失敗しがちなA/Bテストを効果的に回す10のガイドライン

Alex Cleanthous

AlexはWeb Profitsの戦略チーフです。コンバージョン率最適化における10年以上の経験を活かし、Web Profitsとそのクライアントらを常に業界の先端へと導いています。

この記事はUsabilityGeekからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

10 Guidelines To Improve The Effectiveness Of A/B Testing

A/BテストはWebサイトのコンバージョン率を改善するために最良の方法の一つですが、その成功例は案外少ないものです。毎回成功させるというのは至難の業ですが、最低4回に1回くらいは成功にこぎつけたいものです。

では、A/Bテストの成功率を改善するにはどうすればよいのでしょうか? コンバージョン率にできるだけ大きなインパクトを与えるようなテストを、どうすれば実現できるのでしょうか。

以上を念頭に置きつつ、A/Bテストの成功率を改善する10のガイドラインをお伝えします。

1. Google Analyticsでコンバージョン率への貢献度を確認する

訪問客はどうやってあなたのサイトに辿り着いたのでしょうか。どのページのどういった情報がコンバージョン率に貢献していますか。こうしたページをひとつひとつ、自ら何も知らない訪問者になった気持ちで見て回り、彼ら潜在顧客が新規顧客となる際にどのような情報を必要としているのか考えてみましょう。

2. ユーザーがサイトにどう反応しているのかを見る 

ユーザーのサイト上での動きを確認するために、私はCrazy Eggをつかっています。これは訪問者がサイト上のどこをクリックしているのかを追跡できるだけではなく、彼らがページをどこまでスクロールしたのかも見ることができるのです。クリックされた箇所を確認すれば彼らが一番重要だと感じたポイントを見るけることができるでしょう。もしユーザーがリンクを貼っていないにも関わらずクリックした箇所があった場合、必ず彼らが求めているものを提供できるようウェブサイトを更新しておきましょう。

3. ユーザーがサイトをどうブラウジングしているのかを見る 

Crazy Eggを使ってクリック箇所を追跡する一方、Inspectletを使ってマウスがどのように動いているのかもチェックします。見込み客がサイトをどのように動きまわっているのかを見ると視点が変わってきます。彼らはどのようにスクロールし、どこをすっとばして、どこを熱心に眺めているのか、そしてどういった順番でサイトを見てまわっているのか。こうした要素をチェックすることで、あなたは訪問客がいったい何を一番に考えてサイトを閲覧しているのかのヒントが得られることでしょう。

4. 控えめなアンケートでサイトに足りないものを調べる

適切な質問を適切なタイミングで尋ねることが、あなたのサイトに足りないものを理解するのに時には有効です。Qualarooはユーザーがあなたのサイトをブラウジングしている間に、さり気なく調査を行ってくれるツールです。最大の結果を得るために、どのような質問を掲載するのか何度か実験をしてください。例えば自由記述式にするのか、選択肢を与えるのか、など。長々とした質問に答えてくれるような暇な人間はいません。いかに簡単に答えられるように工夫するかが全てです。

5. ターゲットを明確にする 

対象となるターゲット層がそれぞれ何が好きで、何が嫌いで、何を不安に思って何に熱い思いを感じているのかを理解することで、彼らの心をぐっとつかむメッセージをつくることができます。この点は見落とされがちですが、一旦達成できればコンバージョン率に大いに貢献します。他のよくある方法としてはメッセージをプロダクトやサービスと一緒に届けることで、見込み客の心をつかむ代わりに既存顧客の心をつかむことができます。

6. 敵をよく知ること

競合他社のウェブサイトや広告キャンペーンをチエックし、彼らが何を言っていて、業界内でどういった位置取りをしようとしているのかを確認してください。そして彼らとは相対するように自分のメッセージをつくるのです。潜在顧客はあなたのウェブサイトと同じように競合他社のサイトも見ています。彼らにあなたの製品、サービスを選んでもらうには、あなたがその理由を提供しなくてはなりません。

7. ユーザーの流入経路を見る

サイトを訪問してくれた見込み客は皆異なった心理を持っています。そのためトラフィック元によってコンバージョン率は異なるのが常です。Facebookからの訪問客とGoogleからの訪問客では頭に思い描いているものが異なります。Facebookではちょっと強引なくらいのオファーでサイトにまで誘導しなくてはなりません。一方Googleでは単純にあなたが何をしていてどんな特色があるのかをそのまま記述すればいいのです。見込み客が自ら能動的に検索している状況下では、自分を売り込む努力は比較的少なく済みます。異なるトラフィック元がある場合は、異なるランディングページを使うこともありです。

8. 業界のうわさ話もチェックする 

業界の掲示板を覗いてみましょう。これがA/Bテストのアイデアの源泉になります。業界で一番盛り上がっている消費者の掲示板やフォーラムを覗いて、彼らが何を話題にしているのか確認しましょう。消費者は何に対して不安を感じており、何に不満を抱いているのでしょう? たかが掲示板だと侮らないでください。驚くほど多くの情報が得られます。

9. 予想リストをつくる 

ウェブサイトまたはランディングページをつくるときに、あなたの経験、または関係者の助言に基づいてどういった要素が新規顧客獲得に一番有用か、予想や考えをいくつか書き出してみてください。作り上げたページを改善する前に、その際の予想をリストアップしておかなくては話が進みません。色、レイアウト、メッセージにフォーム欄に至るまでウェブサイトの要素全てについてリストを挙げ、その横に自分たちの予想を書き込んでいってください。(例えば、この色を選んだ理由はサイトのメッセージ性に一番適していると考えたから。なぜなら…等々。)

10. アイデアに優先順位をつける 

これが今回のガイドラインの一番上に来るべきはずの大切なポイントなのですが、ここに至るまでに他のポイントを先に挙げる必要がありました。コンバージョン率に影響するであろう要素を洗い出し終わったら、各要素を今度は影響力の大きそうな順から小さいものへ並べ替えてください。鍵となる要素としては中心となるメッセージ、ヘッドライン、プレゼント、リンクやボタンなどのCall-to-action(行動喚起)要素、レイアウト、デザイン、キャッチコピー、口コミ等。一旦こうしたすべての要素をリストにした後、1から10までの点数をつけてみて、どの要素が一番影響力がありそうかを模索してみてください。

A/Bテストはコンバージョン率最適化行動ではない

A/Bテストを行うことは簡単です。OptimizelyまたはGoogle Content Experimentsといったサービス上でテストをセットアップし、結果を待てばいいのですから。しかしコンバージョン率の最適化を成功に導くことは全く別物です。

A/Bテストを設置することは誰にでもできます。しかし既に高いコンバージョン率を誇るランディングページを更に上回れると豪語する人間はほとんどいません。そしてそれこそがコンバージョン率最適化の意味するところなのです。もしこれを成功させることができれば、後はもうこちらのものです。

これらを全て正しく実行できた日には、あなたのウェブサイトのコンバージョン率はきっと上がっていることでしょう。A/Bテストを次々と成功させることができれば、業界のマーケット担当者が喉から手が出るほどあなたを欲しがるでしょう。この記事にある10のガイドラインに従うことでA/Bテストの成功率を劇的に改善し、他人よる頭ひとつ抜きん出たプロフェッショナルとならんことを!


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