ポケモンGOは、アプリの世界でとてつもないスピードでトップに躍り出ました。子どもから大人まで、ゲームファンからビジネスマンまで、驚くほど広い層の人々の心をつかんでいます。
その一方で、ポケモンGOは動作が遅くイライラする、バグが多いとも言われています。そして依然として多くの問題点が指摘されており、利用頻度は落ちていく一方です。
UXデザインのルールでは、バグはリリース前に処理し、エラーを最小限にとどめるべきとなっています。
ですが、ポケモンGOの人気獲得は、このルールから外れているように思われます。一体何が違うのでしょうか?
バグに対する我慢強さ vs 未体験な物へのワクワク感
その答えは、単純とも複雑ともいえます。単純な答えとは、ポケモンGOは人々をARへ取り込むような魅力的な要素を多く含む斬新なものだということです。
ゲーム上のフック
ポケモンGOには、人気ゲームに共通してみられるフックが用意されています。例えば、レアポケモンを見つけるためにドライブをするなど、頻繁にゲームをするような仕掛けがなされています。
新たなテクノロジー
今まで見たことないような新しい製品を試してみようというとき、人は製品の欠点への意識が薄くなります。その製品にまだ不慣れだという事実も、後になって製品の出来に対する議論を引き起こす要素の一つであり、欠点の一部となりうるとも言えるでしょう。
現実世界と人間関係
また、人間は実際の人間関係おける欠陥・欠点に対しては寛容なものですが(知り合ったばかりの状況ほど特にそうなります)、コンピューターやテクノロジーに対しては高い正確性を求め、エラーや思い通りに進まないことがあるとストレスを感じます。
ポケモンGOはテクノロジーと現実世界の中間点にあり、ユーザーは欠点に対してかなり寛容でした。
全ての要素が複合した結果
複雑な方の答えとしては、これら全てのことが集約的に考慮される点です。新たなテクノロジー、未体験の世界、人間関係、ゲーム上のフック。これらを一度にクリアするのは困難です。
それには運の要素が絡んでおり、今はまだ製品がどのように口コミで広まっていくのかというメカニズムを解明しようという段階にいます。しかし、私たちがこれら全てを一度にクリアする製品を、開発できないだろうと言うわけではありません。
一つ言えることは、ユーザーがバグに慣れてしまうような状況を作り出すべきではないということです。どんなに魅惑的に見えても、それは間違った選択です。