いますぐ実施できる6つのユーザーテスト

Jess Hutton

Jess Hutton氏はソルトレイクシティにあるClearlinkのユーザーエクスペリエンスとナレッジマネジメントのスペシャリストです。ウェブサイトでの体験がユーザーにとってより良いものとする方法を数年間にわたり探求してきました。

この記事はThe UX Boothからの翻訳転載です。配信元または著者の許可を得て配信しています。

Actual, Factual (Affordable) User Testing

ユーザーテストにおける一番の心配事は何でしょうか?

予算とスケジュールが一番の心配ごとであることが多いようで、それはたとえその価値を十分に知っているようなチームでも同じようです。

私は、1つのシンプルな理由から、これらの懸念は根拠がないという結論に達しました。ユーザーテストは、安価ですぐにできるものを含めて、非常にたくさんの方法があるからです。

以下、その方法をご紹介しますが、それぞれのテストには無料版と有料版があります。あなたのチームがどれを試すかは、会社の予算と対象とするプロジェクトの種類によって異なります。ですが、どのようなユーザーテストも何も行わないよりは良いでしょう。

それでは6つのタイプのユーザーテストについて見て行きましょう。これらはすべて、ユーザーとの直接的なやりとりを通して、学びを得るものです。中には、あなたがユーザビリティテストであると考えていなかったものもあるかもしれません。

  1. オンサイト・アンケート
  2. スターバックス
  3. ヒートマップ
  4. ビデオレビュー
  5. フォローアップ
  6. ワンクリック・フィードバック

オンサイト・アンケート

オンサイト・アンケートは、ユーザーがウェブサイトの特定のページを訪れたときに割り込んで表示されるものです。

もしオンサイト・アンケートの利用を検討するなら、ユーザーにどのような影響を与えるかについて必ず考慮してください。ユーザーをイライラさせたり、混乱させたりするかもしれません。アンケートの中には、ユーザーが見に来たコンテンツを中断するものや、コンテンツに被せてくるものもあります。特に全画面表示されるものは、直帰率を増加させるでしょう。

オンサイト・アンケートが表示されたときに、ユーザーがサイトから去っていないかを、分析データをもとに注意深く調べてください。アンケートページでの高い直帰率を防ぐ一つの方法は、遅延アンケートを用いる事です。これらは数秒後に表示されるようにプログラムされており、フローを妨げずにユーザーにページを認識させることができます。しかしながら、遅延アンケートはイライラするものでもあります(私たちのアンケートでは、質問への回答よりも多くの文句が集まりました)。そのため、アンケートは短く親切であることを心がけましょう。

直帰率を増加させる別の要素はダラダラと続くアンケートです。これを防ぐためには、ひとつのページでひとつの答えを得ることをアンケートのゴールとしましょう。そして可能な限りユーザーの入力を少なくし、時間をかけず悩まずに済むようにアンケートをデザインしましょう。

スターバックス

外に出て実際のユーザーと会話するのが一番良い場合もあります。カフェはユーザーと話すのに適しています。さまざまな人々を観察し、あなたのカスタマープロフィールに最も近い人とお近づきになりましょう。

カフェに出かける前に、ひとつのカスタマープロフィールにつきひとつのタスクを記載しましょう。アンケートを軽く読んで、2回程度のクリックで済むものが良いでしょう。(プロの技:プロジェクトの関係者以外にタスク内容を読んでもらい、普通の人に意味が伝わるか教えてもらいましょう。もしくはHemingway Appを利用してシンプルで明快にしましょう)

スターバックスか地元のコーヒーショップに、パソコンと10,000円を持って行きましょう。カスタマープロフィール(車、身なり、機器のタイプ、年齢などを観察しましょう)に当てはまる人を見つけたら、数分間だけ時間をもらう代わりにコーヒーを買っても良いか丁寧に尋ねましょう。良からぬことのために声をかけていると警戒する人もいるかもしれません。しかし、そのような心配するより、利益のほうが大きいです。あなたは幅広い種類のユーザーと統計をカフェで得るでしょう。そして、実際のユーザーと想定したカスタマープロフィールを結びつけることができます。

協力してくれる人に想定していたカスタマープロフィールと結びつけられたタスクをお願いします。そしてサイトを利用している彼らを観察します。覚えておいてください。クリックするまえに躊躇するすべての場所を記録し、クリックをしてからすぐに前の画面に戻るようならメモし、すべての質問を書き留め、長い時間止まってしまった時は、困っている内容を聞きましょう。

スターバックスメソッドには代替案があります。それは近所のバーメソッドです。ウェブサイトやアプリは、酔っ払いでも使い方がわかるくらい簡単であるべきです。アプリかモバイルウェブサイトを持って地元のバーに行きましょう。カスタマープロフィールにあった2人の異なる人物にお酒を買ってあげ、彼らにタスクに挑戦してもらいます。すぐにあなたはどこが難しいのか、どこが読みにくい文章なのか、どこに小さすぎるボタンがあるのか学ぶでしょう。

