ケーススタディ:Talkspaceのモバイルアプリ

Sean McGowan

Sean氏はCodalの技術研究者であり、UXデザインからInternet of Thingsなどのトピックに関するブログ記事を書いています。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

UX Case Study: Talkspace Mobile App (2018-02-13)

2018年に進歩が期待されるすべてのデジタルイノベーションの中で、おそらく遠隔医療は特に重要なものでしょう。通信端末による医療サービス管理と定義されている遠隔医療は、スマートフォンを持つすべての人により良く、より安く、そしてよりアクセスしやすい医療を提供します。

前回の人気のモバイルプラットフォームZocdocを検証した記事が好評だったので、Codalはパーソナルヘルスケアアプリの分析を続けることにしました。そして、UXの視点を鍛えるために、今度はもっとも人気がある遠隔医療アプリの1つであるTalkspaceの分析をしようと考えました。

2012年に設立されたTalkspaceは、遠隔心理療法を提供する有資格のセラピストやカウンセラーとユーザーをつなぎます。良いセラピストを探したり、予約を入れる必要はありません。アプリは適切な専門家とユーザーをつなぎ、電話やビデオ、音声、またはアプリ内チャットを通じてすべての治療が提供されます。

昨年、Talkspaceは、50万人のユーザー1,000人以上のセラピストが登録していると発表しました。この遠隔医療のプラットフォームは大きな成功を収めています。そこでiPhone 7の最新版をダウンロードして、モバイルユーザー体験を提供しているか確かめました。

オンボーディング

直近の病院への通院について考えてみてください。セラピストでなくても、医療専門家であれば構いません。あなたは待合室でどれくらい座っていましたか? 受付用紙は何枚記入しなければいけませんでしたか? 現実であってもデジタルであっても、あらゆる医療プロセスの導入部分は、患者を悩ませる傾向にあります。

ところが、TalkspaceはDuolingoのケーススタディでも見た戦略をうまく使うことで、オンボーディングの落とし穴を回避しています。オンボーディングをよりわかりやすいセグメントに分割してからユーザーに段階的に提示し、ユーザーがオンボーディングする理由を説明しながら戦略をユーザー体験のあらゆる部分に織り込んでいるのです。

この戦略の詳細を説明する前に、Talkspaceの最初のサインアップ画面を見てみましょう。

Talkspaceは、ユーザーがスワイプする3つの画面を提供しています。画面の違いは、それぞれのコピーと色だけです。余計かもしれませんが、上の3つのページはApp Storeのリストのスクリーンショットとして適しているでしょう。App Storeではプロモーションの役割を果たし、ユーザーにTalkspaceのダウンロードを促すことができます。しかし今回の場合、私はすでにアプリを手に入れているので、大部分が重複した情報となり、高いインタラクションコストのように思えます。

残りのサインアップ画面は定型的なものです。良く練られたコールトゥアクションが強調されて表示されており、さらにログインボタンもあります。セラピストの名前と写真を盛り込むことで、アプリに人間味を持たせるのに役立ち、治療が人間と行われるということを伝えます。このプラットフォームは、アプリが単なるパイプであり、画面の向こう側には資格を持つ専門家が実際にいるということをユーザーに気付かせる必要があります。

私は 「セラピストと話す」を押して、素晴らしい最小限のオンボーディングプロセスを開始しました。3つのスクリーンそれぞれにフォームがあり、余計な装飾はありません。

オンボーディングでは、Talkspaceのログインページで使用されているような「横ドット」の使用をおすすめします。ユーザーがスワイプしなければならない画面数を表示し、最初の導入部分がわずか3画面であることをアピールしましょう。

おそらく、これが実際に治療を受けているように複雑なプロセスにおける、唯一のオンボーディングではないことに気付いたでしょう。正解です。まだ個人情報や保険申請、そしてもちろん、心理療法を求めている理由など、ユーザーがいずれは我慢しなくてはならないであろう多くのフォーム記入タスクがあります。

しかし、アプリを進んでいくうちにわかりますが、Talkspaceはユーザーがアプリに没頭するまで特定のタスクを先延ばしにすることで、ユーザーがフォーム入力を我慢しなければならないという問題を解消します。自分のニックネームを入力して「次へ」を押すと、ホーム画面が表示されます。

