WebデザイナーのためのUXレビューのすすめ

Jake Rocheleau

JakeはUIデザインやWeb開発の記事を執筆するライターです。彼の仕事はあらゆるWebや彼自身のポートフォリオで見つけることができます。ツイッター@jakerocheleauから最新のアップデートをフォローできます。  。

この記事はDesignmodoからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Intro Guide to UX Reviews for Web Designers (2017-03-22)

優れたUXレビューは、どのようなWebサイトでも必要なものです。UXレビューを行い、デザイン全体を見直すことで、何が機能していて何が機能していないかを知ることができます。またユーザー体験を向上させるソリューションを発見でき、最終的に利益を増やすことに繋がるかもしれません。

レビュー方法を学ぶことが、課題を解決してより良い体験を生み出すための第一歩です。この記事では、UXレビューの基礎と、実際に自分自身で行う方法を紹介します。

UXレビューでは、UXデザインについてある程度の背景知識が求められます。同時に、優れたWebサイトを作成するための基本的な原則も必要です。積極的に学習して一生懸命行えば、WebサイトのUXレビューを行うことは、デザイナーとして成長する素晴らしい機会になるでしょう。

レビューを実行する

UXレビューの目的は、サイト全体をすみずみまで見直して改善点を見つけることです。これらの改善点には、明らかなものもあれば、小さなものもあるでしょう。しかし、すべてサイト全体を改善させるために必要なものであるべきです。

まず客観的な動向を調査し、アイデアを裏づける統計データを見つけることを目指しましょう。デザイナーは、数量的な思考に基づいて行動する人間ではないかもしれません。しかし数量的な視点は、優れたUXレビューには必須です。

曖昧な意見や個人的な感覚などは極力避けるようにしてください。代わりにユーザーのフィードバックを収集し、ユーザー数の動向を調べることで、問題点がどこにあるのか、なぜ問題が発生するのかを明らかにするためのアイデアを集めましょう。

この作業は、以下のような手段を通して行えます。

それぞれの手段から、同じWebサイトを調査するための、異なる視点を手に入れることができます。UXレビューによって、サイト全体を改善することもできれば、高い直帰率や登録率、ページでの滞在時間などの、特定のタスクに焦点を当てることも可能になります。

個人的なプロジェクトの作業の場合は、自分で指標を設定できます。しかしクライアントのプロジェクトの場合は、クライアントの協力が必要になります。なぜなら、その企業が改善したいと思っていることを知る必要があるからです。

レビューの実行方法や収集するべき情報の量は、クライアントによって異なります。企業規模が大きいほどより多くの情報が必要とされ、全員の目的を1つの大きな戦略の中に組み込むことが求められるでしょう。

UXレビューの最初の段階は、何よりも情報収集です。十分な量の一次データを確保できたら、傾向を特定する作業を始めることになるでしょう。そしてこれらの傾向から、直面している課題を解決するためのインサイトを導くことができます。

具体的な目標を設定する

いくら自問自答し続けても具体的な結論に達しないのはよくあることです。しかし具体的な目標があると、必然的に特定の指標を調査することになり、具体的な結果を得るために解決策を探ることになります。

目指すべき目標と、それが何を意味するのかを考えてください。高い直帰率は、人々が訪問した最初のページで去っていることを示します。しかし彼らはしばらくページにいたのでしょうか? そうであるならば、おそらく彼らは必要な情報を見つけてから去ったのでしょう。

しかし、それがランディングページだとしたらどうでしょうか? その場合、ユーザーは興味を引かれかったので立ち去ったのです。なぜ引かれなかったのでしょうか? 恐らく、単純に登録のCTAを見つけられなかったか、そのページが何のために存在するのか理解できなかったことが原因でしょう。

計画段階での作業は、単なる目標設定だけではありません。以下のようなポイントも探ることになるでしょう。

  • 問題点は何か? 複数ある場合もあります。
  • なぜその問題が存在するのか? 原因は何か?
  • 求めている最終結果は何か?
  • 現在の状態から問題を解決する状態まで、どのように移行するのか?