ヒートマップ

スターバックスメソッドの唯一の欠点は、ユーザーにコンテクストがないという事です。彼らは今日そのアプリケーションを使おうと思っていたわけではありません。

一方、ヒートマップは完全にコンテクストがあります。ヒートマップは特定のページでのユーザー活動を記録するトラッキングソフトです。ユーザーがどこをクリックし、どのようにスクロールしたのか、さらにはどのデバイスを使っているのかを要約して見ることができます。ヒートマップを使うと、Googleアナリティクスで表示される「指標」に、その「理由」を示すことができます。

ヒートマップとGoogleアナリティクスのトラフィックと直帰率データを組み合わせると、一部のページが他のページよりも優れている理由を知ることができます。たとえば、3つのコールトゥアクション(CTA)が表示されているランディングページを注意深く観察すると、トラフィックが多いにもかかわらず直帰率が高く、ユーザーがあちこちをクリックしていることがわかるかもしれません。もしCTAがひとつだけのランディングページに変更して、同じトラフィックを維持できたとしたら、ユーザーのコンバージョンは増やしつつ直帰率を下げることができるでしょう。私たちはシンプルなデザインほど効果的であることを知っています。

ビデオレビュー

ビデオレビューは、ユーザーテストに人間味を加えることができます。ユーザーはウェブサイトを利用している自分自身を記録し、自分の考えを声に出しながら、課題を達成しようとします。

このサービスの良い点は、ユーザーが自身の考えを声に出しているのを聞けるということです。なぜボタンをクリックしたのか、クリックしなかったのか、文章のどの部分がわからなかったのか、実際に答えを見つけることができなかった質問について説明することができます。

多くの研究で、私たちの脳は、私たちが好む、あるいは本当に考えていることを大声で伝えることができないということが分かっていますが、私はこの方法からいくつかの高いレベルの洞察を得ることができます。 しばしば、私は決してビデオレビューなしにそれらの接続や実現をしたことはありませんでした。

多くの研究で、私たちの脳は、好みや本当に考えていることを声に出して伝えることができないとわかっています。しかし、私はこの方法からいくつかの深い洞察を得ることができると気付きました。多くの場合、ビデオレビューなしに、関連性に気づきや洞察を得ることは出来なかったでしょう。

フォローアップ

満足している、もしくは不満のある顧客をうまく活用できてないのはよくあることです。あなたのサービスでは、製品を購入するユーザーの支払いプロセスの中に、メールアドレスを集める仕組みがありますか? もしあるとしたら、あなたは金鉱の上に座っていると言えます。

まず、簡単なアンケートを作成しましょう。アンケートを作ったら、過去30日間に製品を購入した人すべてに送りましょう(Amazonは本当にこれを上手に実行しています)。あなたは示唆に富んだアンケートがたくさん届き、驚くことでしょう。どのように支払いが行われ、どのように購入体験が感じられ、そして顧客が何に満足しなかったのかについての素晴らしい洞察を期待することができます。

ワンクリック・ユーザーフィードバック

ワンクリックのユーザーアンケートは、ユーザーの作業中か情報の整理中に意見を求めるものです。このようなユーザーテストは、実施する前に実装コストとトラッキングが必要になりますが、セットアップしてしまえばとても有益です。Amazonの製品レビューで、このような機能に慣れていると思います。

Amazonの「このレビューは役に立ちましたか?」

Amazonの「このレビューは役に立ちましたか?」

これはワンクリックのユーザーフィードバックです。この機能は、レビューやよくある質問以外でも使うことができます。例えば、ニュースレターの登録フォームが右端の上にあり見つけにくいサイトを想像してください。ニュースレターの購読リストにメールアドレスが登録されるたびに、「ありがとう」メッセージが「ニュースレターの登録フォームを見つけるのに苦労しましたか?」というチェックボックスと共にポップアップで表示されます。

もしくは違ったフレーズを考えましょう。「購読ありがとうございます!改善にご協力ください。このボックスを見つけるのに苦労しましたか?」これであれば、質問をする理由について説明する必要がありません。

質問をクリックひとつで済ませることは、ユーザーへの認知的負荷を軽減します。

もうひとつの方法:ブランクステートデザイン

これまで私たちが議論してきた伝統的なユーザーテストとは異なり、ブランクステートデザインではユーザーに質問させます。ユーザーと直接やりとりができるビジネスでは、このユーザーテストは非常に効果的です。ユーザーに製品やデザインどこが悪いのか質問をする代わりに、一緒にシステムをデザインしてもらいます。

ユーザーをオフィスなどに招き、時間をもらう代わりに無料コーヒーやギフトカードなどをあげると良いでしょう。ユーザーには製品や提案についての質問をしたり、追加して欲しい機能とその理由について聞きます。この時、欲しい機能を実際に書いたりモデリングするツールを用意しましょう。触れることのできる製品の場合は、ハサミやテープ、糊、針と糸などを渡し、改造してもらっても良いかもしれません。そして、理由について、「なぜここに配置したのか?」「なぜこの色が好きなのか?」「この機能を排除した理由は?」などたくさん質問しましょう。テストは集中できるように、音声かビデオに記録すると良いです。


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