ビジネスにおいてUXデザインが必要な理由

Alan Smith

Alan Smithは、ITの領域において幅広い経験をもつ、テクノロジーに関する熱心なブロガーです。彼は現在、ロサンゼルスに拠点を置くSPINX Digital Agencyと連携して仕事をしています。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

How Understanding UX Benefits Digital Businesses (2016-11-14)

急速に進化するオンライン世界に対応し続けるために、企業は新しいテクノロジーや理論を効率的に導入する必要があります。

進化の一例として、デザインの中心が、従来のUI(ユーザーインターフェイス)へのものから、UX(ユーザー体験)へ移行していることが挙げられるでしょう。UXデザインは、Webサイトの成否を左右するものとなっています。そのため、企業は良いUXについて学び、どのようにUXから利益を得るかを知ることが不可欠となっています。

大きな成功をおさめた有名企業のなかには、既にUXデザインをデジタル戦略に採用しているところもあります。競争力を維持し続けたいのであれば、UXデザインにすぐに対応し、ビジネスチャンスを失い、修復不可能な状態に陥らないようにしましょう。

UXを理解する

UXデザインは、ビジネスにおいて真新しいコンセプトではありません。企業とのやり取りを通してユーザー体験を分析することは、企業における改善手段の1つとして長いこと使われてきました。その理念をデジタル世界に適応させたことは、最近のイノベーションと言えるでしょう。

UXデザインには、カスタマージャーニーマップやWebページのデザイン(UXは、Webサイトだけを対象とした概念ではないので、ソフトウェアのデザインも含まれるでしょう)のような、ユーザーインターフェイスのデザイン要素も統合されています。UXデザイナーは、Webサイトで顧客がどのようにインタラクションを行っているかリサーチを行い理解する必要があります。そして、集めた情報を上手く利用して、UXを改善するためにサイト内容の変更を行います。

UXデザイナーは、多様な手法を用いて、UXの改善を行っています。たとえば、インターフェイスの要素やページのレイアウト、フォントなどを変更して、ユーザビリティを改善しています。使いづらい・わかりづらいエリアを特定し内容の変更・修正したり、リンクのエラーを解消したりし、また情報をより効率的に表示するために再デザインを行ったり、より関心をひくためにグラフィックを統合したりするなど、これらすべての作業、またはそれ以上の作業が、UXデザインの仕事では行われます。

利点を再確認する

企業はUXによる利点を追求しています。また、既にUXに関するリサーチと開発への投資による、潜在的な大きなリターンについても理解を深めています。UXデザインによる、顧客への影響力を過小評価することはできません。

UXデザインは、Webサイトのユーザビリティを飛躍的に向上させることができます。ユーザビリティは、継続率やコンバージョン、顧客満足度などに大きな影響を与えます。ユーザビリティが低いWebサイトでは、多くの顧客からのインタラクションは望めないでしょう。正しくUXデザインを行うことで、以下のようなデザインにおける誤りを防ぐことができます。

  • 機能の充実より、見た目の良さが重視される:見た目が豪華なWebサイトは悪いものではありませんが、機能のほうが不可欠な要素です。見た目が平凡でも使いやすいサイトのほうが、まだ顧客の訪問を見込めるでしょう。対照的に、可愛らしいデザインでも、正常に機能しないようなWebサイトは避けなければなりません。
  • 見にくいデザインになる:顧客がWebサイトを読むのには、特定のパターンが存在します。そのパターンが組み込まれていないレイアウトは、ユーサビリティの低下を引き起こします。同様に、フォントの選択やリンクの配置、文法の使用法、ターゲットとなる顧客層などの要素も、ユーサビリティに影響を与えます。
  • 混乱を招くレイアウトやリンク:良いWebサイトでは、顧客がたどり着きたいページまで、スムーズに到達することができます。画面上で、一度に大量の選択肢が表示されるような状況は、顧客の混乱を招きます。また、特定のあるページに行けると思ってクリックしたリンクが、別の違うところへのものであるような状況も避けなければなりません。
  • 通信量が多すぎるコンテンツ:インターネットユーザーは、短い時間しか待ってくれません。通信量が多すぎて、再生に時間がかかるようなサイトだとユーザーはほかのサイトへ行ってしまうでしょう。
  • 広告の場所やタイミングがよくない:広告は必要なものですが、正しく配置しなくてはなりません。ポップアップ広告を大量に表示したり、キーとなる情報を広告が妨げたりするようなUXは失敗です。
  • 不安定なWebサイト:ユーザーは、正常に機能するWebサイトを求めており、いつ訪問しても、問題なく動くサイトを信頼します。エラーが多すぎるような状態は、顧客の信頼を失い、サイトの継続的な利用は望めません。
  • ブラウザ・端末をサポートしていない:Webブラウザには、数多くの選択肢があります。サイトが対応しているブラウザが少なすぎる場合は、潜在的な顧客を獲得する機会を逃してしまっています。また、モバイル端末との互換性をもたせて、より良いUXを構築できるようにしましょう。

