仕事による業績には常に目標の設定が必要ですが、広告ではどのようにして効果を測定するのでしょうか。今回は目標の達成度合いを確認する指標であるKPI(Key Performance Indicator)の意味と、KPI設定のポイントについて紹介します。
KPIとは
KPIについて説明するうえで紹介したい用語はKGIというものです。KGI(Key Goal Indicator)は日本語では重要目標達成指標と訳され、目標に対する達成度合いを定量的に表します。KPI(重要業績評価指標)は、その目標達成プロセスの実施状況を計測するために、実行の度合いを定量的に示すものです。つまり目標設定としてKGIを明確化し、その過程の中間指標としてKPIを設定します。
KPIに設定される数値は部門によってもさまざまであり、マーケティング部門で使われる新規獲得の顧客数や受注数という数字だったり、別な部門では顧客満足度や従業員満足度として設定・導入されます。また、KPIを設定する際、Specific(明確性)Measurable(計量性)Achievable(達成可能性)Result-oriented or Relevant(結果指向または関連性)Time-bound(期限)の頭文字をとったSMARTという考え方が重要です。
KPIを設定するポイント
KPIの設定は広告の目的によって異なるため、まずは目的を設定します。基本的には、
- サービスやブランドの認知拡大
- 商品やサービス価値を訴求し、購入検討につなげる
- 購入や問い合わせなどの具体的な行動促進
- 商品の販売や会員数拡大等の獲得
といったものが挙げられます。1つ1つKPIを設定します。
認知を目的とする広告のKPI設定
認知を目的とするKPI設定は、どれだけ多くの人に広告が知れ渡っているのかを測定することが重要です。
動画広告の視聴回数
動画広告の視聴・再生数
インプレッション
広告が表示された回数。動画広告は、再生されていなくてもカウントされる
ユニークユーザー数
動画広告であればを視聴した実質の人数。Webサイト内であれば純粋な訪問者数。1つのデバイスにつき1回のみカウントされる
リーチ
ある広告が全インターネットユーザーのうち何割に配信されたかの割合。単に広告が配信された人数を指す場合もある
Cost Per Mile 単価
広告1000回表示またはアクセス1000ページビューあたりの収益額
(広告費÷インプレッション数)×1000
購入検討を目的とするKPI設定
購入検討を目的とする場合は、その広告がどれだけユーザーに響いたか?を測定することが重要です。
動画広告の視聴完了率
30秒以上または完了まで再生された回数のみをカウントする
動画広告の再生時間
1つの動画の総再生時間
ブランド関心度の向上
GoogleやYouTubeにおいて指定したキーワードの検索数が広告配信前後で変化したかをサーチリフトを使って測定する
行動促進を目的とするKPI設定
行動促進を目的とする場合は、その広告によってユーザーがどう行動し、CVに繋がったのかを測定することが重要です。
クリック数・クリック率
広告がクリックされた回数と広告がクリックされた割合。クリック率は、クリック数÷インプレッション数×100(%)
問い合わせ件数
広告配信後の商品やサービスに関する問い合わせの数
クリック単価 (Click Per Cost)
1クリック(=サイトへの1アクセス)を獲得するのにかかるコストのこと。広告費÷獲得したクリック数
獲得を目的とするKPI設定
コンバージョン数(CV)
広告を経由して獲得できた成果。商品が売れる、サービスが売れる、会員登録される等、本来の目的の達成数。
コンバージョン率(CVR)
ウェブサイトへのアクセス数やユニークユーザーのうち、何割がコンバージョンに至るかを示す割合。コンバージョン数÷クリック数×100(%)
顧客獲得単価 (Cost Per Acquisition)
顧客一人を獲得するためにかかるコストのこと。広告費÷新規獲得顧客数
オーダー獲得単価(CPO)
既存ユーザーを含め、1つの注文を獲得するためにかかるコストのこと。広告費÷獲得顧客数