これらの段階を何度も繰り返すことで、新しい問題点が見つかるでしょう。それらに対してソリューションを探し、いよいよテストを行うことになります。真に完璧なプロジェクトは存在しないので、最適化できる部分はつねに存在するはずです。

もう1つの段階が、ターゲットの閲覧者に当てはめる、信頼性のあるペルソナを作成することです。

ペルソナとは、特定の目的を持ってWebサイトを訪問するユーザーグループで、市場セグメントのようなものです。また、これらの大雑把な顧客層の中には多様に異なる目的があり、UXデザイナーはそれぞれの目的をサポートしなくてはなりません。目的を差別化するために、ペルソナに合わせたフリー画像を探すことさえあるでしょう。

目標を考えるときは、サイトのもっとも典型的なユーザーを参考にすると便利です。ペルソナを活用すれば、ユーザーの理論的な考え方を深く理解して、ユーザーの視点からサイトを見ることがより簡単になります。

しかしペルソナは大変曖昧な存在であり、現実的な価値を得られるものではありません。ペルソナは慎重に利用し、使うのが有益な状況を見つけましょう。

また、ほかのデザイナーやプロジェクトリーダーとアイデアを共有して、フィードバックを収集するようにしてください。UXレビューの結果がより正確な指標につながるように、目標はKPI指標と合う必要があります。

課題を特定する

これは恐らく、レビューの中でもっとも面白く、皮肉なことにもっとも退屈な段階です。

目標が何かわかったら、Webサイトに飛び込んで課題を探しましょう。すべてのページをさっと試験的に操作してみたり、「典型的なユーザー」を真似して自分自身で目標を設定してみたりすると思います。

課題を特定したら、それをスプレッドシートや自分の好きなシステムの中にまとめましょう。重要度によってそれらの課題を整理して、もっとも深刻なものから対処してください。

私はJakob Nielsen氏の重要度評価のガイドラインをおすすめします。というのも、ほとんどのUXのコミュニティで利用されているものだからです。この手法では、0(問題なし)から4(深刻なユーザビリティの問題)までの、5段階の評価を行います。

  • 0=ユーザビリティの問題がまったく見当たらない
  • 1=表面的な問題:余った時間がなければ対処する必要性はない
  • 2=小規模な問題:対処すべき問題だが、もっとも優先順位は低い
  • 3=大規模な問題:できるだけ早く対処すべき重要な問題
  • 4=致命的な欠陥:とっくに修正されていなければならない問題

これらの基準で課題を評価します。また、解決の難しさで順位をつけても良いでしょう。

解決策が明確であり15分程度のコーディングで済むような場合は、時間がかからない修正点です。一方、ほかのデザイナーとブレインストーミングを行う必要があり、解決策を見つけるのに数日かかるような場合は、より詳細な問題です。

つねに簡単な修正点を探して、すぐに直すようにしましょう。こうすることでやる気の低下を防ぎ、実際に成果を出していると実感しやすくなります。

すべての課題に明確な解決策が見つかるわけではありません。多くの問題は、解決のために何度も頭をひねることが要求されるでしょう。しかし、すべてを一度に解決しようとしてはいけません。

最初にUXのすべての問題点を整理することで、より簡単に対処することができるでしょう。

正しいソリューションを見つける

UXレビューでもっとも大変なのが、それぞれの問題に対してもっとも優れたソリューションを見つけることです。しかし基本的にはそれが、UXレビューの真骨頂です。

最適なソリューションは万人の共通認識から見つかることが多いです。ほかのWebサイトを研究して、そのサイトで問題がどのように解決されているかを見たり、ネットでケーススタディを調べたりしましょう。ページの滞在時間を増やしたいというよくある課題に直面している場合は、ほかの人も同じ問題を抱えていて、彼らの多くがネットでソリューションを提供していると考えたほうが良いです。

また、テストを行う余裕があれば、ユーザーテストを実施しましょう。できるだけ多くの情報を集めるために、ヒューリスティック評価を設定した簡単なテストを用意してください。デザインには客観的な視点が必要です。そうすることで、新鮮なアイデアを思いつけるような新しい認知を獲得できます。

テストをして、実装して、結果を測定して、もう一度テストしましょう。UXは色々な意味で科学的です。そのため科学と同じように、テストは繰り返すべきものであり、正しく機能していることを知るための唯一の方法は、実験してみることなのです。

このプロセスの最中、何か疑問に思うことが必ず生じるでしょう。専門家でも、ときには行き詰まることもあります。

チームではなく1人で作業している場合は、途方もない作業に思われるかもしれません。しかしインターネットとは、アドバイスを共有しようとするコミュニティであふれた巨大空間だということを忘れないでください。

UXを専門にする優秀なサイトは数多くあります。特に以下のものは、私が質問を聞くのにお気に入りのサイトです。しかも、全部無料です。

まとめ

もしUXレビューを初めて行う場合は、小さなことから始めて段階的に作業を進めましょう。わからないことがあればネットで検索して、つねに確実に目標に向かってください。

プロのUXデザイナーはUXレビューを行うのに何年も費やしており、UXレビューは彼らの習慣のようになっています。UXレビューには、批判的思考と現実世界の問題を解消するソリューションがつねに求められます。この記事が、UXレビューを始めるきっかけとなることを願います。そして、すべてのデザイナーが素晴らしいUXレビューの価値に目を向けようになれば幸いです。


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2017/12/05(火)
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