ユーザーテストを改善する10の簡単なヒント

Nick Babich

Nickはロシアのセントピーターズバーグ出身のソフトウェアデベロッパー/ブロガーです。彼による他の記事はこちらをご参照ください。

この記事はNick Babichからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

10 Simple Tips to Improve User Testing

テストの実施はUXデザイナーの仕事に欠かせないものであり、あらゆるUXデザインプロセスの中心となるものです。テストは、設計段階では予想することのできなかった問題や、ユーザー側の使いづらさを解決することができる素晴らしい方法です。

1. できるかぎり早い段階でテストを行う

テストを行う段階が早ければ早いほど、簡単に修正を行うことができます。その結果、テストが最終的な製品の品質に及ぼす影響は大きくなります。

ヒント:

  • 製品の完成を待つ必要はありません。デザインモックアップや、機能が未完成で、忠実度が低いプロトタイプであっても、参加者にテストの必要事項を説明できる限り、そのテストは実行することが可能です。テストを行うべきユーザータスクが決まったら、デザインの検証を始めましょう。
  • ゲリラ・ユーザビリティーテストを取り入れましょう。プロトタイプが完成したら、オフィスを出て、少しでもターゲットユーザーに似た人を見つけてテストを開始しましょう!

2. テストの目的を要約する

テストの目的を明確にしましょう。回答が必要な質問だけを尋ねてください。ユーザーテストを始める前に、次のことを自分自身に問いかけましょう。

「このテストで私は何を知る必要があるのか?」

そして、自分が知る必要があるものを理解したら、その目的を念頭においてアンケートや調査を作成しましょう。

3. 自由回答形式の質問をする

選択回答形式の質問では、回答の選択肢が「はい/いいえ」の2択、またはそれ以上の数に限られてしまいます。自由回答形式の質問では、あなたが考えもしなかったことを発見できたり、顧客の考えを理解することに繋がります。

4. デザインを動的なプロセスと捉える

多くのデザイナーはデザインプロセスについて、ユーザーリサーチに始まり、プロトタイピングを行い、最後はテストで締めくくるという線形のプロセスとして考えています。しかしながら、デザインは動的なプロセスとして考えられるべきです。

定期的なユーザーフィードバックはUXデザインプロセスの中核であるべきです。

プログラミングやデザイン、要件の取りまとめと同様に、製品の設計および開発を繰り返し行う中で、テストに所定の場所を設ける必要があります。利用可能なリソースがある場合、各プロセスの合間にユーザーテストを行うことが重要です。

5. 実際のユーザーでテストする

実際のユーザーへのテストを元にデザインを検証しましょう。テストは家族や友人だけでないユーザーに実施しましょう。テストには独立した公平なユーザーが必要です。

ヒント:

テストでは、最悪のシナリオに備えることが重要です。たとえば、製品について何も知らないユーザーやオンボーディングの途中で気が散ってしまったユーザーが製品を使う場合のユーザー体験はどうなるでしょうか? そのようなユーザーが製品を使用するのを観察することで、アプリ内の難しくてわかりにくい箇所を素早く特定できます。

6. ユーザーをタスクに集中させる

ユーザーにタスクを設定する際、製品についてどう思うか尋ねたくなったり、各要素について点数をつけてもらいたくなります。しかし、ユーザーに実施してもらいたいタスクを書き出す方が良いでしょう。それにより、その瞬間における自然なフィードバックを得ることができます。再設計したWebサイトのホームページをテストする場合の例は、次の通りです。

  • 悪い例:私たちのWebサイトについてどう思いますか? Webサービスの使いやすさは、次の10のうちどれに当てはまりますか?
  • 良い例:ホームページを開いた時、最初にどこをクリックしようと思いましたか?

7. 行動を観察する

ユーザーの話に耳を傾けることと、観察することの違いを明確にすることが重要です。どちらもUXデザイナーにとって有益な情報をもたらす手段ですが、多くのUXデザイナーは耳を傾けることを重視し過ぎてしまいます。ユーザーを観察することで、非常に少ない時間でより多くのこと発見できます。

8. チーム全体をプロセスに参加させる

テストのイベントに、製品チーム全員を参加させることが重要です。ユーザーを観察する機会を設けることで、チーム全体がユーザビリティ上の問題を理解したり、ユーザーに共感するのに役立ちます。

ヒント:

  • チーム全員がテストのセッションに参加することが不可能な場合、テストのセッションのビデオを録画し、チームのメンバーと共有しましょう。
  • テストに参加した全員がメモを取り、感じたことや学んだことを記録させましょう。一日の最後に、これらのメモを記録し要約することが必要です。

9. 量よりも質を考慮する

費用や時間がかかり過ぎることを恐れて、製品のテストを一切行わなかったり、製品を発表した後にテストを行ったりする企業が多く存在します。しかし実際のところ、テストを行うのに膨大な時間や費用は必要ありません。NNGroupの研究で、次のことが明らかになっています。

5人のユーザーにテストを行えば、ユーザビリティの問題の85%が明らかになります。

ですから、必ずしもたくさんユーザーを集めて大規模なテストをしなければいけないわけではありません。何人かのユーザーを1グループにまとめ、プロトタイプなどに触れてもらいながら1対1で対話していけば、十分ユーザーテストは成り立つのです。

※編注:11/27 加筆・編集しました

10. 一度にすべてを解決しようとしない

一度にすべてを解決しようとすることが不可能なのは明らかです。その代わり、最大かつ一番重要な問題を修正し、再度テストを行いましょう。もっとも優れたテストとは、できる限り問題を解決し、製品をユーザーに届けてフィードバックを集め、その使い方を観察し、そしてその結果に応じて繰り返し行うことです。

結論

テストは避けては通れないものです。単純なテストの繰り返しが、製品アイデアの成功を左右するからです。そのため、

より早く、より多くのテストを行いましょう。


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