出てくるでしょう。いつも多数のタブを開いたままで仕事をしているので、誤って違うタブを閉じてしまうのは十分にあり得ることです。このような確認の質問が、私の仕事における無駄な時間を省いてくれたことは数えきれません。

5. 確認

「送信」、「公開」もしくは「保存」ボタンをクリックしても、何も起こらなかったことはありましたか? 私はいつもこういう事態を心配し、きちんと動いているのか不安に思っています。

本当にメッセージは送られているのか? 私のユーザーアカウントの変更は保存されたのか? いちいちそのような不安を頂きたくないのは私だけではないはずです。確認の言葉や動作が無事行われたことの視覚的なフィードバックは、ユーザーを安心させ、全ては計画通りにうまくいったということを感じさせることができるのです。

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ユーザーの安心感を考慮するため、The Rectanglesの私のチームは私たちのWebサイトのコンタクトフォームからメッセージが送信されたときに、確認メッセージを表示するようにしています。

「送信」ボタンは消えて、メールを送られる時の音を真似た“Whoosh”という確認メッセージに置き換わります。こうした視覚的なフィードバックは、メッセージを無事に相手に届けてくれるという印象をユーザーに与えるでしょう。

小さなことが大きな変化をもたらす

これらは全て小さいことですが、UXデザインの過程では忘れられてしまうことがあります。

UXデザイナーの中には、隠されたニーズを明るみに出すことに注力するあまり、最も基本的なニーズをないがしろにしてしまうような人もいます。そのせいでWebサイトやソフトウェアやアプリケーションが失敗に陥ってしまうことは残念なことです。

ユーザーは安心して使うことができない限り、プロダクトの素晴らしさを十分に理解することはできないでしょう。まずはユーザーの安心感の確保という大事なことから始めていきましょう。


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