インターネット市場の発展はとどまることを知りません。経済産業省によると、平成27年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は13.8兆円(前年比7.6%増)まで拡大しています。2010年と比べると倍近く伸びており、法人・個人問わずWebマーケティングはますます重要になっていくでしょう。
また、デジタル・Webマーケティング系の資格が注目集める、各地でWebマーケティングのセミナーが開催される、Webマーケティングに関する本が多数登場しているなど、個人がWebマーケターとしての力を身につけようとする機運もかなり高まっています。
ここでは、初めてWebマーケティングに取り組もうとしている方やWebマーケティングの基礎をさらっと見直したい方向けに、Webマーケティングの施策や手法についてご紹介します。
Webマーケティングとは
まず簡単に、Webマーケティングの概念について。
Webマーケティングとは、「Webサイト/サービスや自社商品の興味関心の獲得、実際の購買につなげるために、ユーザーに対してインターネット上で施策を行うこと」を指します。
特徴としては、
- 施策の成果や費用などを数値化することで、具体的な効果の確認・検証が可能
- 施策の考案、実施から検証まで、スピーディーに進行できる
- 施策にかかる費用が安い
といったことが挙げられます。
基本的な流れとしては、「情報の認知の獲得→訪問ユーザーへのアプローチ→訪問ユーザーのリピーター化」です。
それでは、Webマーケティングの具体的な施策についてご紹介します。
Webマーケティング:集客施策
1.SEO
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索エンジン最適化のことを指します。
ユーザーが検索エンジンで検索をかけた時、自社サイトが上位に登場するようにウェブサイトを最適化する施策です。常に上位に居続けることができれば、検索流入が定期的に見込めて長期的な効果が望めます。
2.メールマーケティング
企業がメールアドレスを保有しているユーザーに対してメールで情報を伝達するアプローチです。
メールマガジンを送る、ECサイトでお気に入りをしている商品の状況などを知らせるなどして、Webサイトへのアクセスを促します。
3.プッシュ通知
企業、ブランドのアプリをインストールしてもらっている場合は、スマートフォンの画面にプッシュ通知という形で再来訪を促すことができます。
また、PCを使用している際にも、チャットツールの通知のように画面に表示される「Webプッシュ通知」によるWebマーケティングもにわかに注目を集めています。
4.SMM
SMMとは「Social Media Marketing」の略で、TwitterやFacebookなどを自社で運用し、情報を発信する事でPR効果を狙います。最近では、instagramやLINE、Snapchatを使用した取り組みも増加しています。
コストは低いですが、ユーザーにフォローしてもらうためにユニークな投稿をし続けたり、反応に対してリアクションしたりとユーザーとの関係を維持するための工夫が必要で、スピーディーかつ長期的な運用が必要になります。
Webマーケティング:広告による集客施策
5.リスティング広告
一覧、表といった意味を持つ言葉を冠したリスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPANなどでユーザーが検索をしたときに、検索結果ページに広告を表示させる広告のことです。
前述のSEOよりも即効性が高いですが、費用がかかっている分、効果検証や適切にユーザーへアプローチができるよう運用・管理するなど気を配る必要があります。
6.SNS広告
前述したSMMでは自らアカウントを運用しますが、SNS(Social Networking Service)広告では、それぞれのページ内指定の箇所に広告を配信します。
費用が発生するほか、ユーザーが気分転換にSNSを見ているところに広告が表示されるので、気分を害さないように内容を工夫するなどフォローが必要です。
Webマーケティング:コンバージョン施策
コンバージョンとは、「Webマーケティング側で設定した最終的な成果がどれくらいあったか」という意味で使用されます。
購買や資料請求、問い合わせなど各企業によって最終的な目標は変わります。つまり、コンバージョン施策とは「サイトを訪れたユーザーがコンバージョンするために行う施策」です。コンバージョンについてさらに理解したい方は、「Webマーケティングにおけるコンバージョン(CV)の意味」をごらんください。
7.LPO
LPOとは、「ランディングページ最適化」という意味です。ランディングには「着地」という意味があるように、広告やリンク、検索結果をクリックした際に表示されるWebページのことを指します。
ユーザーがサイトを訪れた際に、一番最初に開くページで興味を持ってもらえるように最適化します。具体的には、文言の書き方や写真の配置などを工夫します。ユーザーにとっては直感的に他サイトとの優劣の比較する基準にもなるので、重要な施策となります。
8.Webツールによる施策
サイトに訪れたユーザーに対し、PCやスマートフォンの画面を通じて、リアルタイムでクーポンを発行したり、チャットを送る機能などを持ったツールを用いる施策です。例えば、ECサイトを見ているときに、「予約商品一覧」「10%OFF」といった情報をさりげなく表示するといった具合になります。
情報収集や購買行動などユーザーの欲求に伴った施策であり、新しさも相まって注目が集まっています。
9.EFO
EFOは「入力フォーム最適化」という意味を指し、購入する際などに個人情報を入力するフォームを最適化する施策です。
フォームのデザイン次第で、情報提供から成果をあげるまでの流れがスムーズになり、直接的な成果に繋がるので即効性の高い施策です。