デザイナーから学ぶ、1枚の紙とペンで企画アイデアを整理する方法

三瓶 亮

UX MILK編集長/プロデューサー。ガラケーの時代から様々な形でモバイルコンテンツ制作に関わる。パンクロックとゲームが好き。[Facebook]。

企画がうまくまとまらない、または伝わらない、なんて経験は過去にありませんか? 「企画を考える」というタスクは数多くある仕事の中でも掴みどころのないもののように感じませんか?

今回はオンライン学習プラットフォームUdemyの中でも人気の講座から、企画の発想・整理の手法を学んでいきたいと思います。この記事では要点をかいつまんで紹介しますので、詳しく知りたい人は講座の本編を受講してみてください。

企画を「1枚の紙」にまとめてみる

今回取り上げるのは「〜デザイナーの頭の中、大公開〜 企画を「1枚の紙」で、伝えきる」という動画講座です。

トリプレットデザインの大森 剛氏が講師に立ち、企画を考えるときに気を付けるべきことやマインドセットのレクチャーや、実際に企画をまとめるワークなどを行います。

 

講師:大森 剛氏
1976年生まれ。2001年岡山大学環境理工学部卒業、有限会社オフィスティを経て、2005年有限会社トリプレットデザイン設立。大手企業のブランディング、広告・商品のコンサルティング、企画および制作に従事。日本グラフィック協会会員。東京タイプディレクターズクラブ会員。

ワーク自体はUXデザインやデザインシンキングのようないわゆる「コトのデザイン」なのですが、決して難しい言葉を使うことなく、誰にでもわかるように説明しているので、どんな職種の方でも参考になると思います。

企画をまとめるときのコツ

この講座では実際のワークに入る前に、まずは基本的な考え方のレクチャーがあります。その中でも個人的に重要だと思ったポイントを抜粋します。

自分自身も共感できるようなものにする

UXデザインなどに携わっていると特にですが、ユーザーの声を聴きすぎてしまったり、データを参照しすぎたりし、自分だったらこうするというところから離れてしまうことがあります。企画に説得力を持たせるために、自分の経験や感覚もきちんと反映するのは大事です。

「そもそも」と何度も自問自答する

企画をまとめていく中で常に「そもそもこれって…」と自問することが大事です。「そもそも私が欲しいと思えるか?」や「そもそも解決する課題はこれでいいのか?」など、原点に立ち返るような問いは、フレームワークにとらわれないためにも重要です。

実際に書いてみた

この講座の後半では、ケーススタディとして大森氏が一般の方と演習を行い、大森氏が実際に請け負った案件を基に企画を考えていきます。画面の前の視聴者も一緒に取り組めるようになっているので、私もやってみた様子をレポートしていきたいと思います。

課題:10,000円の植物標本を売る

3つあるうちのケーススタディの一つは、とあるブランドの高価な植物標本の売り方を考えるというものでした。

この商品は一個一個ハンドメイドで、緻密な作成工程を経て作られるものなのですが、パッと見のユーザーには価値が伝わりにくい商品です。これを10,000円でユーザーに違和感なく買ってもらうにはどうしたら良いでしょうか?

自分も一緒に進めていけるようになっているので、私が書いたものをベースにそのステップを紹介します。

①発信者・サービス・ユーザーの関係図を書く

まずはファクト整理です。紙を「現在」と「未来」、半分で分け、発信者、サービスや商品、ユーザーを描き、どういうフローで商品やサービスが提供されているかを示します。現状の課題として、ユーザーは買うのかわからないので、買う矢印にはハテナを付けています。

②ユーザーの思惑を書く

ユーザーにどう思って欲しいか、またその背景・思惑を書きます。ユーザーには「欲しい」と思って欲しいので上の吹き出しに書きます。

また、下にもう一つ点線の吹き出しで、10,000円の商品を欲しいと思うタイミングとはどういうときかを書きます。私は「今しか買えない」「ここでしか買えない」状況なら、10,000円払う人もいるのではないかと考えました。ここは自分の感覚で大丈夫です。

