これから2つのストーリーをお伝えします。各ストーリーの最後に簡単な質問がありますので、是非考えてみてください。
ストーリー1
あなたは新宿駅にいます。 友人の結婚式に参加するために、表参道に向かわなければいけません。 あなたは、ふとこう思いました。 「表参道って新宿から比較的近いけど、案外どうやって電車で行けば良いのか分からんもんやな」。 そこで、あなたはスマホを取り出し、あるアプリを起動させました。
さて、あなたは何のアプリを起動させましたか?
ストーリー2
あなたは休日に一人自宅でいます。 昼ごはんも食べ終わり、そそくさと洗い物も済ませ、ひと段落ついたところです。 あなたは、ふとこう思いました。 「夜には友人との飲み会があるけど、それまで暇だなぁ」 そこで、あなたはスマホを取り出し、あるアプリを起動させました。
さて、あなたは何のアプリを起動させましたか?
サービスを思い出す「きっかけ」
僕の超能力で、答えを当ててみせましょう。僕には全て見えます。ストーリー1では、「乗り換え案内」を起動させましたよね? ふふふ、全てお見通しですよ。そして、ストーリー2では…見えます、複数のアプリが見えます。「Facebook」「Twitter」「Kindle」「ソシャゲ」とか、いろんなアプリを起動させている姿が見えます!
はい、突然の超能力キャラで戸惑われたかと思いますが、ここでまた質問です。さて、ストーリー1と2で回答の数に違いが生じましたが、なぜその違いが生じたのでしょうか。30秒で考えてみましょう…考えましたか? 違いが生じる理由は、サービスを使おうとする「きっかけ」と、それに呼応するアプリの種類が異なるからです。
ストーリー1では、電車の乗り換えに困っているので、乗り換え案内を使います。ストーリー2では、暇になっているので、暇を潰せるものを使います。しかし、暇を潰せるものは、様々な手段が存在しているので、Facebook、Twitter、Kindle、ソシャゲなどの多様な答えが返ってくるのです。
このことから重要なポイントが挙げられます。
・ユーザーがサービスを使うきっかけが存在すること
・きっかけによっては、複数のサービスが思い出されること
・思い出された複数のサービスは、さながら選抜試験のように、1つに絞られること
あなたのサービスのリテンションを改善する質問
さきほどのポイントを踏まえ、リテンションを改善するのに役立つ質問があります。
1. あなたのサービスは、どういったきっかけで思い出されますか?
2. そのきっかけは、他にどんなサービスが思い出されますか?
3. その他のサービスと比べて、なぜ自分たちのサービスを使うべきですか?
あなたのサービスを思い出されるきっかけがそもそも存在しなければ、「たまたま」という奇跡を除き、継続して使ってもらうことは難しいでしょう。そして、複数のサービスが思い出されるきっかけであれば、あなたのサービスを使うべき理由がない場合、継続して使ってもらうことは難しいでしょう。
ちなみに、他のサービスはスマホ上のみではありません。例えば、乗り換え案内であれば、切符売り場の上にある路線図を見る、駅員さんに聞く、本で調べるなどが考えられます。それらのオフラインの方法とも比較をし、あなたのサービスを使うべき理由を考えてみましょう。
この質問を通じて、サービスのリテンション改善に役立ててみてください!