普段フォントをつかうときに、フォントの名前は馴染みがありますが、個別のフォント名以外に書体の大分類に名称があることをご存知でしょうか。
この記事では、フォントのサンセリフ体についてご紹介します。セリフ体との違いを解説しながら、有名なサンセリフ体や、サンセリフ体の分類について詳しく見ていきましょう。よく目にする有名なフォントを詳しく知ることで、デザイン時のフォント選択肢の幅も広がるかもしれません。
サンセリフとは装飾のない書体のこと
サンセリフとは、フランス語でサン(ついていない)、セリフ(飾り)という意味です。欧文フォントの分類のうちのひとつで、セリフ体がひげやうろこなどの装飾がついているのに対し、サンセリフ体には装飾はありません。線の太さが均一で、飾りのないサンセリフ体はシンプルで使い勝手のよいフォントです。
有名なサンセリフ書体
有名なサンセリフ体のフォントに、ArialとHelveticaがあります。
Arial
1982年にモノタイプ社から発表されたフォントです。WindowsやMacなどのOSにあらかじめインストールされていて、馴染みのあるフォントです。
Helvetica
1960年にステンペル社から発表されたフォントです。(元は1957年にハース鋳造所から手組み用活字としてノイエ・ハース・グロテスクという名称で使用されていました)Helveticaはラテン語で「スイスの」という意味を持ちます。Macではデフォルトでインストールされているフォントで、あまりにも有名なフォントです。TOYOTAやPanasonic、無印良品などの企業のロゴでもよく使用されています。
サンセリフ体の分類
サンセリフ体は、グロテスク、リアリスト、ヒューマニスト、ジオメトリックと大きく4種類に分けられます。
グロテスク・サンセリフ
一番歴史のあるサンセリフの分類です。力強い印象を与えるフォントが多くなっています。Akzidenz GroteskやFranklin Gothicがここに分類されます。
アリスト・サンセリフ
ネオ・グロテスク体、もしくはトランジショナル体ともよばれます。上記で紹介した、ArialやHelveticaはここに分類されます。
ヒューマニスト・サンセリフ
セリフ体(ローマン体)の骨格をもつ、グロテスク体よりもやわらかで人間味のあるフォントがここに分類されます。VerdanaやMyriadがヒューマニスト・サンセリフに分類されます。
ジオメトリック・サンセリフ
人間味のあるフォントである、ヒューマニスト・サンセリフに比べて、幾何学的な骨格をもつのがジオメトリック・サンセリフです。Futuraなどがここに分類されます。