ターゲティングとは、自社製品を市場に投入する際、どの顧客層(セグメント)を標的市場にするかを決めることです。どんな商品・サービスでも、すべてのお客様に等しく適するということはありません。
顧客(ユーザー)を考える上で重要なターゲティングについて、整理してみましょう。
ターゲティングとSTP
マーケティングにおいて、ターゲティングとあわせて示される「STP」という言葉があります。これは、フィリップ・コトラーが提唱したもので、Segmentation(市場の細分化)、Targeting(標的市場の選定)、Positioning(訴求する立ち位置の決定)の頭文字を取っています。
STPは、マーケティング目標を達成するうえで、どのような市場をねらい、どのような立場でアピールするか、もっとも効果的な手段を決定するプロセスであり、ターゲティングは、このSTPに含まれる要素の1つです。
ターゲティングを考えるポイント5つ
ターゲティングにあたっては、次のような点に留意するとよいでしょう。
1. 市場規模の大きさ
その事業や商品・サービスが成立するだけの規模を獲得できるセグメントを選ぶ必要があります。どんなに具体的にターゲット像を描いても、ボリュームが小さすぎては事業の成功につながりません。
2. 市場の成長性
参入しようとする市場がこれから大きくなる場合は、売上やシェア獲得などの大きなチャンスがあります。市場が成熟していく過程で、当初予測もつかなかった新しい市場を獲得することができるかもしれません。
3. 顧客の優先順位や波及効果
周囲への影響をもたらすセグメントを優先してアプローチするほうが、マーケティング効率が高くなる可能性があります。
4. セグメントへ到達可能か
どんなに魅力的なセグメントでも、自社の経営資源に合わなければ、到達コストがかかるだけでなく、的確なアプローチができない恐れがあります。
5. 競合状況
ターゲットに定めた市場で、すでに競合が大きな地位を占めている場合は、参入障壁が高いだけでなく、十分な利益が得られない恐れがあります。
まとめ
ターゲットの選定には、自社の強みを活かせるセグメントや、競合する他社がいないセグメントを選択することが大切です。
自社が提供できる価値と、顧客が求めるニーズがどこでマッチするのかを考えながら、マーケティング目標に十分な規模を獲得できるターゲット層を設定しましょう。