デザインリーダーはどうやってチームを創り上げるのか

Dave Malouf

DaveはHewlett Packard Enterprise社のエクスペリエンスストラテジスト。ユーザーの共感やデータ分析を基に有用なインサイトを導き出し、戦略を立てるためのサポートをしています。

この記事はUXPinからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Building and Managing UX Teams: A 360 Degree Guide (2017-02-27)

いつの日かあなたの部下は、あなたというリーダーに付いていき、話を聞き入れ、あなたが成しとげたいことに対し、やる気を出す時が来るかもしれません。

リーダーシップを先天的に発揮する人は稀にいます。でもそうでない99%の人々はリーダーシップを獲得するために懸命になる必要があります。

デザインリーダーはどうやってチームを創り上げるのか

長期的に成長していくチームを創り上げることは、どのリーダーにとってもっとも難しい課題のひとつです。

The Guide to UX Leadershipで説明したように、ビジネスで第一にやらなければならないのは、ビジネスの要素を理解し、将来を予測することです。

1. チームの将来の見通しを立てる

チームと、業務量と、ほかの組織がどう変化するかの予測とを描くために大きな目標に集中する時間を設けましょう。

チームで協力して、業務量と組織構造の面からビジョンが実現可能であるか確かめましょう。未来は絶対に予知できないと心に留めておいてください。

組織の製品とサービスのポートフォリオ全体のロードマップが確認できたら、ひとつひとつのポートフォリオを掘り下げて、これからチームに必要なタスクを把握しましょう。そこから共同作業者と協力して大まかな見積もりを作成し、必要な作業の範囲と必要なUXチームの人数を大まかに定義してください。

そのうち各ロードマップが要求するリソースの見積もりを始める必要がでてくるでしょう。

たとえば、次の6ヶ月から1年の間に6つのプロジェクトが現れるとしましょう。このプランを踏まえて採用に費やす期間を代入します。新しいメンバーを募集して増やすために、どのくらいの期間が必要でしょうか? プロジェクトそれぞれに、どのようにリソースを割きますか?


プロジェクトの進行が予想と異なったせいで時間に余裕がなくなれば、請負業者を利用して足りない人員を補完しなければなりません。このとき同じ業者を使うことで、増員にかかる時間が短縮されます。

2. 必要なスキルを分類する

将来のイメージができたら、そのビジョンを達成するために必要となるスキルを細かく分解しましょう。

いくつかのスキルは専門外かもしれませんが、それでもすべてが把握できるようにリストアップする必要があります。その上でカテゴリごとに分類されたスキルのアフィニティチャートを作成しましょう。(編注:アフィニティチャートとは、親和性の高いもの通しでまとめた図のこと)これに部門間のリーダーに参加してもらって評価を求め、すべてがフィットするように再分類しましょう。

以前私たちの仕事を、デジタルデザイン、肩書き、役割の世界で分類しようと試みましたが完全に失敗してしまいました。ですから必要な役割ではなく、スキルを整理しましょう。

上記の画像のように、私はスキルをまず「未分類のスキル」に仮置きました。そして自分の裁量で、雇うことができると思い込んでいる職種へすべてのスキルを分類しました。ですが職種の詳細と役割のグルーピングが裁量次第ですので、これでは明らかに不十分です。

ですから必要なスキルのすべてを確実に明文化しましょう。普遍的なスキルのように見えるものもありますが、後々チェックリストを評価する段階のどこかで、違いを見つけられるでしょう。

3. 募集を開始する

それでは、募集要項を作りましょう。

設定したビジョンに向かう間で役割がどのように変わるかを考えましょう。メンバーがどのように昇進し、リーダーシップを得るのか想像する必要もあります。 そして、チームと一緒に進むためのリーダーとして、どのように変わってどのように成長しなければならないのか考えなければなりません。

鍵となるのは、長期的な需要をみすえた短期的な需要に基づいて雇うことです。

最初の3人から5人を雇うときは、ビジュアルデザイナー、インタラクションデザイナー、研究者などを別々に雇うほど仕事がまだないので、広範囲を賄えるゼネラリストを雇うことが多いでしょう。これら3つすべてを行い、かつフロントエンドの開発を行う人が必要なことすらあるでしょう。

問題は、いつどのように組織を専門化し始めるかということです。生物の進化と同じように、ある時点で、細胞はどんどん専門化していく必要があります。そのためには、キャリアの成長と昇進が明確な道のりに沿っていなければなりません。

