Operaの流れを汲む新ブラウザ「Vivaldi」を試してみた

三瓶 亮

UX MILK編集長。株式会社メンバーズ LXグループ所属。LX(ラーニングエスペリエンス)にまつわる新規事業立ち上げなどをしています。ゲームとパンクロックが好きです。 Facebook / Twitter

皆さんはWebブラウザは何を使用していますか? 問いかけておきながら調べてみると、ここUX MILKでは45%がGoogle Chrome、次点の38%がSafari、7%がFirefox、4%がIEと続くようです。かくいう私もGoogle Chromeを開いてこのエントリーを書いているのですが、最近「Vivaldi」なる新ブラウザの正式版がリリースされたとのこと。

ちょうど私のChromeが原因不明のエラーを起こしていることもあり、今回は満を持して正式版をリリースしたVivaldiの魅力とは何か、試してみたいと思います。

Vivaldiとは

Vivaldi」はOperaの元CEOのJon S. von Tetzchner氏が中心となって開発されている「Chromium」ベースのブラウザです。つまりベースはGoogle Chromeみたいなもので、Chromeのエクステンション(拡張機能)なども使えるみたいです。Win/Mac/Linuxのクロスプラットフォーム対応です(今回はMac版で試しています)。

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初回起動ではUIのカスタマイズのチュートリアルがあります。カラーテーマを設定できたり、タブを下部やサイドに持ってこれたり、数ステップで設定できるようになっています。カスタマイズ可能なツールは往々にして自由度が高すぎて難しくなりがちですが、Vivaldiはシンプルにとどめつつも選択肢の幅をもたせており、ユーザーフレンドリーといえます。

ビジュアル的にはマテリアルデザインに近いトーンで、Windows10とMacのちょうど中間を行くような、どちらにとっても違和感のないものとなっています。余談ですが、サイトのfaviconによってウィンドウの背景が変わる演出は最近のiTunesを彷彿させます。

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Vivaldiの特徴

Vivaldiは公式では「パワーユーザーのために開発された高機能ブラウザ」と謳っており、ネットをヘビーに使用する層に向けてデザインされたブラウザのようです。その特徴として挙げている機能のうち、他のブラウザにはないようなものをピックアップしてご紹介します。

類似したタブをスタックする

Vivaldiはたくさんのタブを開くユーザー向けにタブをまとめる(スタックする)機能があります。Windowsなどでも見かけるウィンドウをまとめる機能と似ていますが、スタックする方法は2つあります。

同じドメインのタブをスタックする

例えばUX MILKのページが4つ開いているとき、どれかのタブで右クリック(control+クリック)すると「類似したタブをまとめてスタックする」というオプションが現れます。

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こちらを選択すると、4つの同じドメインのタブがまとまったタブになります。

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上部には細いインジケーターで4つ分のタブが選択できるようになっています。

違うドメインのタブをスタックする

上記のように同じドメインではなくてもスタックはできます。command(WinではCtrl)を押しながらタブをクリックすると複数選択ができるので、選択した上でクリックメニューを出すと「選択したタブの新しいタブスタック」という項目が現れます。

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私の場合はゲームの攻略関連のサイトや動画をまとめておけそうです。

「Webパネル」でウィンドウを分割表示

Vivaldiは横にブックマークなどボタンを備えたサイドバーがあるのですが、この項目の一つに「Webパネル」というものがあります。

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こちらをクリックするとURLを入力できるようになっており、サイドに入力したURLの小窓が現れます。

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個人的にはWebデザインがレスポンシブにきちんとなっているかの確認をするためにしばしばウィンドウの幅を狭めることがあるのですが、他のウィンドウまで小さくなってしまわなくて便利です。

今回このパネルはたまたま幅が小さくモバイルサイズになっていますが、Vivaldiは柔軟な画面分割にも対応しているので、使いようによっては便利だと思います。

クイックコマンド

command+E(WinではCtrl+E)でクイックコマンドというポップアップが現れます。こちらではタブの操作やその他のコマンドを打ち込むことが出来ます。

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キーボード上で一通りのナビゲーションが完結できるという観点では今風なUIとも言えますが、いかんせんコマンドがわからないので、現状はタブ間のナビゲーションなどに活用されるイメージです。ナビゲーションに関する一つ一つのショートカット(タブ間の切り替えなど)を覚えないうちは使える機能かもしれません。

「メモ機能」でスクリーンショットなどを保存

サイドバーには「メモ」機能があります。

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正直このメモ機能を使うようなユーザーはEvernoteなどを使っていそうですが、利点としては左下に「+」アイコンからカメラアイコンをクリックできるのですが、こちらで簡単にブラウザ内のスクリーンショットが撮れますので、こちらは状況によっては有用です。

おまけ:ページをハックする「ページアクション」

ブラウザの右下には「ページアクション」と呼ばれるメニューがあり、ブラウザ側のハック機能があります。ページを白黒やセピアにしたり、3Dに傾けたり、いわゆるCSSハック的なことをすることができます。実際何に使用するのかは謎ですが、UX MILKが3Dで傾いたり、白黒で見るFacebookは少し新鮮でした…。

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まとめ

今後VivaldiはChromiumではなく、独自のエンジンを開発していくそうです。現状はベースがChromeになっているので、Chromeで拡張機能を入れれば実現できる機能も多いのが正直な所なので、エンジンベースでも差別化していけるといいですね。

個人的にはマルチディスプレイや高解像度ディスプレイの一般化に伴い、それらの環境変化に対応していくブラウザがもっとあってもいいと思います。なのでこうして今回もVivaldiを試してみました。

「友人たちのための新しいブラウザ」のスローガンどおり(この訳はどうかと思うのですが)、ユーザーに寄り添ったアップデートに今後も期待したいです。


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