③発信者側の強みを書く

発信者(または商品・サービス)の強みを書いていきます。このプロダクトは動画によると、重厚感や高級感があり、一つ一つ手作りで一点ものであること、またラベル部分は活版印刷で作られているそうなので、明記しておきます。

④どうなったらよいか、サービスの未来を書く

右側の「未来」サイドに商品をもう一度描き、ユーザーとサービスの強みを照らし合わせつつ、どうしたらユーザーの思惑をかなえられるかを考えます。

実際の講座動画の方とかぶってしまったのですが、「海外の旅行者が桜など、日本しかない植物の標本を思い出に持ち帰る」というシナリオならば10,000円でも買ってくれるのではないかと考えました。ユーザーが「海外の旅行者」に定まったので、真ん中のユーザーにも明記しました。

⑤サービスが持つ強みやユーザーの思惑と一致するか確認

出した未来のデザインアイデアをユーザーの思惑や、サービスの持つ強みと照らし合わせ、検証します。出したアイデアだと、どちらも叶えてくれそうなアイデアなので、ここからより具体的な施策を導くことができそうです。

・・・

私からの紹介はここまでとしておきますが、講座動画では具体的な施策案や、それを実際に大森氏がデザインまで落とし込んだ例なども見られます。

講座、というよりTV番組を見ている感覚で楽しく視聴できます。

まるでその場で一緒に考えているかのようにプロのデザイナーの思考を体験することができます。

この講座でよかったこと

講座を終えてみての総括としては、誰にでもわかりやすくデザインシンキングを体験できるワークだと感じました。紙1枚とペンで、手軽に実施できるので、企画や課題に対する解決を整理したいときにこの先も使える手法だと思います。特に良いと思った点は以下の3点です。

1.企画案を俯瞰的に整理・検証ができる

発信者(この場合はクライアント)、商品やサービス、そしてユーザーとそれぞれプロットし、それぞれの思惑や強みなどを書くことで、思いついたアイデアを俯瞰的に検証できるのがすごく良いと感じました。

2.自分の経験や感覚から始められる

このやり方ではまず自分が「ユーザー」として、自分の経験や感覚ベースで考えていきます。その過程の中で、もっと違うユーザー向けのほうが良い可能性が出てきた場合、別の紙にもう一枚、ユーザーを変えて書いていきます。いきなり他人の意見を代弁するのではないので、取り組みやすいと思います。

3.がちがちのフレームワークではない

動画講座内のケーススタディは3つありますが、ファシリテーターの大森氏は状況に応じて自由にレイアウトなどを変えていきます。空欄を埋めていくようなフレームワークではなく、あくまで俯瞰的に企画を整理するためのガイドとして使えると良いと思います。

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かいつまんでご紹介してきましたが、「〜デザイナーの頭の中、大公開〜 企画を「1枚の紙」で、伝えきる」はオンライン学習プラットフォームUdemyで視聴することができます。

講座内容としては

・講義:1枚の紙で構想をまとめるための「3つのヒント」
・実演:3つの実践型のケーススタディ

と大きく2部構成になっており、紙とペンを片手に一緒にやってみると良い発想のトレーニングになるかと思います。

3時間程度の講座ですが、1.5倍速で試聴も可能なので、忙しい方にもおすすめです。是非動画を見つつ、自分の手もうごかしてみてはいかがでしょうか?

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Udemyとは

Udemy(ユーデミー)は、世界で1,700万人が利用する世界最大級のオンライン学習プラットフォームで、日本ではベネッセコーポレーションが事業パートナーとして2015年から協業を開始しているサービスです。

Udemyのおすすめポイント

  • 講座の種類が豊富でITやデザインを学べる講座が多い
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  • 講師に掲示板で直接質問ができる

他にも「Sketch3」や「基礎写真講座」など読者向けの講座が多数あります。以前UX MILKでも紹介したこちらの記事も参考に講座を探してみてください。


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2017/12/05(火)
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