WebサイトやLPの運営では、ユーザーの動きを知ることが欠かせません。今回は、ヒートマップ分析の特徴と、おすすめの主要サービスについてご紹介します。
ヒートマップとは?
ヒートマップとは、Webサイト上でのユーザーの行動を知るための分析手法のことで、サーモグラフィのように視覚的にWebページを分析できるという特徴があります。例えば、ユーザーが閲覧もしくはクリックした部分は赤色で、そうでない部分は青色で表示されます。Webページのどの部分がユーザーの興味を集めているのかがビジュアルとして一目でわかります。
ヒートマップツールの主要機能
・アテンションヒートマップ
サイト上での滞在時間などから、ユーザーが興味を持っている部分や関心を持っているコンテンツ、読まれている文章、またスキップされてしまっている部分などを知ることができます。
・マウスムーブヒートマップ
サイト上でのマウスの動きから、ユーザーがどのような動線で動いているかを知ることができます。
・クリックヒートマップ
ユーザーがクリックしたリンク、画像、テキストなどを知ることができます。
・スクロールヒートマップ
ユーザーがサイト上でどこまでページをスクロールして、どこで離脱したのかを知ることができます。
なぜヒートマップが必要か
ヒートマップが注目を集めていることには、理由があります。それは、Google Analyticsなどのアクセス解析では、ユーザーの行動が十分にわからないからです。アクセス解析でわかるのは、ページごとのPVや離脱・流入などで、ページ内での行動までは把握できません。
ヒートマップを使うと、アクセス解析ではわからなかったページ内の行動がわかります。具体的には、ユーザーがよく見ているのはどの部分なのか、どれくらいページをスクロールしたのか、よくクリックされているのはどの部分なのかということが、詳細にわかるのです。この結果をもとに、デザインやコンテンツ戦略の修正を行うことができます。
ヒートマップツールまとめ
それでは、それぞれの分析ツールを紹介していきます。
Mouseflow(料金:月額2,817円〜)
Mouseflowは欧米でシェアを拡大しているヒートマップ解析ツールです。全国で90,000社以上の企業に導入されており、有料ではあるものの、業界水準で低価格なのが特徴です。
ヒートマップ解析だけではなく、クリックやスクロールなどのユーザーの細かい動きを録画するセッションリプレイ機能や、ユーザーのフォーム入力を細かく追うことができるフォーム分析なども備えています。
※価格は為替レートによって変動致します。上記は2016/12/19時点での価格です。
User Heat (料金:0円)
クリック分析や、マウスムーブなどの基本的なヒートマップ機能が利用できるツールです。スマートフォンにも対応しているので、幅広い対象のユーザーを分析することができます。
分析結果も直感的に分かりやすく表示されるので、初心者にも使いやすいです。ヒートマップのみの利用ですが、すべて無料で使うことができるので、初めて使う方には導入しやすいでしょう。
clicktale (料金:月額23,980円〜)
ヒートマップツールとしてはとても有名な分析ツールです。国内外で利用されており、日本では1,200社を超える企業が採用しています。ヒートマップの基本的な機能以外にも、マウスの動きを録画したり、アクセス解析ツールのGoogle Analyticsと連携できたりもします。
他にも、リアルタイムモニター、フォームの解析、コンバージョン・ファネルといったさまざまな機能が備わっています。また、clicktale専用のウィキも用意されているなど、サポート面での手厚さも魅力です。
USERDIVE(料金:月額50,000円〜)
Web上でのユーザーの動きを可視化するUX分析ツールです。動画分析、フォーム解析、ヒートマップやフィルター機能によって数値だけでは分からない、ユーザーの動きを的確に分析できます。
マウスの動き、クリック、スクロールといった基本的なヒートマップ分析に加えて、ユーザーの滞在時間を計測し可視化するルッキングヒートマップという機能も備わっています。また、アプリ版に対応した「USERDIVE for Apps」も提供されています。
User Insight(料金:月額50,000円〜)
国産のヒートマップ分析ツールで、UserHeatの機能を強化した有料版です。早稲田大学大学院での研究をもとに開発が行われました。官公庁など、国内の組織・企業など幅広く採用されています。
熟読エリア、クリックエリアなど全5種類のヒートマップ機能があり、男女や年齢などのユーザー属性で絞り込むことも可能です。また、モバイル端末の分析にも対応しています。
Appsee(料金:月額95,000円~)
アプリの利用状況を可視化する、アプリ分析ツールです。アプリの画面上でのユーザーの動きを記録し、ビデオで見ることが可能です。ヒートマップ機能では、ユーザーのタッチジェスチャーを可視化できます。
他にも、アプリ内でクラッシュしたセッションを自動で見つけるクラッシュ分析レポートや、リアルタイムでユーザーの動きを分析できるアプリ利用分析など、ヒートマップと組み合わせて使いたい機能が多数備わっています。
Ptengine(料金:月額14,800円〜)
Ptmind社がリリースしているヒートマップ分析ツールです。登録アカウントは35,000以上で、ヒートマップ分析サービスとしては大手になります。メルセデスベンツやコンバース、Huaweiなど、グローバルな企業にも利用されています。
マルチデバイス対応やリアルタイムでのモニタリングなど、ヒートマップの機能は一通り備わっています。また、WordPress向けのプラグインもリリースされているのも魅力的です。
Si Test(料金:月額50,000円〜)
人工知能を搭載した世界初のWeb分析ツールです。A/Bテスト、ヒートマップ分析、EFO対策ツールなど、さまざまな機能を使うことができます。
ヒートマップの機能としては、クリック分析やスクロール分析などの基本的なもの以外にも、ページ内のコンテンツ同士の因果関係を知ることができるゲイズプロットや、スマートフォンのタップ解析など、全8種類提供されており、より細かな分析を行うことが可能です。
brick(料金:月額4,000円〜)
Web分析に便利なさまざまなツールを提供している、Webサービスです。Google Analyticsと連携することで、手軽にツールの導入が行えるようになっています。ツールは1つ月額4000円から使うことができます。
ヒートマップではスクロール、クリック、マウスの動きの3種類の分析を行うことができ、Google Analyticsと同じ条件で結果を絞ることもできます。
VWO(料金:月額100,000円〜)
ヒートマップ機能が備わっているA/Bテストツールです。JavaScriptタグをWEBサイトに埋め込むだけで簡単にA/Bテストができるので、手軽に導入することができます。ヒートマップ機能では、ユーザーのマウスの動きと、どこがクリックされたかを可視化します。
また他にも、フォームを自動で分析し最適化してくれる機能や、セグメント機能など便利な機能が多数備わっています。スマホ版の画面にも対応しているのも魅力的です。何より、24時間365日の万全なサポート体制があるので、安心して使うことができます。
まとめ
ヒートマップは、アクセス分析と組み合わせることでより効果を発揮します。ユーザーの行動や興味を深く理解して、効果の上がるWebサイト戦略を行ったり、よりよいユーザー体験を提供していきましょう。
今回ご紹介したツールはどれも無料トライアルができるので、気になったものがあれば、ぜひ一度試してみてください。