モバイルでのUXは、もはやニッチな分野ではありません。モバイル端末の影響や体験を考慮せずに、ウェブサイトやソフトウェアのUXについて語ることは難しいです。
これまでに、2013年と2015年におけるいくつかの事実と洞察を紹介してきました。
今回は、ネット上の多くのソースから厳選した情報と、モバイルユーザビリティに関する我々の研究をご紹介します。
モバイル端末の利用者の増加
- アメリカにおける成人の57%から68%(ソースによる)がスマートフォンを所有しています。この数値は、イギリスでは約64%、ドイツでは54%です。これは年齢によって異なっており、ミレニアル世代では88%(18-34歳)がスマートフォンを所有しています。
- 新興国・途上国のスマートフォン保有率は驚くべきペースで増加しており、2013年-2015年でおよそ21%から37%に上昇しています。予測では、スマートフォンユーザーの数は2016年に世界中で20億8000万人に達する見込みです。
- タブレットの所有は横ばいだったようで、所有率はアメリカの人口の約半数です。約半数のX世代(35-50歳)とミレニアル世代がタブレットを所有しているのに対し、70-87歳における所有率は25%にとどまっています。
- タブレットにおけるブラウジングのシェアは、2014年までにスマートフォンを追い抜くと予想されていましたが、より大きなサイズのスマートフォンが人気となったため頭打ちとなりました[PDF]。
- Androidはアメリカにおいて、約66%の市場シェアを占めています(2015年比で上昇)。国際市場シェアについてはさらに高くなっています。中国の主要な都市部では、Androidは市場の77%を占めました。ヨーロッパ市場のトップ5(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン)におけるシェアは、約75%です。
モバイル端末のユースケース
- タブレットを利用する主な目的は、検索サイトの利用、Eメールの確認、オンラインビデオの視聴、そしてソーシャルネットワークへのアクセスです。
- タブレットは夕方と夜にもっとも利用されます。スマートフォンと比べたとき、タブレットの主な用途の1つはここにあるといえるでしょう。つまり、タブレットがスマートフォンより多く使用されるのは、ものを読むとき(タブレットが57%であるのに対しスマートフォンは43%)、そして動画やムービーを視聴するとき(40%対30%)であるということです。
- デバイスの切り替えは非常に一般的で、タスクやアクティビティを完了するために2 つのデバイスを切り替える人は53%、3つを切り替える人は77%です。切り替えの主な理由は、タスクの特性や大きいスクリーンまたはキーボードが必要なためです。
- 縦向きの方が横向きよりも少しだけ好まれています(60%対40%)。ただしユーザーによると、デバイスをどのように持つかは、デバイスのサイズおよび動画視聴、ゲーム、読書、ウェブブラウジングなどのアクティビティの種類によるということでした。
モバイル端末でのアプリ利用
- 平均でおよそ27種類のアプリが1ヵ月に使用されており、およそ6~10種類が1週間に使用されています。モバイルデバイスでメディアに費やされる時間の大半である8分の7をアプリが占めています。モバイルアプリに費やす時間は、平均で1ヵ月に40時間です。
- モバイルアプリは主に暇つぶしのために使用され、ほとんどの人がどのアプリをダウンロードしたかさえ忘れてしまいます。しかし、オンラインショッピングにおける購入の30%は、今やモバイル端末で行われています。
- もっともダウンロードされているアプリは、ソーシャルメディアが多数を占めています。ダウンロード数は、WhatsApp(4120万)、Messenger(3930万)、Facebook(3600万)、Snapchat(2700万)、そしてInstagram(2560万)です。Facebookは、月間1億2500万人のユニークユーザーを誇っています。50%の時間が1つのアプリに費やされており、80%が上位3つに費やされています。
- UberとLyftについては、その人気について報道されているにもかかわらず、自動車配車アプリを使用したことがあるアメリカの成人は15%のみです。一方ヘルスチェック(62%)やオンライン・バンキング(57%)のアプリについては、ほとんどの人が使用したことがあります。また2016年7月には、Pokemon GOが日次のアクティブユーザー数の記録を破ろうとしています。
モバイル端末のECサイト
- ユーザーがスマートフォンに費やす時間は増加し続けています(特に休日)。そして、58%のモバイル収入がモバイルウェブサイトから発生していることから、未だに人々はアプリよりもモバイルのウェブサイトでの買い物を好むことがわかります。
- QRコードは未だそれほど人気がなく、アメリカの買い物客のちょうど29%が利用可否を調べたり、商品を注文したり、また商品情報を取得するためにQRコードをスキャンしています。
- スマートフォンで買い物をする人のほとんど(72%)が、購入前に商品について調べています。これには、商品の価格を調べる人(70%)、そして欲しい商品を購入するために店を探す人(60%)を含みます。
- タブレットのコンバージョン率は、スマートフォンよりも高くなっています。この差は2015年と似ており、タブレットのコンバージョン率は、スマートフォンよりも高く(4%対5%)、従来のPCのコンバージョン率である4.7%と類似しています。