チュートリアル/ホーム画面

アプリを気に入り始めたタイミングで、ひどいポップアップが表示されて邪魔をしてきました。チュートリアルを必要としている時点でそのアプリはすでに失敗している、という古いUXの格言を聞いたことがあるでしょう。アプリが複雑で手短な説明が必要な場合もありますが、今回はそこまで言及するつもりはありません。そうは言っても、Talkspaceは必要のないチュートリアルを表示しているので、いらついてしまいます。実際、アプリ全体の機能を3つの画面にまとめているにも関わらず、チュートリアルは4画面もあるのです。

個人的に、この種のトレーニングは不要だと思います。これらのチュートリアル画面では、左右にスワイプしただけでユーザーが見つけられない情報はありません。より良い方法は、シンプルなテキストオーバーレイを使用するなどして、スワイプが可能であるとユーザーに知らせることです。試してみると、「ジャーニー」と「セラピスト」画面の目的が明らかになります。もう少し掘り下げてみる前に、Talkspaceのホーム画面を見てみましょう。

主にテキストメッセージのやり取りのためだけなので、Talkspaceのホーム画面は非常にシンプルです。メニューやフィードのすべての外観は、iMessageである会話を開いたときに表示されるのと同じインターフェースに置き換えられています。ユーザーが慣れ親しんだ方法を使用することについて話していきましょう。Talkspaceはホーム画面をすべてのスマートフォンユーザーが知っている構造に解体することで、ユーザーの親近感を極限まで引き上げています。

私はインターフェイスがあなたのチャット画面のコピーであると言っているわけではありません。確かにTalkspaceは、インターフェイスに独自のスタイル選択をしています。フラットデザインの学校で習うティールカラースキームと図像という選択です。メッセージのフォントは読みやすく、私の 「相談するセラピスト」であるHolli氏は、温かくフレンドリーなユーザー体験を提供します。私は彼女がAIだったと思っていましたが、セラピスト画面にスワイプしたときに彼女が実在する人間であることがわかりました。Talkspaceのような遠隔医療プラットフォームにおいては良い兆しです。

ジャーニー/セラピスト画面

左にスワイプして簡単にアクセスすることができるセラピスト画面には、画面の向こう側にいる人の比較的包括的な概要が記載されています。また、セラピスト画面と同様にアクセスしやすいレビュー機能も提供されています。

Talkspaceはプラットフォームを人間化し、ユーザが遠隔医療に対して抱く可能性のある不安や疑念を払拭するというデザイン選択の戦略を引き続き行っています。画面には、Holli氏の所有する資格や彼女の得意分野、助けたユーザーの数、空き情報、そして素敵な「Talkspace認定」アイコンが含まれています。これは、ユーザー体験において永久的な役割を果たす、上手にデザインされた主要な画面です。

視覚的に面白いジャーニー画面は、ホームページを右にスワイプすることでアクセスできます。

ジャーニーの画像をタップすることで、ユーザーは自分の治療とメンタルヘルスのマイルストーンの進行を見ることができます。このレイアウトは、ホーム画面上にある最小限のアイコンを拡張する一方で、アプリケーション内のいたるところで使用されているティールと白の2トーンのカラースキームに、少しの変化も加えています。

まとめ

無関係な画面や、インタラクションコストに関して多少不釣り合いな構造がありました。しかし、Talkspaceの全体的なユーザー体験は、今後の遠隔医療プラットフォームのための模範的なテンプレートを提供しているでしょう。

さらに言うと、ユーザビリティはセグメント化されたオンボーディング、最小限の画面、そしてわかりやすいUIデザインを通して達成されています。しかし、私はTalkspaceのユーザビリティの本質は、結局のところその明確なスコープであると主張します。このアプリはユーザーをセラピストとつなぎ、高品質の医療を遠隔管理するとために用意されています。このミッションで、テキストメッセージを送信したことのある人なら誰でも親しみのある必要最小限のホーム画面へと磨き上げることができます。

遠隔医療アプリケーションは、急成長を遂げる一方でまだ初期段階にいます。しかし、Talkspaceのようなシンプルでユーザーフレンドリーな体験は、テクノロジーが医療をディスラプトしつつあることを証明しているのです。