CSSは、W3Cという標準化団体によってその仕様が策定されています。今回は、CSSの仕様がどのように策定されており、現在はどのような状況なのかについて簡単に説明します。
CSSのバージョンについて
CSSの仕様はバージョンではなくLevelで分けられており、一般にCSS Level 3はCSS3と呼ばれます。現在、CSS2.1が勧告されており、CSS3はモジュール毎に少しずつ勧告されていっています。
CSS3とは?
正式には、CSS3 標準自体は存在しません。 それぞれのモジュールは独立して標準化されています。
CSS3 - CSS | MDN より
上記のように、現在のCSSはColor, Selectors, Media Queries のように、機能別のモジュール毎に策定が進んでいます。つまり、ざっくりCSS2.1をベースとした各モジュールのLevel3を総称してCSS3と呼んでいるというわけです。
CSSの策定プロセス
CSSの策定プロセスは、大まかにまず最初に草案(WD)が作られ、勧告候補(CR)となり、最終的に勧告(REC)されるという流れになります。
詳細な策定プロセス
各ブラウザも段階的にCSSのサポートを進めており、勧告される前の勧告候補の仕様でもサポートされることがあります。
CSS4について
CSSはモジュール毎に仕様が策定されるようになったため、CSS4標準自体は存在しません。CSSの各モジュールのLevel4をCSS4と呼称することもあります。
また、カスタムプロパティなど新しいモジュールはLevel1となっており、モジュールのLevel4の総称をCSS4とする場合、カスタムプロパティはCSS4には含まれないことになります。なので、便宜上CSS4と呼称する場合、非常に定義が曖昧であることが多いです。
各モジュールのLevel4の状況
CSS4は現在、一部のモジュールで仕様策定が進められています。現在進捗中の、CSS4のモジュールは以下の通りです(2016年9月15日現在)。
草案(WD)のモジュール
Selectors Level 4
Media Queries level 4
初期草案(FPWD)のモジュール
CSS Pseudo-Elements Module Level 4
CSS Basic User Interface Module Level 4
CSS Text Module Level 4
CSS Color Module Level 4
また、「CSS Cascading and Inheritance Level 4」は勧告候補(CR)となっており、「CSS Backgrounds and Borders Level 4」は初期草案(FPWD)が作られようとしています。
最新の状況は、下記のページより確認できます。
CSS current work & how to participate