4. 適切な応募者を評価し雇用する

実際に応募者を評価するにあたり、最善の方法は次の2つです。スキルと成果に焦点を当てること、そしてこの人と一緒に働くすべての人のニーズを考慮することです。

応募者は自分のスキルがどう成果・結果に結び付くのかについて、どのように語るでしょうか。

風土に合った人を雇おうとして「自分と似た人を雇う」という間違いを犯さないように注意しましょう。

このセクションを達成するために、Hire With Your Headはとてもいい参考書籍になります。

デザイナーの管理と指導

一度チームをもったら、リーダーシップは煎じ詰めれば直属の部下からの報告をどれだけうまく監督するかにかかっています。

1. 緩衝材になる

居心地のいい雰囲気を作りましょう。チームがネガティブになったら熱意を与え、メンバーが悪いムードにならないようにしてチームを守ってください。

上層部からのメッセージを咀嚼することは、そのメッセージを自分事にすることだということを覚えておきましょう。

冗長性を減らしつつ利益率を向上させるためには、デザインチームがワークフローを変更する直接的な理由になりうるものが必要です。たとえば、エンジニアがコードを拡張するのに役立つデザインシステムを作成する必要があると説明すると良いでしょう。

デザイナーは自分が思いついたアイデアに固執してしまいがちです。 そのため「それはビジネスでは役に立たない。」と言ってしまうと、デザイナーはひどく傷ついてしまいます。

かつてIntralinks社でデザインチームを率いていたとき、私たちは新しい分野に製品を展開しようとしていました。デザイナーのアイデアを無視せずに、ビジネスを牽引する立場からデザインの制約を説明することで、それほどコストをかけずに整ったデザインを作ることにチームのエネルギーを向けることができました。

2. 個人面談をする

多くのチームが定期的に開催するべき3種類の個人面談があります。

  • 直属の部下と
  • 同僚と
  • 上司と

チームのメンバーとは週に1回、同僚とは隔週で会いましょう。 (定期的コンタクトをとる必要があると感じたら、ほかの人を追加してもいいでしょう。)

このミーティングでは直属の部下が仕切るべきです。ミーティングのアジェンダは、現在の仕事が短期および長期のキャリアニーズにどう対処しているかに焦点を当てる必要があります。段階を進めていくためではなく、なによりもまず指導の機会のためにおこなうのです。

仲間と定期的に会うことで明らかに助けが必要な事態に力を貸せるだけでなく、突発的な事態を回避するのにも役立ちます。ミーティングの進行をコントロールしつつ、これらの会議を開きましょう。

マネージャーとの個人面談の際は部下からの報告をもって、先程と役割を反転します。指導は誰にとっても必要なことで、あなたがどれだけの経験を積んでいようと例外ではありません。このとき、面談を進めているのは自分であるという自覚を十分に持つ必要があります。

また、以下の役職とも定期的に会う必要があるでしょう。

  • 技術長
  • 主要な関連部署の人
  • 人事担当者

i. 技術長(毎月)

ビジネスの技術、技術の進歩、トレンドの先端を常に把握し続けましょう。これから起こることに備えるために、組織の技術グループ内の人々と会うことは有効です。ミーティングのアジェンダを掌握しつつ、会話の流れに柔軟に対応できるようにしましょう。

以下の問を考えてみてください。

  • (特にチームと技術チームの間で)今後起こりうる障害は何か? 
  • マネージャーとして、技術チームの開発に関してどのような問題に直面しているか、助けることはできるか議論する。

ii. 主要な関連部署の人(毎月)

製品管理部門やセールス&マーケティング部門、顧客サービス、エンゲージメント部門のいずれに対してもコネクションを持っていなければなりません。

これらの部門はビジネスの先見を深め、問題を先に進めるのに役立ちます。また、チームの長期的な議題を設定するのにも役立ちます。

以下は、各部門と共にビジネスを進めるために考えなければならない一般的な事項です。

  • 自分のチームは、相手のチームが直面している問題をどのように助けることができるか?
  • 思い描いていたスケジュールに食い違いがないか。
  • どんな問題が突然起こりうるだろうか。

iii. 人事担当者(毎月または隔週)

ほとんどのリーダーはこのミーティングを忘れているようですが、人事担当から得られる情報は素晴らしいリソースです。

ビジネスの需要と照らし合わせて人員配置、現在の業績、将来のニーズ見直すことで、アドバイザーから批評してもらう機会を得られます。このような戦略的な方法で実際に人事担当者を利用しているマネージャーはごくわずかです。

以下の項目は問いというよりも良い評議会を得るチャンスになりうるので、議論を検討してみてください。

  • チームはこのような課題を抱えているが、人事担当から順調にすすめる提案はあるか。
  • 採用のニーズを提示し、ニーズを素早く満たす方法を議論する。
  • チームとすぐにコミュニケーションを取ったほうが良いできごとが起きているか。そのために今できる準備は何か。