2016年は多くの主要ブランドがビジュアルアイデンティティを刷新しました。そこで、2016年前半における最も注目すべき、また議論余地のあるリブランドを集めました。
ギネスビール
リブランドについて
刷新されたビジュアルアイデンティティでは、アイコニックなGuinness社のハープにディテールが加えられ、以前のミニマルデザインから一新されました。
世間の反応
良いものでした。ギネスビールのロゴは以前の物と新しい物をとても素晴らしい方法で融合させました。
メディア「Brand New」では、リブランドに関してこのように述べられています。
最後のアイコンはとても見事です。最近のミニマルデザインの傾向とは異なるものでしょう。幅広い場面で使うにはやや扱いづらいものになったかもしれないですが、これが扱われるのはフルカラーの缶やボトルがメインなので、それほど問題はありません。
新しいロゴのディテールは大きなロゴで最も評価されます。サイズはほぼ2倍になり、古いロゴとの比較するとワードマークの変化も見てとることができるでしょう。
私たちの見解
ギネスビールのブランディングは、例外なく長きに渡り優秀です。すぐにGuinnessのものと認識できる独特なテレビ広告の時代から、本当に象徴的なブランドとして確立されています。
プレミアリーグ
リブランドについて
プレミアリーグはブランドを大きく刷新し、世界で最も大きいフットボールリーグを象徴するライオンは簡素化されました。
世間の反応
プレミアリーグは世界中で人気があるため、新しいブランドを公開することで大きな反響を呼ぶことは驚くことではありませんでした。嘲りや馬鹿にしたものから、称賛とリスペクトまでさまざまな反応がありました。
我々はプレミアリーグのリブランドに関する記事から当初の反応を探りました。
私たちの見解
私たちはこのリブランドされたロゴが大好きです。シンプルなビジュアルアイデンティティと鮮やかな色は好ましいものです。ブランドカラーを反映させた新しいプレミアリーグのボールはこのようなものです。
British Steel社
リブランドについて
スチール産業は、かつてないほど大変な時期に直面していましたが、British Steel社はビジュアルアイデンティティを刷新し、新しい時代へ引き継ぐ歴史的なブランドを作りだしました。
世間の反応
British Steel社のリブランドに対する批評を要約すると賛否両論となります。ある人はBritish Steel社のリブランドはやや無難すぎると批判しましたが、スチール産業は混乱する金融状況の中で生き残るために奮闘しており、リスクよりも安定を選択することは理解できることでした。
このリブランドは有名なデザイナーからも批判を受けました。Wolff OlinsのディレクターであるMichael Wolff氏は、新しいビジュアルアイデンティティに不快感を表しています。以下は驚くべき返事の一部です。
何年もこんなひどい言葉は耳にしていないですが、このグラフィックデザインには次の言葉を使用しても良いでしょう。
これは極めてひどいものです。デザインビジネスに害を与えるもので、国際的なグラフィックデザインのリーダーとしてのイギリスの誇りを傷つけ、イギリスの産業界における素晴らしいブランド力を汚しました。 -Michael Wolff氏
ひどいものです。
私たちの見解
私たちはMichael Wolff氏が使用したとても強い言葉には反対です。イギリスのスチール産業は混乱の渦中にあり、従業員の給料削減が広がっています。こうした中で、もしBritish Steel社がトップのグローバルデザイン代理店に対し何十万ものフィーを支払っていたとするとどうなるでしょう? 人びとは怒りを抱くでしょう。私はリブランドが受けてきた批判的な意見より、人々の怒りは重いものになると断言できます。
元々のBritish Steel社のビジュアルアイデンティティは象徴的なものでありました。しかし、巧妙で無難なものではあるが、同社はこの新しいリブランドをやり遂げました。
DC Comics社
リブランドについて
現存する中で最古のコミックブランド社の1つであるDC Comics社は、新しいビジュアルアイデンティティを創造すべく同社が誇る長い歴史に手をつけました。
世間の反応
意見が混在しています。新しいロゴはシンプルでありながら、以前のDCデザインのあらゆる特徴を融合させようと挑戦しています。
メディア「Brand New」ではこのように述べられています。
円形でDCを表現する方法は何百通りもあります。新しいロゴは、この何百通りもの方法の中からいくつかのアイディアを得て作られたように感じます。内側と外側にスパイクがあり、内側の曲線の角、外側の斜線の角、そして奇妙な角があります。
