ポート開放とはネット対戦ゲームなど外部からのアクセスが必要なサービスを利用するために必要な設定なのですが、どのような点に気を付けて行えば良いのでしょうか。今回はポート開放のやり方と具体的な手順について説明していきます。
ポート開放とは?
ポート開放は正式には「ポート転送設定」といいます。ポートは簡単に言うとデータの送受信を行うための通り道のようなものです。
通常インターネットに接続する際には外部からの不正なアクセスを遮断するために「ポートフィルタリング機能」というものを使用してポートに制限をかけ、セキュリティを強化しています。
しかし、このポートフィルタリング機能により外部との交信が遮断され、接続要求を受けることができなくなってしまうので、一部のネット対戦ゲームのようなサービスが利用できない状態になります。そしてポートフィルタリング機能の一部を解除しこれらのサービスが使用できる状態にすることをポート開放と呼びます。
ポート開放のやり方
まずはポート開放したい端末のローカルIPアドレスを取得しましょう。ローカルIPアドレスは【コマンドプロンプト】で確認することができます。メニュー画面よりすべてのプログラム→アクセサリ→コマンドプロンプトと順にクリックしていき、表示された真っ黒な画面に「ipconfig」と打ち込んでEnterキーを押すとIPアドレスの情報が表示されます。(端末により表示形式は異なります。)
IP(v4)アドレスと、「デフォルトゲートウェイ(ルーターのIPアドレス)」「サブネットマスク」をそれぞれメモしておきましょう。
IPアドレスの固定
ところで、家庭や会社で一般的に使用しているIPアドレスは通常ルーターによってPCを再起動する度に新しく割り振られています。というわけで取得したIPアドレスが変更されないよう固定しておく作業が必要になります。
なぜなら現在使用しているIPアドレス(仮に[83.76.247.3]とします)をポート開放したとしてもPCを再起動したときに[83.76.247.5]などの別の数値に変更される可能性があり、ポートが閉じている状態の端末を使用していることになってしまうからです。
IPアドレスの固定はコントロールパネルの「ネットワークの状態とタスク」から「アダプターの設定の変更」をクリックし、インターネットに接続しているアイコンを右クリックしてプロパティを開きます。そしてインターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)を選択してプロパティを開き、「次のIPアドレスを使う」にチェックを付けます。
そこで先ほどメモしたIPアドレスの情報を入力して「OK」を押すとIPアドレスが固定されます。ちなみにDNSサーバーのアドレスはルーターのIPアドレスであるデフォルトゲートウェイと同じものを入力してください。
ファイアウォール機能のポート開放
Windowsには「Windowsファイアウォール」という機能が標準装備されており、デフォルトで設定がONになっています。この設定を変更するには「スタート」メニューよりコントロールパネル>システムとセキュリティ>Windowsファイアウォール>ファイアウォールの状態の確認>詳細設定の順にクリックし、表示された画面の左側の【受診の規則】をクリックしてから右側の【新しい規則】をクリックすると【受診の規則ウィザード】が表示されます。ウィザードでの設定方法は下記の通りです。
① 【ポート】にチェックして【次へ】→
② TCP(またはUDP)をチェックして【特定のローカルポート】に許可するポート番号を入力【次へ】→
③ 【接続を許可する】にチェックして【次へ】→
④ 【プライベート】にチェックをして【次へ】→
⑤ 作成した設定に分かりやすい名前を付けて【次へ】→
⑥ 最初の画面中央に設定した内容が反映されていることを確認して完了です。
セキュリティソフトのポート開放
使用中のソフトにファイアウォール機能がある場合にはそちらにもポート開放を行う必要があります。通常余計なポートを開かないように設定されているファイアウォール機能に例外的に目的のプログラムによるアクセスを許可するのです。
マカフィー・ウイルスバスター・ノートン・カスペルスキー・ESET等様々なソフトにファイアウォール機能が搭載されているのでメーカーのサポートページ等でポートを開く方法をご確認ください。
ポート開放の確認方法(サービスをいくつか)
下記サイトでポート開放が正しく設定できたか確認することができます。解放ポート対象のソフトを起動した状態で解放したいポートの番号を入力してチェックを行ってください。
まとめ
パソコンはファイアウォールによって外部からの不正なアクセスから守られているのですが、Windows標準のものやウイルス対策ソフトなど様々な種類があるためポート開放までの手続きが大変になってしまうことがあります。
しかし、ファイアウォールによるガードを外してポート開放を行うという事はその分セキュリティを低下させる危険性があります。ポート開放を実施する前にそのリスクについて理解を深め、必要な範囲で行うことが大切です。