UXデザインは、カスタマーサポートにおいて、大きなインパクトをもっています。不具合のあるインターフェイスや404エラー、リンク切れや間違ったリンク先、情報の誤りなど、そのほか多くの障害などの発生により、カスタマーサポートを行う必要性が生じます。UXデザイナーは、Webサイトのエラーや情報の誤りを修正したり、サイト内でユーザーを正しい場所へ誘導できるようにしたりして、サポートを行う必要性を減らさなくてはなりません。カスタマーサポートの必要性が少なくなればコストを削減することができます。つまり、良質なUXの設計は、オペレーションのコスト削減することができるのです。

よく設計されたUXの場合、顧客がWebサイト内を、効率的に回遊できるようになります。適切なレイアウト・情報やナビゲーションを組み合わせることで、UXデザイナーは顧客がWebサイトに訪れ購入するまでにかかる時間を短縮することができます。その一方で、ユーザーの滞在時間が長くなるように設計することも必要です。これにより、広告による利益の増加や、情報保持を改善することが期待できるでしょう。

顧客はそれぞれの理由をもって、Webサイトを訪問します。顧客は情報や製品、サービスなどを求めており、これらを提供できないサイトでは、積極的なインタラクションを期待することはできません。UXリサーチとは、顧客がサイトを訪問する動機・理由を理解する試みであり、それに応じてUXデザイナーは、彼らが求めているものを提供しなくてはなりません。

UXデザインは、顧客にフォーカスしています。顧客の動機や欲求、感情、目的、行動などを、理解する作業の繰り返しであり、企業は効果的なWebサイトを構築することで、顧客に関する理解を深めることができるようになります。UXへフォーカスすることは、企業にとってビジネスの視点を顧客中心へとシフトすることにつながります。

Webサイトは、以前では考えられなかったほど、日常的なものとなりました。しかし、Webサイトが初めて紹介されたときから、信頼性への疑いはあまり改善されていません。サイトへの信頼性を、ユーザーから獲得することが、Webサイトの成功には不可欠です。WebサイトにおけるUXを理解することは、顧客からの信頼獲得に大いに役立つでしょう。不具合やリンクの誤り、適切でない言葉・用語の選択、そのほか多くの要因により、サイトへの信頼性が損なわれかねません。UXデザイナーは、これらの問題点を発見・修正して、サイト訪問者の信頼を増加させ、インタラクションが活発に行われるサイトにしましょう。

UXこそ、今必要とされているもの

多くの企業が、UXデザインの利点を学ぼうとしており、その効果的な実践方法についての理解も深まっています。UXデザイナーやデザインチームを保有することは、不可欠の要素となっています。UXの理念をデジタル領域に取り入れていない企業は、顧客獲得の機会を使いやすくて信頼性のあるサイトに奪われてしまうでしょう。

幸運なことに、ここ数年の間に、UXデザイナーはより一般的な存在となってきています。Webデザインの一部しか知らなかったような多くの人たちが、Webデザインについて見識を深め、UXデザインについて理解するようになりました。また企業の中には、UXリサーチと開発にフォーカスし、チームや部署を構築する手段を学んでいるところもあります。これらのチームは、企業のデジタル戦略に、大きな利益とともに変革をもたらすでしょう。

小規模の企業の場合は、すぐにUXデザイナーを雇用したり、既存スタッフに教育を行ったりするべきです。そうすることで、少なくともUXの利点に関しては、デジタル世界で競争力を維持することができます。UXデザイナーは、よくある間違いを防ぎ、サポートの必要性を減らして顧客の信頼を確立し、Webサイトのレイアウトを改善し、またはそれ以上のことも成し遂げてくれるでしょう。