見て親しみを感じるロゴではなく、漫画の悪役のようにロゴが怒って見えるという点がこのロゴで最も評価されるポイントでしょう。
私たちの見解
私たちは中立な立場です。新しいデザインに反対する最も大きな要因の1つは、2012年の素晴らしいリブランドがあるからでした。そのリブランドは隠されたアイデンティティである漫画本をモチーフとして大きく起用したロゴを含むプロジェクトでした。おそらくDCはこれから30年間使用してきた1976年のロゴイメージを払拭しようと常に奮闘することでしょう。
Ministry of Sound社
リブランドについて
ダンス音楽の老舗レーベルは、新しいリブランドで以前のロゴを象徴的で馴染み深いモチーフの多くを取り除くという大幅な刷新を行いました。
世間の反応
おおむねポジティブな反応でした。新しいロゴに対するポジティブなフィードバックをRory Macrae氏が要約した一部です。
Spin氏が手掛けた新しいロゴがなぜ好きなのかというと、私が育ってきたときに元のマークが持っていた無秩序さを復活させたからです。25年が経ち、元のMOSロゴはどの部分にも見られません。「Trance Nation」の音楽とともに時代遅れになり、新しい世代には時代遅れで子供っぽい印象となっていました。
Spin氏は「気難しく反抗的な」感じを作ろうとし、実際にそのようになりました。彼らは大人っぽい新しいシンボルを作り出したのですが、まだやや大人っぽいという程度でしょう。元々のロゴよりはかなりクールになりましたが、まだ反抗的でアンダーグランドな雰囲気は残っています。
私たちの見解
私たちは古いロゴにそれほど好感をもっていません。長年に渡り時代遅れなものでした。この新しいビジュアルアイデンティティはとてもミニマルなもので、尖った線とエッジのきいた見た目は、クラブで酔いしれた夜を連想させるこのブランドにぴったりです。
リブランドについて
InstagramはロゴとアプリのUXの両方を刷新しました。以前のデザインであるビンテージなポラロイドカメラのイメージは、明るく夏っぽいグラデーションのものになりました。
世間の反応
新しいロゴに対する人々の反応はさまざまですが、ややネガティブなものが多いです。
以下は、Maxwell Barna氏が、新しいロゴに対する意見をまとめた記事の一部です。
Instagramの象徴であるポラロイドのロゴは、常に最も印象的なロゴの1つであると称賛されてきました。この事実を完全に無視したとしても、新しいロゴには、以前のような奥行き、まとまり、味わい深さといったものが欠けています。
私たちの見解
Instagramのロゴのリデザインでは、多くの要望が放置されています。しかし一方で、アプリのユーザビリティを大きく改善し、美しく魅力的で使いやすくすることで、そのような批判を払拭しました。
The Co-op社
リブランドについて
Co-op社の新しいロゴは太文字でシンプル、そして力強く明るい青色を使用しています。
世間の反応
反応は現状のところ、好評です。下記に、Twitterで発掘した意見をいくつか載せました。
Looks like @thecooperative is bringing back their old 1960s logo and reverting to the Co-op. I really like this! pic.twitter.com/UnZpUJw6H9
— Chris Chapman (@trioptimum) 2016年5月24日
1960年代の昔のロゴのようで、以前のものに立ち戻ったものでしょう。私は好きですね。
I think the Co-Op rebrand - and much of what they're doing in general at the moment - is fantastic! Kudos! pic.twitter.com/0kMRACpcG8
— Craig McPheat (@CraigMcPheat) 2016年5月28日
Co-opのリブランドと、彼らが今しようしていることは素晴らしいものだと思います。
私たちの見解
このリブランドで、ロゴはよりシンプルで落ち着きのあるものになりました。青色と1968年の素晴らしいデザインに戻ることは素晴らしいと言えます。リブランドが計画されたときに、このビンテージロゴを生き返らせるために文字を太字に決めたNorth氏には脱帽です。あなたはどう思いますか。
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