クライアントにUXの価値を理解してもらうための10のヒント

Interaction Design Foundation

Interaction Design Foundationはグローバルにデザインレベルの向上を目指す、デンマーク発の非営利団体です。

この記事はInteraction Design Foundationからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

10 Ideas to Help You Sell UX Work (2017-10-29)

UXの重要性は、私たちの誰もが知っています。Googleもまた然りです。しかし、UXの仕事を売り込むとなると、その重要性を誰もわかっていないように思えます。その証拠に、クライアントや同僚にこの仕事をプレゼンすると、彼らは難しい顔をすることが多いです。

クライアントにより優れたサービスを提供し、私たちの仕事の価値を理解してもらうにはどうしたらいいでしょうか? 今回はUXの仕事をもっと上手に売り込むための10のヒントを紹介します。

1. 重要なのはあなたやユーザーではない

あなたが仕事に取り組むとき、その仕事はユーザーのためにほかなりません。しかし、その仕事を売り込むときは違います。人に何か売り込むときは、売り込む相手のニーズに応える必要があるのです。時間をかけて、相手と同じ立場になり、同じ視点で物事をとらえければなりません。その人が体験している苦痛を和らげるか、彼らの知名度を高めるような仕事にすることが目的です。

ただ、クライアントはプロセスのどこかであなたやユーザーを気に掛けることもあるかもしれませんが、だからといってそれが理由で契約に結びつくわけではありません。

2. 手法を吟味する

事実や数値はビジネスケースを裏付けする上で優れた方法です。しかし、人間味なく事実や数値を無限に羅列すると、聞き手は興味を失ってしまいます。そのため、プロセスはウィットや魅力に富んでいなければいけません。あなたの好感度が高まれば高まるほど、クライアントを簡単に虜にできます。情熱は解き放たれれば伝搬するものです。「ステーキを売るな、シズルを売れ」とよく言いますが、個人的な小さいシズルも無ければシズルも売れません。

3. 環境を活用して前宣伝をする

人目を引くアクセスしやすいスペースを作って、過去のUXデザインの仕事を貼り付けましょう。そして、そのときの出来事とその原因、努力の成果を分析してください。クライアントはあなたの仕事を理解すると、より質問しやすくなります。多くの人の視線を感じる状況の中で、20分以内にすべてを売り込むことはできません。ときには段階的に説明することも、人を説得することに繋がります。

4. 別のクライアントを利用して売り込む

販売プロセスにおいて、満足度の高いクライアントの口コミ以上に説得力のあるものは存在しません。過去に行った事例をケーススタディとしてまとめ、新たな提案と一緒に配布しましょう。過去のクライアントの発言を忘れずに引用し、必要なら引用元も付与して、あなたを雇うべき強力な理由をクライアントに与えましょう。過去の実績は必ずしも将来の実績を約束するものではありませんが、取引の度にゼロからスタートするよりはずっと効率的です。

5. 明確で柔軟なプロセスにする

計画のインプットとアウトプットを明確に示すことで、クライアントが得られるものや、そのプロセスに投資すべき理由を理解しやすくなります。しかし、プロセスはクライアントのニーズを満たすためのものであることを忘れてはいけません。

クライアントのニーズが変わり、その変更が理にかなったものであるなら、ニーズを反映したプロセスに変更できるようにする必要があります。プロジェクトが進行中であっても、恐れずにプロセスを変更して、クライアントの同意を得ましょう。戦場での計画は最初の戦闘後は機能しなくなると言いますが、これはUXの計画においても同様です。

6. クライアントに合わせたドキュメントや成果物

ドキュメントや成果物は、クライアントによって効果があるかないか分かれるかもしれません。新しいクライアントのニーズに合わせて、手渡しできるサンプルを用意しましょう。綿密な報告によって詳細を知りたいクライアントもいれば、漫画のような軽いものを好むクライアントもいるでしょう。相手に合わせたドキュメントや成果物は、強力なセールスポイントになります。

7. 思い込みの危険性

思い込みは全ての失敗の元です。先入観や思い込みで物事を進めると、大恥をかいてしまうものです。販売会議で重要なのはクライアントの望みを理解することです。推測は立てるべきですが、クライアントときちんと共有し、それがクライアントも望むことかどうかをしっかり確認しましょう。

これは仕事を売り込む際には関係ありませんが、あとになって恥をかくことを避けられるでしょう。専門知識はクライアントの問題を解決する上でもっとも役立ちますが、たとえ以前に対処した問題と似ていたとしても、問題が完全に同じことはなく、クライアントはまったく異なる結果を望んでいる場合もあります。

8. わずかな恐れを利用する

クライアントに、プロダクト開発の最後でうまくいかなかった場合に何が起きるかを考えてもらわねばなりません。クライアントの業務やビジネスなどには、どんな影響がありますか? 提示したソリューションが大きな問題の発生を防ぐことに繋がるなら、クライアントが取引を決意する可能性は高くなります。

企業にとって、大規模な仕事の発注は、些細な物品を購入するよりも大きなリスクです。こうしたリスクへの理解を示すことで、そのリスクに対処できる人だという信用を高めることができます。

9. 相談にはたくさん乗り、話すのは控える

見込み客の相談に乗れば乗るほど、彼らを心から理解することに繋がります。質問するのは良いことですが、黙ってクライアントに話をうながすのも同様に大切です。2つのバランスを取るのは難しいですが、さもなければ販売プロセスはいつまで経っても終わらないでしょう。一般的に、ほとんどの販売員は話し過ぎで、相手の話をまったく聴かない傾向にあります。どんな種類の質問をすべきかわからない場合は、Neil Rackham氏の素晴らしいSPIN式販売戦略の書籍をご覧ください。

10. データを使ってできる限り要点を裏付ける

統計、図、グラフ、引用などは、議論により説得力を持たせます。クライアントが不安に思っていることがある場合、同じ不安を感じている人がほかにも存在することを示すべきです。これは、競合他社との大きな差別化要因になります。多くの販売員は、何の証拠もなく大口をたたきます。持ち合わせていない証拠は、会議が終わったあとにいつでも送りましょう。また、裏付けるデータがない場合に備え、不確かな事実は提供しないようにしましょう。

まとめ

仕事を売り込むのは、売り方を知らなければ難しいことがあります。前述のヒントを見れば、不安を感じずに、クライアントに提供するものに集中して取り組むことができるでしょう。結果的に、売上の増加とクライアントの満足に繋がるはずです。