Python には標準ライブラリと呼ばれる、高度な関数や機能をまとめたプログラム集が付属しています。この標準ライブラリには数学関数や日時データの取り扱いなどの機能が含まれており、高機能なプログラムを作成する際には必須となります。今回は、この標準ライブラリの使い方を説明します。
標準ライブラリのインポートと使い方
標準ライブラリをプログラム中にて使用するには「インポート文」を用いて、使用したいライブラリを読み込む必要があります。インポート文は「import ライブラリ名」として、使用したいライブラリを指定します。基本的には、プログラムファイルの文頭にて読み込むようにします。
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import ライブラリ名 |
数学ライブラリ「math」の使い方と機能
ここでは標準ライブラリの具体的な使い方の説明として、数学ライブラリ「math」をインポートし、数学関数を使用する例を示します。
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>>> import math >>> math.pi 3.141592653589793 >>> math.sin(1) 0.8414709848078965 >>> math.log(math.e) 1.0 |
1行目の「import math」でライブラリをインポートしています。この import 以降でライブラリの機能が使えるようになります。
math ライブラリに含まれる関数を使用するには「math.関数名」と記述します。「math.sin()」「math.log()」は三角関数 sin と、自然対数 log を計算する関数です。また「math.pi」と「math.e」はそれぞれ円周率 π とネイピア数 e を返す変数です。なお、変数は関数でないため括弧 () は付けません。また、 math ライブラリには他にも多数の数学関数が含まれており、科学計算や統計計算に使用することができます。
関数名 | 機能 |
math.exp(x) | ネイピア数 e の x 乗 |
math.pow(x,y) | x の y 乗 |
math.sqrt(x) | √(ルート)x |
math.cos(x) | cos x |
math.tan(x) | tan x |
math.degrees(x) | ラジアンを度に変換 |
math.radians(x) | 度をラジアンに変換 |
日時データの取得「datetime」の使い方と機能
datetime は年月日や日時を取得するための標準ライブラリで、簡単に現在時刻を把握することができます。以下に使用例を示します。
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>>> import datetime >>> date = datetime.datetime.today() >>> date datetime.datetime.(2016.6.21.13.59.29.443421) >>> date.year 2016 >>> date.month 6 >>> date.day 21 >>> date.hour 13 >>> date.minute 59 >>> date.second 29 >>> microsecond 443421 |
変数 date には、datetime に含まれる datetime.datetime.today() にて定義されたクラスが代入されます。このクラスには年月日から日時までのデータが格納されており、上の例のように year(年)から microsecond(ミリ秒)までの値を参照することができます。
詳しい使い方は「Pythonで日時の情報を扱う:datetime」の記事を参照してください。
まとめ
Python に付属する標準ライブラリはとても強力で豊富な機能をもちます。他にもファイル操作から GUI の作成まで、Python の標準ライブラリで実装することができます。